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多様化するJリーグで宮澤ミシェルが注目する横浜F・マリノスと「鳥栖との対戦が他チームのレベルの判断基準にもなる」

[2018年04月23日]

今シーズンのJリーグの注目チームについて語った宮澤ミシェル氏

サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第43回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、今季Jリーグで注目の対戦について。方針を大転換した横浜F・マリノスや、戦い方がブレないサガン鳥栖など特徴がはっきりしたクラブが増えてきている中、楽しみなカードも増えてきているという。

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今シーズンのJリーグは、いろんなスタイルのサッカーが見られて面白いね。これまで守備をしっかり作ってから素早く攻撃するスタイルだった横浜F・マリノスが、ポステコグルー監督を迎えてポゼッション型の攻撃的なスタイルへの転換を図っている。

攻撃時はCBがハーフウェー付近までラインを上げているから、相手チームにボールを奪われるとDFの裏にある広大なスペースが狙われる。だから、マリノスGKの飯倉大樹はペナルティーエリア外の高い位置にポジショニングして、CBの後ろに出てくるボールを走り回って処理している。

GKにもかかわらず、1試合の走行距離が6kmを超えることはざらで、バルセロナのメッシが1試合に走る距離とほとんど変わらない。飯倉は31歳だけれど、GKが毎試合この距離を走っていたら、疲労の蓄積が心配になるよね。

この大転換の背景には監督の方針だけではなく、クラブとしての意向もあるのかもしれないけれど、相当の覚悟を持ってやらないといけない。今は戦術転換が最優先され、多少のミスには目をつむっているけど、ミスが続いて失点が増え、勝ち点が伸びなくなってきた時に同じようにできるのか。課題はそこだろう。

ジェフ千葉も、去年から指揮を執るエスナイデル監督の下でハイラインの守備に変わった。去年の開幕直前に行なわれた柏レイソルとの『ちばぎんカップ』を取材した時もハイラインを敷いていたけれど、柏にDFの裏のスペースを使われて0-2で敗れた。

千葉のOBとして試合後、選手に「いくらなんでもDFラインが高すぎるだろ。もう少し下げたらどうだ?」と聞いたところ、「それは僕たちも思っているんですけど、監督からの指示なので」と忠実に守っていた。そうやって、昨シーズンは痛い目に何度も遭いながら、少しずつ戦術がフィットしていって6位で昇格プレーオフに滑り込んだけれど、結局J1昇格を逃した。

千葉は今年も開幕から勝ち星を伸ばせずに苦しんでいる。2010年からJ2を戦うようになって、もう9シーズン目。OBとしてJ1復帰を心待ちにしている。

話をマリノスに戻すと、クラブの伝統的なスタイルからの転換を図るとすぐに結果が出ないのは当たり前で、今年はJ2に落ちる危険性すらある。うまくいっている時はいいが、勝てなくなると選手の判断に揺らぎが出てくる。自陣ゴール前からパスでつなぎながら攻撃に出ているけれど、勝てなくなると選手ひとりひとりの判断に差異が生まれ、チームが一体感を失っていく。そこを監督がコントロールできるかどうか。

ただ、マリノスには中澤佑二という経験豊富なCBがいて状況に合った判断ができるから、杞憂(きゆう)に終わるとは思っているけれど、クラブが築いてきたシステムを大転換するのはそれくらい危険性も孕(はら)んでいる。1年やそこらで優勝という成果を手にできるものではないし、それがクラブのアイデンティティとして根付くためには、ここから数年間が本当の勝負になると覚悟を決めなくちゃいけない。

マリノスを始め、J1には川崎フロンターレ、セレッソ大阪、名古屋グランパス、コンサドーレ札幌などパスをつないでポゼッションで押し込む攻撃的なスタイルを取るチームが増えている。その一方で、空中戦やカウンターを武器に戦うスタイルもあっていいのがサッカーの醍醐味。クラブの色が明確になってきて、いろんなスタイルがぶつかり合うから、Jリーグはワクワクできる試合が増えている。


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