週プレNEWS TOP 連載コラム 宮澤ミシェル フットボールグルマン 日本代表への期待値を高めるためにハリルジャパンには何が必要なのか?

連載コラム

日本代表への期待値を高めるためにハリルジャパンには何が必要なのか?

[2018年04月02日]

日本代表の欧州遠征2試合を振り返った宮澤ミシェル氏

サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第40回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど、日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回は、日本代表の欧州遠征を振り返って、その内容を分析する。未勝利に終わった2試合で見えてきた課題は? ハリルホジッチ監督の戦術で強豪と戦うために何が必要になってくるのか?

*****

日本代表は強化試合でマリ代表とウクライナ代表と対戦した。マリには1-1で引き分けて、ウクライナには1-2で敗戦。良い結果とは言えないし、それよりも何よりも試合内容がひどかった。収穫は「W杯本番までの限られた時間で取り組むべき課題が山積していることがわかったこと」と言ってもいいだろう。

ウクライナもマリもW杯に出場できないけれど、日本戦に向けてきっちり仕上げて臨んでくれた。だから、強化試合として相手に不足はなかった。マリ代表はアフリカらしい身体能力の高さや独特のタイミングを持っていて、仮想セネガルとしていい経験を積めた。ウクライナ代表に強力なアタッカーはいなかったけれど、ヨーロッパらしいパスワークを見せてくれて仮想ポーランドになった。

しかし、だ。肝心の日本代表がお話にならないほどミスが多かった。そして、一番の問題はこの時期になってもメンバーを決めきれていないこと。ハリルホジッチ監督は「サバイバル」と言って煽(あお)っているけれど、この時期の代表監督には他にやるべき仕事があるはずだ。

チームを組織として成熟させるのはW杯直前にある3試合のテストマッチと考えているからなのか、監督は本気で選手を競争させている。ずっとこのやり方でチームを作ってきたのだろう。だから、W杯まであと3ヵ月を切っているというのに、日本代表のチームの形が見えなくなっている。

GK川島永嗣、CB吉田麻也、ボランチ長谷部誠、FW大迫勇也のセンターラインは辛うじて決まってはいるけれど、他のポジションは不透明。調子のいい選手を起用しているけれど、本当にこれでいいのかという疑問がある。しかも、2戦とも長谷部を先発で使った。大島僚太のケガという理由があったにせよ、試すべきは長谷部のバックアッパーになりうる選手を探すことだったのではないか。

もし日本代表が世界15位以内の実力があるのなら、ハリルホジッチ監督のやり方でもいいだろう。だが、現実は違う。個々のレベルは昔に比べたら伸びたとは言っても、ブラジルやドイツのようなトップレベルにあるわけではない。日本のFIFAランクは55位で、W杯本番での日本の立場は「チャレンジャー」だ。

そういう国がW杯のグループリーグを突破しようと思ったら、サバイバルはW杯出場メンバー23人のうち、最後の2、3枠を争わせて、この時期は組織として戦うためにメンバーを固め、戦術・戦略を成熟させるべきだ。

ただでさえ個人能力で劣っているのに組織力でも上回れなかったら、どう期待を持てというのか。相手が格下であればそれでも勝ち目はあるけれど、W杯本番で対戦するのはコロンビア、セネガル、ポーランドだ。あくまでも仮の話にはなるが、初戦のコロンビアと引き分けて、セネガルに勝利し、ポーランドに負けるか引き分けに持ち込んで、それでグループリーグ突破ができるかどうか。それなのにこのチーム状態では、3戦全敗という結果になることも十分ありえる。

メンバーが決まらないことで、戦い方もチグハグになっているし、このままだと、日本代表は自分たちのどこを特長にして、何に自信を持ってW杯本番に臨んだらいいのかわからない状態にある。前回ブラジル大会の日本代表には「パスワーク」という武器があったけれど、今回のチームには明確な武器がない。


ジャンプ50周年展VRはこちら!

連載コラム

Column

連載コラムを見る

Back Number

  • May 14th 2O18  no.19・2O
  • Apr.30th 2O18 no.18
  • Apr. 23rd 2O18 no.17
  • Apr. 16th 2O18 no.16

 

Gravure Gallery

もっと見る

MOVIE Channel

【動画】傳谷英里香。「ベイビーレイズJAPAN」リーダーが、女神すぎる美ボディを初お披露目!

もっと見る

新刊のお知らせ

  • 大原優乃『ゆうのだけ』
  • 小宮有紗『Majestic』
  • 飯豊まりえ『NO GAZPACHO』
  • 『クルマプレイボーイ』
  • 馬場ふみか2018カレンダーブック

 

メルマガ会員&アンケート 2018年No.18