アイドルを卒業し、女優として活躍中の真野恵里菜ちゃん

3月10日公開の映画『坂道のアポロン』。昭和の長崎を舞台に高校生たちの友情と恋、そしてジャズをテーマに描く青春ストーリーだ。

その中で、重要な存在となる深堀百合香を演じる真野恵里菜ちゃんに「女優」インタビュー! 前編に続き、“大人”へと成長した彼女に話を聞いた。

* * *

―さて、今回の『坂道のアポロン』では、中川大志さん演じる千太郎がひと目惚れする深堀百合香を演じています。まさに「THE・マドンナ」的な役どころですが、「ひと目で惚れてしまう」という可憐さと大人の魅力を持つ、難しい役を見事に演じ切ってました!

真野 いやーー! もうプレッシャーで! 見た目の説得力はどうしても限界があるので…。

―何を言ってるんですか!(笑) すばらしいマドンナっぷりでしたよ。

真野 この役、オーディションだったんです。だから選んでいただいた事実が嬉しかったし「選ばれたんだから大丈夫!」って、背中を押された部分はあるんですけど…撮影が近づくにつれて「本当に大丈夫かな?」って不安になりました。

―でも、絵の才能があって、オーラがある清純な女性…って、まさに真野さんですよ。マノフレ(真野恵里菜のファンの総称)は全員そう思ってますから。

真野 嬉しいです! でも同時にみんな「え? 真野ちゃんがミステリアスな大人の女性?」って心配もしてると思いますよ。みんなの中では私、「真野ちゃんはまだ子供なんじゃないの?」って思われてるので。

―マノフレの皆さんは親目線だったり、孫を見るような方が多いですもんね(笑)。

真野 皆さんの中では、まだ子供なので(笑)。でも、マノフレのみんなの中には「真野ちゃんが出てるから観にいこう」って方もいると思うんですけど、純粋にこの『坂道のアポロン』という作品を観てほしいなって思います。

私、いつも自分が出てる作品を観た時って「あ~、今のシーンの自分、ダメだったな」って、落ち込みながら反省会気分で観るんですけど、この作品は純粋に楽しめたので。「若いコ向けのキラキラした青春映画」ってイメージがあるかもしれないですけど、映画で描かれる「同じ趣味や志を持つ者たちの友情」は大人の方に響くと思うので。

―それは確かにそう思います! そして、原作やアニメファンには有名ですが、百合香が決意をするために自ら髪を切るシーンがありますよね。「今までの自分を捨てる」「新しい自分になる」という衝撃的かつ重要な場面です。

真野 あのシーンは震えました。実は私、アイドル卒業を発表する前に髪を切ったんです。あの時「自分で決めた卒業。この気持ちを表現したい」って思って「髪を切りたいです」って言ったんですよ。当時、髪を切るところを雑誌で特集していただいたんですけど。あれは決意表明でした。

―確かに! 「今までの自分を捨てる」「新しい自分になる」という百合香とダブりますね。「これからアイドルよりも女優としての人生が長くなる。さらに前に!」という決意表明!

真野 確かに。たまたまなんですけどね(笑)。

本当に遅咲き娘だなって…

真野恵里菜ちゃんが演じる深堀百合香。可憐さと大人の魅力を併せ持つ女性だ

―ここからさらに「大人の女性」になっていくと思うんですが、自分で「大人になったな」って思う瞬間はあります?

真野 う~~ん、腹黒くなったことですかね?

―えぇ!? 腹黒??

真野 先日、『不能犯』っていう映画の初日の舞台挨拶で、登壇したみんなに心理テストが出されたんですよ。その内容が「好物の苦味・酸味が強いほど腹黒度数が高い」っていうもので。…私、「もずく酢」って答えちゃったんです。

―これ以上ないものを!(笑)

真野 その時は「え、嘘!?」って思ったんですけど、あとで「美味しかったな」って思っちゃって。その瞬間、「あぁ、確かにこう思っちゃうところが腹黒だ」って自覚しました(笑)。それと、2月2日がツインテールの日だったんですけど、26歳なのにツインテールの写真をアップした時に、自分で「腹黒だなぁ」って思いましたね。

―あれは話題になりましたね(笑)。あの写真をアップする時はどういう気持ちで?

真野 私、それまではカワイらしい写真をアップする人を見て「あざといって思われちゃうよな。みんなよくできるな」って思ってたんですよ。でもそれって単なる嫉妬だなと思って。「そう思うなら、自分もやってみればいいじゃん!」って思えたんですよね。「やったもん勝ちなんだから」って。

―ある意味、それも成長ですね。大人になったからこそできる、というか。

真野 そうですね(笑)。一番良い時期にやらなかったのに。本当に遅咲き娘だなって。

―「OSOZAKI娘」!(真野恵里菜のファーストアルバムに収録されたナンバー)この年になってやっと「あざとさ」を覚えたという。

真野 そういう図太さがないと、この世界ではやっていけないですから(笑)。でも、そこだけじゃなくて、もちろん仕事に対しての真っ直ぐさとか、初心とかもしっかり持ちつつ…で、時に腹黒さも出しつつ、いい感じにやっていきたいです(笑)。

ー素晴らしい! そのしなやかさ。まさに大人の女性ですよ! では最後に、デビューから10年やってきて、今後の10年はどういう10年にしたいですか?

真野 え? 考えたくないです! 10年後は36歳ですよ! もう年取りたくなーい!(笑)

(取材・文/篠本634[short cut] 撮影/山口康仁 (C)2018 映画「坂道のアポロン」製作委員会 (C)2008 小玉ユキ/小学館)

■真野恵里菜(まのえりな)1991年4月11日(26歳)神奈川県出身。2009年にハロー!プロジェクトよりメジャーデビュー。現在は本格的に女優として活動。その他、最新情報は公式ブログ、公式ツイッター【@erina_mano】、公式インスタグラム【@erinamano_official】をチェック!

■映画『坂道のアポロン』は3月10日から全国ロードショー。詳しくは公式サイトまで