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江戸時代から戦後、現在に至るまで…社会における「大きなおっぱい」の受け止められ方

[2018年02月27日]

「90年代に『巨乳』は大ブームを巻き起こしましたが、これからの時代はブームもなく好みはますます細分化する」と語る安田理央氏

女性の大きなおっぱいを「巨乳」と呼ぶようになってから、おおよそ30年が経とうとしている。いまだに巨乳に取って代わる革新的な俗称は登場していない。それにしても、我々はいつから大きなおっぱいに興味や関心を寄せるようになったのだろう。

アダルトライターにして、同ジャンルのメディア研究家でもある安田理央(やすだ・りお)氏は、著書『巨乳の誕生 大きなおっぱいはどう呼ばれてきたのか』で、西洋と日本の社会、アダルト界において、「大きなおっぱい」がどのように受け止められてきたのかを歴史的観点からふり返ると同時に、雑誌を中心とする膨大な資料を基に明らかにしている。

* * *

―昨年も、著書『痴女の誕生』で「美少女」や「熟女」など5つのアダルトジャンルを研究されてきましたが、今回は一冊丸ごと同一テーマという壮大さです。なぜ「巨乳」を?

安田 今では巨乳という言葉は普通に使われていますし、巨乳そのものも評価されていますが、僕がAVを見始めてアダルト関係の仕事に就いた80年代は、大きなおっぱいはあまりいい扱いを受けていなかったということを思い出したんです。

また当時、俗称として流行っていた「Dカップ」もすっかり死語になったな、と。今やCとDは、日本人女性に最も多いサイズで、特別に大きいというわけでもないですからね。そういったいくつかのネタをきっかけに、時代の変化や対比が面白いと思って、巨乳をテーマに一冊書いてみようと思ったんです。

―その変遷のなかで、江戸時代は大小にかかわらず、胸そのものが性的対象ではなかったというのが意外でした。

安田 世界史については先史時代の話から書いていますが、日本史は江戸時代の春画の誕生から書いています。西洋とは違って、日本は歴史をいくらさかのぼっても裸体画というものがほぼ存在していないんです。

古代ギリシャはアフロディテ思想に基づいて肉体の理想を求め、キリスト教は肉体そのものを罪とする教義がある一方で、イデオロギーの葛藤がない日本人は裸体を描く必然性がなかった。むしろ乳房を蔑視し、着衣のまま陰部を細かく描くことで性差を明らかにする傾向が大きかったんです。これは今日の日本のエロにも名残があって、「コスプレ」や「着エロ」といったジャンルは、春画の延長線上にあるものだと考えられています。

その後、日本人がグラマーと呼ばれる体形に目覚めるのは、戦後アメリカの文化が本格的に流入してからのことなんです。

―確かに、60年代後半にもなると「ボイン」と呼ばれ、大衆的なイメージすらあります。しかし、その後はどんどんマニアックな路線をたどっていくことになるわけですよね?

安田 大きなおっぱいが好きな男性というのは、マニアというより割と当時から普通にいたと思います。ただ、67年のボイン流行直後に海外で起こったウーマンリブ(女性解放運動)でトレンドがスレンダーに変わったことに加え、当時の日本で蔓延(まんえん)していた「おっぱいがデカい女=頭が悪い」といった空気が作用したことで、なかなか世の男性たちは公言しづらくなってしまったのだと思います。当時は今で言うSM好きを公言するくらいには変態扱いされていたと言っていいかもしれません。

一方でアダルトメディア側も、買う人が恥ずかしがるということで、大きなおっぱいをウリにする流れは起こりませんでした。何しろSM雑誌はたくさんあったのに巨乳専門誌は一冊もなかったんですから。なので、それまで洋ピン雑誌だった『バチェラー』が80年頃に巨乳専門に路線変更した途端に、ウワーッと人が集まったんです。


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