タシケントに雪が降ってきました。メドレセと雪景色のコラボは美しいけれど…、風邪ひいたよ!

タシケントに戻ってきた私は、“朝食が豪華”と噂の宿へ宿泊。

宿泊客には風変わりなフランス人のおっさんやパキスタン人の団体などがいて、女子率の低い中、ひとりパソコンを叩いていると…日本語で声をかけられた。

「あの、もしかしてマリーシャさんですか?」

「おや、日本人男子。名指しで声をかけられるとは、私も随分有名になったもんだ…」

などと思っていたら、キルギスの宿で沈没(長期滞在)していた旅人に、私の存在を聞いていたらしい。旅人同士というのはこうやってすぐ繋がるので、悪いことはできない(悪いことをしている人はすぐ噂になる)。

「美人って聞いてましたよ…!」

お世辞だろうか(だろうな!)。もろスッピンで油断してたけど、薄化粧くらいしとくんだった…。

豪華な朝食が人気のホステル。今までは炭水化物の毎日だったけど、これならウズベク生活も健康的!

「コアラのマーチ」はプリントが薄っ! でもこんなところで食べられるなんてなんだか嬉しい

彼の名はタカハシ。日本では法衣(ほうえ)屋さんの営業をしていて、宗教のある地に興味があり世界一周しているという旅人。

「宗教といってもなんでもいい訳ではなくて、例えばアフリカの宗教にはあまり興味がなく行くつもりはないんです」

また変わり者に出会ってしまった。やはり中央アジアにいる旅人ってのは独特である。そして先日出会った東大先生と同じく、私に宗教の話を説いてくれるものだから、興味深くて深くて…眠くなる。

しかし、彼が私に教えてくれたのは宗教だけではない。女子の知らない旅のノウハウ。そう、男子だけの“秘密のコミュニケーションツール”についてだ。

彼はこれまでの中央アジア旅で各国の青年たちに「“アレ”を持ってないのか?」とたびたび要求されてきたいう。そのアレとは…、ハードディスク内に隠された「AV」!

もちろん持ってないワケがないので(タカハシ、晒してゴメン)、それを見せると皆、大喜び。どこの国でも“日本の女子はかわいい”と人気で、これを介して絶対に仲良くなれるのだそう。

「カザフ人が言うにはアメリカのポルノは単調だけど、日本には企画ものというシリーズや、キメ細かいニーズや好みに合わせた作品があるので、その受け皿の広さに引きつけられるそうですよ(笑)。普通のアニメやコミックなど教えても『翻訳が必要だ!』と言われますけど、アダルトは『ノントランスレーションで楽しめるからホントに最高だよ!』多くの国の青年男子は申しております」

その経験を経てタカハシは、「言語コミュニケーションを越えて、AVはもはや原始の舞踏のようです」と話す。

実は私、学生時代は言語コミュニケーション学を専攻しておりましたが、おみそれしました。そして彼はこう続けた。

「アフリカにはそういう原始の舞踏や言語コミュニケーション以前の意思疎通手段がまだまだ残っているんでしょうが、それが植民地政策や先進国の介入で変容しているという印象を持っていたので、やっぱり行くのをやめようと思ったもうひとつの理由でもあります」

一体、エロなのかマジメなのか。

ウズベク女性に整形手術が増加?

さて、AVを見て喜ばなかった者はおらず、各国の青年たちはいつもタカハシ様に「ははーっ!」と頭(こうべ)を垂れたとか。決して広報活動としてやっているわけではないが、試しに見せると全勝(?)なので、思わず「男子パックパッカーはAV持っとけ!」とオススメしたくなってしまうそう。

ふむ、国境で没収される可能性もあるけれど、逆にワイロとしていろいろ許されるケースもありそうだな…って、これは冗談ですけど。

そういえば、ウズベキスタンってインターネット環境が想像以上に悪くて、なんなら今回私が旅してきた中央アジアの中では一番ダメだった。

こうなると動画を気軽に見られないし、ましてイスラム圏ともなるとエロ動画は手に入れづらいのだろうか。もしやこの地の青年たちは、サンタを待ちわびるが如く、ワクワクと外からの(特に日本からの?)旅人を待っているのかも。

ただ、まるで日本文化の代表であるかのように広まるのはどうかと思うのですが…。女子目線的にも…ぶつぶつ…、いやはや。

彼はその“秘密兵器”を携え、翌朝旅立っていったのだが、その後もどの地においても人気を博したそうな。

ティムール広場の周りでは路上で絵画が売られていたり、若者が買物をしたりし賑わっている

そしてまた、私は別の日本人男子に出会った。今度は旅人ではなく、青年海外協力隊としてウズベキスタンのフェルガナで2年間、医療関係の活動をしているというK氏。

普段は小児病院の子供のケアやリハビリなどが主な活動だが、医療の現場にいることでこんな裏話(?)を耳にすることもあるんだとか…。

それは、「ウズベキスタンで整形が流行ってる」という話! 整形といっても目を二重にするとか、鼻を高くするとかではありません。なんと、「処女膜再生手術」!

実はウズベキスタンの田舎では、未だに「婚前の性交渉はご法度」という考えが根強い。結婚初夜の翌朝には純潔を証明する血の付いたシーツを姑がチェックすることもあるというのだから、これはなかなかだ。

しかしそんな中で、昨今は婚前に脱・処女する女子が多いのも事実で、相手の男性や姑の手前、手術を受ける女性が増加している。姑へのシーツ提出の場合、血ノリなんかで乗り切れそうだけど…? 「ああ、羊の血を使う人いるけどね~(笑)」っていうのは、ウズベク人の冗談だそう。

中央アジアの旅も残り数日って時に、まさか日本人からこんなウズベク裏話を聞けるとは思いませんでした。保守的なイスラム圏でも若者たちはこうやって現代を生きているのだな~と、秘密を覗き見した気持ちになった私でした。

雪の中はしゃいで…、ハックション!

【This week’s BLUE】タシケントの台所「チョルスーマーケット」のブルーのドーム。

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第179回「シャイな親日ウズベク女子が一番美しいと思う漢字は“便”?」

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】