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周到さに違和感を覚える監督交代劇──20年前のJFA会長にあって、現在の田嶋会長にないものとは

[2018年04月11日]

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記者会見でハリルホジッチ監督の解任を発表したJFAの田嶋幸三会長。

「このたび日本サッカー協会は4月7日付で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督との契約を解除いたしました」

壇上の田嶋幸三会長は簡単な挨拶の後にそう述べて、2015年3月12日から指揮を執ってきたハリルホジッチ日本代表監督の更迭を発表した。

W杯本大会まで時間的猶予がほとんど残されていない中での監督交代については賛否両論があって当然だ。常識か非常識かでいえば、今回の決定は明らかに非常識な部類に入る。そもそも3年かけても強くならなかったチームが実質約3週間の事前合宿と3つの親善試合だけで劇的に強くなるはずがないし、ますます混乱の度合いが深まる可能性も否定はできない。

しかしながら、悪化の一途を辿(たど)っていたハリルジャパンの状況を鑑みれば、この決定は至極当然ともいえる。もはやタイムリミットを過ぎてしまった中、それでも“座して死を待つよりは、出でて活路を見出さん”としたJFA(日本サッカー協会)の決定には驚きと同時に「よくやった」と拍手を送って歓迎したい気持ちが湧いてくる。

思い出されるのは1997年10月4日。1998年フランスW杯アジア最終予選を戦っていた日本代表がカザフスタン戦を1-1で引き分けた直後に起こった監督交代劇だ。

「このシリーズにおける悪い流れをどうしても変えたい。そのためには指揮官を代えることがベストだと考えた。岡田新監督もそれを了承してくれた」

硬直した表情で加茂周監督の更迭を発表したのは時のJFA会長、故・長沼健氏だった。コーチから内部昇格となった岡田武史新監督らとともに数十人の報道陣の前で会見を行なった長沼会長の姿には鬼気迫るものがあった。万が一、この賭けが失敗に終わった時は自分がすべての責任を負う。そんな不退転の決意が言葉の端々から伝わってきた。

以降、イビチャ・オシムとハビエル・アギーレの時のような特殊な例を除き、いわゆる不振による日本代表監督の更迭劇が起こったことはなかった。どんなに逆風が吹こうとも監督の首を挿げ替えることに躊躇(ちゅうちょ)し、大きな責任を伴う決断を下せない時代が続いてきた。

あれから約20年の月日が流れ、日本サッカー界にもようやくあって然るべき監督交代劇が起こったことになる。そういう意味で、今回の田嶋会長の決断は評価に値すると思う。

その一方で、この監督交代を手放しで賞賛できないのも事実だ。更迭のタイミングとその理由に多くの疑問が残されたままだからだ。

まず常識的に考えて、ハリルホジッチの解任はもっと早くに決定されて然るべきだった。例えばブラジルとベルギーと対戦して手足も出ないことが確認できた去年11月のベルギー遠征後は決断を下す絶好のチャンスだった。そのタイミングであれば、W杯抽選会の結果を踏まえてもっと幅広い選択肢の中から新監督を選ぶことができただろう。

あるいは、最悪でも12月のE-1サッカー選手権後に解任を決断できていれば、今回のような選択肢のない中で新監督を誕生させる事態は避けられたと思われる。本来であれば、時間的にもそこがギリギリのタイミングだと考えるべきだった。そうすれば、1月か2月に新監督を選び、3月の2試合から新体制のスタートを切ることもできたはずだ。


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