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天皇制の頂点にアメリカが載っている! 現代日本を解くカギ、「戦後の国体」とは?

[2018年04月24日]

「国体は死んでいません。極めて強力な装置として、今も日本社会を縛り続けている」と語る白井聡氏

すでに日本の敗戦が濃厚だった太平洋戦争の末期。度重なる本土空襲や沖縄の地上戦で多くの民間人の命が失われていたにもかかわらず、政府や軍部が最後までこだわり続けたとされるのが「国体の護持」。

この天皇を中心とした日本の国柄を意味する「国体」という思想は、実は戦後も「アメリカ」と結びつき、日本を縛り続けているのではないか?

『永続敗戦論』で一躍注目を浴びた気鋭の政治学者・白井聡氏が、「戦後の国体」という新たな視点で日本の深層に迫るのが『国体論 菊と星条旗』(集英社新書)だ。

* * *

―いきなり「国体論」と言われても一般の人にはピンとこないのではないでしょうか。まずは「国体とは何か」ということについて、白井さんの考えを聞かせてください。

白井 「国体」とは、幕末期に源があり明治期に政府が広めていった価値体系で、神の子孫で「万世一系」の血を引く天皇とその「赤子」、つまり子供に当たる臣民(国民)が「家族」のごとくこの国をつくっている、という考えです。

それはやがて「天皇陛下のために死ぬのが当然、異論は許さない」という考え方につながり、昭和のファシズムの狂気へと国を導いてゆくことになった。その果てに日本は敗戦という破局を迎えます。そこでアメリカの指令の下、天皇の「神がかり的」な要素は排除され、新憲法により天皇制は「象徴天皇制」に変わりました。「国体」の解体は、民主化のための諸改革の中心課題のひとつでした。

―だからこそ「国体」はもはや死語になったのでは?

白井 ところが、国体の社会的機能から考えた場合、国体は死んでいないのです。それどころか極めて強力な装置として、今も日本社会を縛り続けている。私は「戦後の国体」を、天皇制の頂点に「アメリカ」を載せたものだとみています。

―天皇制の頂点にアメリカが載っている…ですか?

白井 先ほど、国体とは天皇を中心とした国の秩序だと言いましたが、実際に日本の歴史をふり返ってみると、明治以前には300年近くも江戸幕府による徳川家の統治が続いていて、天皇が直接、日本を支配していたわけじゃありませんよね? 国体の特徴のひとつは、ほかの政治秩序と違って、必ずしも天皇がじかに国を支配するのではないという点。むしろ歴史の上ではそれが例外であることのほうが多い。この「表向きは支配ではない支配」が国体の独特なところです。

江戸時代の場合、政治的実権を指す「政体」は征夷大将軍を中心とした幕藩体制にあり、その権力を保障する「権威」として天皇が日本の秩序の中心にありました。 これを現在の日本に当てはめて「国体」に相当するものはなんなのかと考えてみたら、それは「アメリカ」なのではないかという答えに行き当たった。

いわゆる「右派」の人たちが街頭でデモをするとき、日章旗を掲げているだけでなく、最近は、なぜか星条旗も一緒に振り回している。そんな彼らにとっての「精神的権威」とはなんなのか? あるいは安倍首相がトランプ大統領に対して「涙ぐましいほどの擦り寄り方」を見せる一方で、今上天皇が退位の意向を示されたときの、あの冷淡な態度はなんなのだろうと。


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