事件の真相は一切明らかにならないまま、幕引きが図られるのか―? *写真はイメージです

あくび、居眠り、貧乏ゆすり…。

3月27日に行なわれた佐川前理財局長の証人喚問を傍聴したが、印象に残ったのは、質疑の内容ではなく、TV中継に映っていない自民党議員たちの弛緩(しかん)しきった姿だ。ちなみに衆院傍聴席は、自民党が動員したと思われる地方からの観光客でいっぱいだった。

国会答弁に合わせて公文書が改竄(かいざん)されていたということは、与野党問わず1年間、役所からバカにされていたということ。そんな前代未聞の大犯罪を究明することよりも、自民党議員は「佐川一人の社会的な死」で安倍政権の安泰を購(あがな)うことのほうが重要なのだ。

死刑セレモニーは短いほうがいい。衆参合わせて4時間を超える長丁場は、彼らにとって退屈だったに違いない。

あの証人喚問が終わっても、わが国の法治主義を根底から覆す事件の真相は一切明らかになっていない。にもかかわらず政府与党は幕引きを図ろうとしている。しかしそれで本当によいのか? このまま「居眠り」し続けているだけで、本当によいのか?

(取材・文/菅野 完 https://sugano.shop)