週プレNEWS TOP 連載コラム こんな会社で働きたい! 倒産寸前の老舗有名旅館が一家離散の危機から脱し、業界の革新的システム『陣屋コネクト』を実現した苦難のドラマ

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倒産寸前の老舗有名旅館が一家離散の危機から脱し、業界の革新的システム『陣屋コネクト』を実現した苦難のドラマ

[2018年04月15日]

全従業員が持つタブレットを通じて業務に関わるすべての情報が瞬時に共有される

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「『陣屋コネクト』をもっと進化させたかったからです」

それは経営者というより“技術屋”の目線だった。富夫さんが続ける。

「その時点で陣屋の従業員はシステムの扱いに慣れ、性能にも満足し、改善要望が出てこない状況にありました。これではせっかくの技術が社内でガラパゴス化し、進化が止まる。もっと使い勝手を良くしていくためにも社外に出す必要がありました」

そこで何をやったかというと、キャンピングカーを購入した。

「11年から12年の2年間、平日の5日間は全国の旅館を回っては『陣屋コネクト』の営業や導入支援をひとりでやっていたんです。最初は普通車で回っていましたが、運転中に眠気が襲って何度か危うい目に遭いましてね(苦笑)。キャンピングカー購入後は眠くなったらコンビニの駐車場とかで仮眠をとるといったことを繰り返しながら、フットワーク軽く旅館に営業をかけられるようになりました」

こうして週末の2日しか戻らず、キャンピングカーを相棒に全国行脚する日々を過ごし、訪問した宿泊施設は2年間で約100軒。その成果もあって『陣屋コネクト』は今では旅館を中心にビジネスホテル、リゾートホテル、ゲストハウス…など全国250施設に導入され、年間1億円超を稼ぐ収益の柱となっている。

そして、富夫さんが全国を巡っていた頃、陣屋は黒字化に成功した(11年末)。旅館の高価格化とブライダル事業が軌道に乗ったのだ。借金も10億円から半分程度まで減り、借り入れ先を地元の地銀に一本化。同時に、借金の連帯保証人から富夫さん以外の家族が外され、「一家離散の危機を回避することができた」(富夫さん)

だが、『陣屋コネクト』の効果があったとはいえ、人手が減り続ける陣屋の館内では従業員が疲弊していた。いまだ離職率が高く、新規採用してもすぐに辞めるという悪循環から抜け出せずにいたのだ。富夫さんは自身への不満も感じ取っていた。

「その当時、従業員は私のことを『利益のことしか考えない鬼経営者』と見ていたと思います。さんざんIT化を推し進め、給与は上げず、辞めていく人が次々現れても『致し方ない』と思って引き留めなかったですから。でも、当時は本当にこの旅館が倒産すると思っていたから、そこまで気を回す余裕がなかったんです」

そんな時、出産直後から「3年間、休まず働き続けた」という女将の知子さんも体重が17kgも激減、精神的にも限界にきていた。免疫が弱くなって毎月のように風邪をひき、最終的には「立ち上がるのもつらい」(知子さん)状態に…。

そんな心も体も追いつめられたところで、ついに女将がぶち切れた! 「子どもと接する時間も全然なくて、私は一体、なんのために働いてるの!?って」。

富夫さん自身も、経営が上向くのと反比例するように「夫婦関係が悪くなっているのを感じていた」という。そこを修復できないまま、最終的には「家内が“発狂”した(苦笑)」ことを受け、母親である先代女将も交えて家族会議を決行。そこで出た結論が「黒字化もしたし、この際、みんなで休もう!」だった――。

★この記事の続き、完結編は次週4月22日(日)に配信予定!

(取材・文/興山英雄)


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