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フルモデルチェンジした2代目・Jeep――コンパクトSUVとなった、その進化度は?

[2018年05月16日]

販売は過去最高を更新中のJeep。

最近のSUVは、乗用車感覚で乗りこなせるクロスオーバーモデルが主流。でも、タフなイメージを求めるなら、頭に浮かぶのはJeep。「青春時代の憧れだった!」という人も少なくないはず。現在、Jeepの日本市場における販売は絶好調で、過去最高を更新中。販売ネットワークの拡大に加え、多彩なラインナップで幅広い層の心をつかむ商品が増えている。

人気車種は、ワイルドなイメージを踏襲する「ラングラー」の支持率が高いが、スマートに乗れるSUVとしては、堂々たる風格を備えた「グランドチェロキー」を頂点に、個性的と存在感を併せ持つ「チェロキー」、ベイビージープの「レネゲード」、実用空間と小回り性をバランスした「コンパス」だ。

初代「コンパス」が日本に上陸したのは、2012年のこと。街乗りのしやすさとJeepの存在感を併せ持つ小ぶりなモデルは、悪路をタフに駆け抜ける四輪駆動のほかに、当時のJeepでは珍しかった前輪駆動を設定。普段乗りを低燃費で走れる強みもあり、Jeepの世界観をカジュアルに楽しめるモデルとして受け入れられた。車両価格は比較的リーズナブルだったが、外装の粗っぽい造りは武骨さとして受け止められても、内装や装備が簡素で物足りない印象を受けた。

その後、Jeepのエントリーモデルに「レネゲード」が加わり、2017年10月には、フルモデルチェンジした2代目コンパスが登場。予想をはるかに超えてきたのは、内外装の質感の高さ。その風貌にかつての安っぽさはなく、小さなグランドチェロキーを思わせるプレミアム感があふれていたのだ。コンパスのサイズは全長4400mm×全幅1810mm×全高1640mm。初代よりも全長は75mm短くなり、チェロキーとレネゲードの中間に設定。実際には、ハリアーやCX-5よりも小柄なので日本の道路で乗りやすい。

それでいて、そのルックスは紛れもなくJeepの一員であることがわかる。フロント回りはクラムシェルのボンネットを採用。Jeepの象徴ともいえる7スロットグリルを配し、ヘッドライトと水平につなぐことで、ワイドなスタンスを強調している。ボディの四隅に配置したタイヤは、台形のホイールアーチで囲うことで力強い印象に。このあたりにも、1941年にJeepが誕生したヘリテージが受け継がれている。グッと洗練して見えるのは筋肉質な抑揚を繊細に表現してみせたフォルム。米軍の偵察機「SR71ブラックバード」に着想を得たというあたりも、アメリカ的。

【SPEC】 ●6速AT●全長×全幅×全高:4400mm×1810mm×1640mm●車両重量:1490kg●エンジン:2.4リットル直列4気筒SOHC●駆動方式:4WD●最高出力:175PS●最大トルク:23.4kgm●最小回転半径:5.7m●使用燃料:無鉛レギュラー●車両本体価格:351万円(税込)

【SPEC】
●6速AT●全長×全幅×全高:4400mm×1810mm×1640mm●車両重量:1490kg●エンジン:2.4リットル直列4気筒SOHC●駆動方式:4WD●最高出力:175PS●最大トルク:23.4kgm●最小回転半径:5.7m●使用燃料:無鉛レギュラー●車両本体価格:351万円(税込)

インテリアは台形アーチやボクサーのヘッドギアといった、アスレチックなモチーフが採り入れられているのもユニーク。スイッチやシートなど、よく吟味した素材を用いてコーディネートされたハイセンスな出来映えだ。今回は標準グレードで前輪駆動のロンジチュードに試乗したが、8.4インチのタッチパネルモニターには、iPhoneやAndroidのスマホを接続して、マップ機能やハンズフリー通話を利用したり、音楽再生も楽しめる。

後席はグレードごとに60:40の2分割式、上級仕様は3分割式でアレンジできるので、レジャーや趣味用の荷物を臨機応変に積み込むことが可能。後席の膝周りには、大人が軽く足を組めるほどの広さが確保されているので、家族用の一台としても活躍してくれそうだ。

パワーユニットは、175馬力を発揮する2.4リットルのマルチエアエンジンで、ロンジチュードには6速ATの組み合わせ。骨格構造はレネゲードと共通の最新のアーキテクチャーが応用され、軽量高剛性な素材の使用範囲を広げるなど、車体剛性を強化。凹凸路を通過すると、車体は強固な殻で衝撃を受け止める印象で、足回りが仕事をしやすい環境が生まれる。ただ、ちょっと気になったのは、直進時のフラつきとハンドルを切り込んだときに、少し遅れたタイミングで車体が傾く動き。もっと乗用車的で素直な走りを求めるなら、購入後にタイヤなどのチョイスで好みに仕立てたほうがよさそうだ。

一方で、気に入ったのは、爽快なサウンドと軽快に回るエンジンフィール。トルクで車体を押し出すものとは違い、伸び感さえ与えるもので、適度な重さの車重がしっとりとした乗り味をもたらす。街乗りで車速がコントロールしやすく、意図したラインをたどりやすい。鼻先も短く、交差点の右左折や狭い道で不安が少なかった。

最新のJeepの魅力を日常からレジャーまで柔軟に楽しめる一台だ。

(撮影/池之平昌信)

●藤島知子(ふじしま・ともこ)
1975年生まれ、神奈川県出身。文教大学女子短期大学部英語英文科卒業。01年にスーパー耐久のレースクイーンを経験。その翌年からレーサーに転身。国際C級ライセンスを持つ。テレビ神奈川『クルマでいこう!』にレギュラー出演中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。


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