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セクハラを生む“性別”への過剰な意識──日本の遅れた性教育と「男女を分ける文化」

[2018年05月11日]

福田次官のセクハラを擁護するような発言をした麻生大臣は「ドイツだったら政治生命が終わっている」と語るサンドラ・ヘフェリン氏

財務次官の“セクハラ”辞任、新潟県知事の“買春”辞任、タレントによる未成年女子への強制わいせつなど、セクシャリティにまつわる騒動が相次いでいる。

セクハラを含めた性暴力は日本に突出して多いわけではないが、ヨーロッパから見ると「日本人のセクシャリティへの向き合い方」は少々風変わりに映るようだ。そのことを考える時、「性教育のあり方」はひとつの重要な要素であろう。

「週プレ外国人記者クラブ」第116回は、ヨーロッパにおける性教育をリードする国のひとつ、ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリン氏に話を聞いた──。

***

―まず、福田淳一・元財務次官のセクハラ事件のニュースを聞いた時、どう思いました?

サンドラ 「胸触っていい?」とか「手縛っていい?」とか、どう見ても露骨なセクハラ発言を官僚のトップである人物がしたことに驚きました。ドイツにもセクハラはあって、2013年には当時FDP(自由民主党)の幹部であったライナー・ブリューデレ議員によるセクハラ事件が大スキャンダルになりました。

同議員は『シュテルン』誌の女性記者に対し、彼女が政治に関する質問をしても取り合わず、「キミはいくつ? 28歳くらい?」と尋ね、彼女がそうですと答えると「そうだろう。私にはよくわかる。私はキミの年代の女性とは経験が豊富だからね」と言ったり、議員が彼女に出身地を尋ね、バイエルン州のミュンヘン出身だと答えると「そうか。キミの胸だとディルンドル(胸元が目立つデザインのバイエルンの民族衣装)もグッと大きく膨らむだろうな」などと言ったのです。同席していた広報官の女性が後に間に割って入り、女性記者にも謝ったんですね。

このセクハラが起きたのは2012年のことですが、1年後の2013年に女性記者がこのことを記事にすると、大スキャンダルになりました。メルケル首相も「政治家と記者の間において、プロとして敬意ある関係を支持する」とコメントを出したほどでした。

このブリューデレ議員に比べると、福田次官のセクハラ発言はもっとストレートで酷いものですよね。それなのに、直属の上司である麻生財務大臣は「セクハラ罪という罪はない」と擁護するような発言をしましたし、当初は財務省も「被害女性が名乗り出るべきだ」という信じられない対応をしていました。本来なら、安倍首相が「こんなことは決してあってはならないことだ」くらいのコメントをすべき大事件のはずです。

ドイツなら、麻生大臣は今回の擁護発言で政治生命が終わっていたことでしょう。でもなぜか日本だと「あの人は、ああいうキャラだから」で通ってしまう。石原慎太郎・元都知事も同様で「閉経して子供の産めない女が長生きしてもムダ」という発言がありましたが、世間には「石原さんならしょうがない…」というような反応も多くありました。

ドイツやヨーロッパでこのような差別発言があれば、女性たちから物凄い勢いで袋叩きにあうことは間違いありませんが、日本ではウヤムヤになってしまう。この根底には、被害者であっても女性には「品」が求められ、年長の男性に対しては非常に甘いという風潮があると思います。

もうひとつ、福田次官のセクハラ発言で思ったのは、彼にとって若い女性というのは全員、ホステスとかキャバクラ嬢にしか見えないのではないか、ということです。そうでないと女性記者に対して「触っていい?」などという発言をするはずはありません。

本来なら官僚と記者という関係ですと、直接仕事に関わること以外でも雑談の中で様々な有益な会話ができるはず。でも福田次官は「若い女が来た」としか見ていなかったのではないでしょうか。「性」を過剰に意識している結果、生まれた発言だったのだと思います。


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