メイン会場ではためく参加国の国旗。記者の帽子は、寒さに耐えられず現地購入したもの。

LCC(飛行機)と高速鉄道で片道約6時間ーー時差ナシ、客席ガラガラだから実現できた!?

羽田→平昌→羽田を週刊プレイボーイ本誌記者が観戦!

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平昌オリンピック。韓国は時差がなく見やすい時間に中継をしている。テレビで見ると客席はガラガラ。チケット販売サイトを見ると、まだ売っている。ならサクッと見に行けるかも? 羽田からソウルは飛行機で2時間ちょい。ソウルから平昌まで高速鉄道が開通して1時間半。ホテルはぼったくり価格らしいけど、日帰りなら問題ナシ!

調べるとLCCのピーチで羽田を午前1時55分発、仁川4時35分着の便があり、値段は休日でも往復で6万円以下。大手航空会社の福岡往復の正規運賃より安い!

2月12日の0時前に羽田空港へ。チェックインするとフライトが15分遅れると言われる。ソウル駅7時発の列車に乗らないと競技開始の10時に間に合わない。ギリギリなので少し不安だ。

結果として、さらに遅れて機内へ。ほぼ満席で韓国人が7割。そして若者ばかり。フライトはあっという間で、狭い席を気にすることなく5時過ぎに仁川国際空港へ。韓国は入国カードが必要なのだが、疑問がひとつ。現地の滞在先欄に普段はホテルを記入するが、日帰りはなんと書くのか? 悩んだ末、空欄で入国審査官に提出し「トゥディ カムバック ジャパン」と話すと、あっさり入国を許された。

気づけば6時、急いでソウル市内へ向かう空港鉄道へ。だが時間のかかる各駅停車しかなく、予定していたソウル駅7時発の列車に乗れず。次の8時の列車は空港始発、空港でゆっくりできたじゃん。

ひとまず平昌までの切符(約2千円)を買い、構内をウロウロ。コンコースに弁当屋が並び、日本発のほっともっとが人気。でも日帰り韓国で日本食はいやだ。別の店でプルコギ弁当を購入。

8時前、KTXが入線。先頭と最後尾が機関車で客車は8両。車内は日本の新幹線より狭い2席×2席のシート。だがコンセントにフリーWi-Fi付き、イヤホンを差せばBGMが聞けるなど快適。ソウル駅からしばらくは普通列車と同じ線路を走るため、ゆっくり。途中から新たに建設された高速線に入り、最高時速200キロ。揺れは小さく、字を書いても気にならない。

定刻9時28分に平昌駅到着。ここはスノボ会場などがあるフェニックススノー競技場の最寄り駅。駅は山の上で、周りに民家はない。構内は切符売り場のほかには小さな売店のみ。シャトルバスが5分おきにあり、10時10分会場着。

会場は大混雑! 風が吹くとさらに寒い

今回、オリンピックを観戦するにあたり、ぜひ日本人が表彰台に上がるシーンを見たいと、週プレ本誌メダル予想特集(8号)を熟読。確実とあったスノボ女子スロープスタイルのチケットをネットで購入。約1万8千円のチケットしかなかったが、メダルの感動を味わえると思えば安い。

が、会場はボディチェックが大混雑。30分もかかり、競技終了まで1時間ちょい。ダッシュで観客席へ。目の前に広がるキラキラ光るゲレンデ! 見晴らしは最高! だけど立ち見の安い席はゲレンデ上でゴールの真ん前。そっちのほうが良かったんじゃ? でもそんなことより寒い! 階段状の観客席は遮るものがなく、温度計はマイナス10℃とあるが、風が吹くとさらに寒い。

スロープスタイルはトリッキーなジャンプが得点につながるため、バランスを崩す風は大敵。前日の予選は強風で中止になっていて、この日も風が強く転倒する選手が続出。そのたびに会場から「オゥー」とため息が聞こえる。

◆本当の戦いはラストにあった! 『週刊プレイボーイ』10号(2月19日発売)「平昌五輪の“極寒”場外ワイド」では、ここがヘンだよ平昌五輪、観戦チケットのトホホな販売事情など観戦ルポを掲載! そちらも是非お読みください!

(取材・文・撮影/関根弘康)