年明けにベトナム旅行に行った際に見つけた、展示品の戦車! ミリタリー関係も結構、好きです

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

今回は、彼女が最近ハマっているというアメリカの車改造番組について語ってくれた。

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ずーっと前に、この連載で『Car Talk』というラジオ番組のお話をしたことがあります。1977年から30年以上放送されていた長寿番組で、私の車好きはこの番組の影響が大きいのかもしれません。

そんな私が最近ハマっているのが、アメリカの車改造番組。街で営業しているカスタムショップにテレビカメラが密着し、エンジニアたちが旧車やオンボロ車をリストアする様子をドキュメントした“リアリティショー”の一種です。主にディスカバリーチャンネルやヒストリーチャンネルで放送されていて、私が知っているだけでも7、8番組はあるようです。

さて、「リストア」と聞くと、まじめに車を修理していると思われるかもしれませんが…。その大半は、普通の車を化け物のようなモンスターカーに改造する、刺激的な内容の番組です(笑)。

なかでも、私の好きな番組のひとつが、ヒストリーチャンネルで放送されている『アメ車カスタム専門 カウンティング・カーズ』。ラスベガスのカスタムショップ「カウンツ・カスタムズ」の人々に密着した番組です。袖なしの服、入れ墨にモヒカンと、カウンツの人々の外見は、完全に“北斗の”(笑)。そんな彼らが修理前の車を手に入れる方法は、なんと街角ナンパです。街を流しながらめぼしい車を物色し、道端でオーナーに直接交渉するんです。

なんせ見た目が北斗の拳ですから、目をつけられた車のオーナーは怖いと思うんですが、カウンツの人々も自覚があるようで、「今の人、怖がらなかったね」なんて話をしてたりします(笑)。

さて、無事に交渉が成立すると、買い取った車のカスタムが始まります。このショップのリストアの特徴は、とにかく見た目にこだわること。まず、車の中には毛皮風のファーを敷きます。続いて、外装をピッカピカのシルバーやパープルに塗り替えた上で、炎などの模様をペイント。この塗装技術自体は本当にすごいんですが、完成した車はどれもかなり下品な見た目です(笑)。時には、ツノまでつけちゃったりします。

「夜の客引きが乗ってそうな車」

英語のスラングでいうところの“pimp mobil”のセンス。つまり、「夜の客引きが乗ってそうな車」です。この番組の醍醐味(だいごみ)は、改造・塗装の過程だけではなく、この人たちのセンスを楽しむことです。

そして、もうひとつ大好きな番組が、ディスカバリーチャンネルでやっている『ミスフィット・ガレージ』。もともとは『ファスト&ラウド』という人気番組のスピンオフです。このミスフィットに出てくる人たちは、ファスト&ラウドの舞台になっているガス・モンキー・ガレージをクビになった問題児たちです。

この人たちがとにかくおバカで(笑)、小学生レベルの下ネタで盛り上がっていたと思えばケンカを始めたり、工賃を浮かせるためにガス・モンキーの道具を勝手に使ったりと、後先を考えず次々と問題を起こしていきます。

ただ、彼らのリストア技術は本物! 道端に捨てられているようなゴミ同然の車が見事によみがえっていく様子は、圧巻のひと言です。次週もこの話題を続けます!

●市川紗椰(いちかわ・さや)1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、毎週土曜21時からオンエア中のJ‐WAVE『TRUME TIME AND TIDE』でナビゲーターを務めている。愛車はトヨタ・ランドクルーザー60