週プレNEWS TOP 連載コラム こんな会社で働きたい! 10億の負債で瀕死の有名老舗旅館を劇的に再生させた“素人女将”の決断ーー従業員が楽しく仕事をする経営とは

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10億の負債で瀕死の有名老舗旅館を劇的に再生させた“素人女将”の決断ーー従業員が楽しく仕事をする経営とは

[2018年04月08日]

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陣屋の女将・宮崎知子さん。「旅館を憧れの職場に」すべく、ITを駆使した経営改革に邁進する

ニッポンには人を大切にする“ホワイト企業”がまだまだ残っている…。連載『こんな会社で働きたい!』第21回は、神奈川県秦野市にある老舗旅館『陣屋』だ。

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東京都心から車で90分ほどの場所に、明治時代から親しまれてきた温泉地・鶴巻温泉がある。箱根や熱海といった日本有数の温泉地に近接するが、社員旅行や接待といった企業の団体利用を取り込む首都圏の奥座敷として栄え、小田急線には『鶴巻温泉駅』もできた。

だが、バブル崩壊を経て今はかなり寂れている。ピーク時に20軒ほどあった宿泊施設は旅館とビジネスホテルを合わせて3、4軒に。そのほとんどがマンションに建て替えられ、温泉風情は消失し、駅前からの風景は郊外によくある街、といった様相だ。

その駅からマンション群を抜け、住宅街の坂道を数分歩くと目の前に突如、木々に囲まれた1万坪の庭園が広がる。創業100年の温泉旅館『陣屋』だ。広大な“森”の中に20の客室とレストラン、ブライダル会場を配した贅沢な設計で、皇族が利用したり、数々の将棋の名勝負の舞台になったりと由緒ある老舗として知られている。

だが、その『陣屋』もリーマンショック後に倒産寸前まで追い込まれた。売上げを支えた企業の団体利用は2000年以降、目に見えて減り、20室しかない客室の宿泊料を15000円、05年には13900円…と下げ、09年には9800円まで値下げした。それでも客足は戻らず、客室の稼働率は業界平均の37%を大きく下回る10%台まで急落。“薄利少売”の悪循環に陥る状態に追い打ちをかけるように先代社長が急逝し、妻の女将も体調を崩して入院することとなった。

ここまできて、“もう売るしかない”と決断すると、大手リゾートホテルなど複数社が視察に訪れたという。だが、どんぶり勘定の経営で積み上がった多額の借金に施設の老朽化も重なって「使い物にならない」との無情の判断。介護会社への売却まで検討したが、リーマンショックの最中に買い手が見つかるはずもなく、借金10億円だけが旅館に残った。

そんな中、09年9月に先代の長男・宮崎富夫氏(40歳)が勤め先の会社を辞めて跡を継ぎ、妻の知子氏(40歳)が女将になることを決める。といっても、富夫さんは大手自動車メーカーの元エンジニアで、知子さんはリース会社の元OL。旅館で働いた経験もないふたりに旅館を立て直せるはずもない…と120人もの従業員の多くがそう思った。

だが、それから9年を経て『陣屋』は劇的な回復を遂げている。

客室の稼働率は10%台から80%まで急伸して売上げは倍増。社員の平均年収は09年時点の288万円(高卒初任給18万円)から400万円(同25万円)に大幅アップ。離職率は33%から3%に減り、社員の平均年齢は45歳から33歳に若返った。

旅館業を継いだ“素人”夫婦が瀕死の旅館の救世主に――一体、何をやったのか?


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