シャーザー(ナショナルズ)らと共にFA市場の目玉のひとりといわれたダルビッシュ。 ※写真はリグレー・フィールド

メジャー各球団のキャンプイン直前、ダルビッシュ有の所属先がようやくシカゴ・カブスに決まった。

「すごく誠意を持って交渉してくれた。ワールドシリーズはもちろん優勝したい」

入団記者会見でダルビッシュはそう語ったが、6年総額1億2600万ドル(約136億円)という巨額契約にたどり着くまでには相当な駆け引きがあったようだ。メジャー某球団の関係者がこう言う。

「正直、ダルビッシュからすれば100点満点で70点くらいの契約内容。もし本当に満足できる条件が提示されれば、12月にさっさとサインしていたはずです。ダルビッシュ側の希望は7年総額200億円あたりだったと聞きますし、実際にそれくらい評価されている選手ですからね。

ところが当初、カブスの提示は4年という短期契約で、まったく話にならなかった。持久戦に持ち込まざるをえなかったというのが実情です」

ドジャースやヤンキースなど、ほかにも“本命”とされた球団はあったが、時がたつにつれ撤退。スポーツ紙メジャー担当デスクが解説する。

「今オフの移籍市場は異常なまでの“厳冬”で、選手会からは『球団側が談合して好オファーを出し渋っているのでは?』との声まで出たほど。さすがに口裏合わせはないにせよ、引っ張るだけ引っ張って少しでも安く契約しようという気配は確かにあります。その理由は年俸総額の抑制、来オフの大物FA補強を見越しての節約などいくつもありますが、ダルビッシュはFAになったタイミングが悪かったというしかありません」

それと引き換えに、今回の契約には「来年オフにはダルビッシュ側が契約を破棄できる」という付帯条項がある。

「つまり、表向き6年でも実質的には2年契約。その間に好成績を残せば、カブスと再び交渉しつつ、他球団の好オファーを待つことになります」(前出・某球団関係者)

とはいえ、今回の契約総額を単純に年俸換算すれば約22億7千万円。これは日本の球団別年俸総額ランキング(日本人選手のみ、2017年)にブチ込んでもソフトバンク、巨人、阪神に次いで4位という金額だ。アメリカンドリーム…!