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倒産寸前の老舗有名旅館が一家離散の危機から脱し、業界の革新的システム『陣屋コネクト』を実現した苦難のドラマ

[2018年04月15日]

陣屋の女将・宮崎知子さん。会社経営も旅館業の経験もなかったが、夫の富夫さんとともに09年に参画後、ジリ貧の老舗旅館を見事に再建した

神奈川県秦野市にある鶴巻温泉は、ピーク時に20軒近くあった旅館が今では3、4軒に激減し、すっかり寂れてしまっている。しかし、来年で創業100年となる老舗『陣屋』は、今も客足が絶えない。約1万平米の庭園に純和風の18の客室を備える贅沢な宿だ。

経営するのは社長で女将の宮崎知子さんとその夫の富夫さん。元々、知子さんはリース会社のOLで、富夫さんはホンダ技研工業のエンジニアだった。ふたりとも旅館業の経験はなかったが、富夫さんの父親である先代社長が急逝、母親の先代女将も病床に倒れたことで家業を継ぐことになった。

その当時、陣屋は10億円の借金を抱え、買い手も見つからず、宮崎夫妻の2児の子どもにまで借金の影響が降りかかる状況に直面し「一家離散を避けるためにも継ぐしか選択肢はなかった」と宮崎夫妻は口をそろえる。

ふたりが再建のため参画したのは09年9月。それから約9年を経た今、売上げは倍増し、社員の平均年収も288万円から400万円に大幅アップ。今や旅館業界の優良企業である。

では、ジリ貧の旅館を“素人女将”と大手自動車メーカーを退社した夫はどう立て直したのか?

客室を改装して1泊9800円から35000円にするなど高級化路線に舵(かじ)を切り、レストランをブライダル会場に改築、接客係には複数業務をこなすマルチタスクを求めた。客への“もてなし力”を高め、価値を向上させたことが新たな客層を掴むことに繋がったと、知子さんがまず女将目線で明かしてくれたが…。(前編「10億の負債で瀕死の有名老舗旅館を劇的に再生させた“素人女将”の決断」参照)

一方の富夫さんが着目したのは旅館の裏側だった。

「この旅館にきてオカシイと感じたのは、接客業なのに予約客や料理を紙に書き写したり、電話応対したりと雑務に追われ、裏方ばかりにスタッフが集まっていたこと。多忙な日には従業員が表の廊下を走り回っている姿もあった。業務連絡は口頭で伝わるから聞き漏れや聞き間違いが多発する上、作業がアナログだから、ちゃんとやる人はやるけど、やらない人はやらないといったバラつきも目につきました」

そこで「従業員にもっと接客に集中させる」ための業務改革に着手した。構想したのは分厚い予約台帳を電子化し、顧客情報から従業員の勤怠、料理の材料などの受発注、売上までを一括管理できるシステムの導入…つまりは“IT化”だった。

まず、「資金が底を付くまであと半年」の状況だったため、安価なシステムを入れようと、自在に機能を進化させられるカスタマイズ性やセキュリティの高さなどを条件に加えて選定に取りかかったが、当時、市販されていた宿泊施設向けの基幹システムにはこの要件を満たすものが存在しなかった。

そこで「自前で開発するしか道はない」と判断。そこはさすが元エンジニア、ホンダ時代に叩きこまれた「コア技術は自分でやれ」とのモノづくり精神が活かされた。

そして自社開発に取りかかった2ヵ月後の12月、富夫さんはまだ普及が進んでなかったクラウドに着目する。「サーバー要らずで初期投資が抑えられる」と考えてのことだったが、SE経験まではなかったため、そこから先が手詰まりになった。SEを新規で雇う資金的余裕もない。


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