アイドルグループ「夢みるアドレセンス」メンバー・志田友美ちゃん。「岩手県出身なので、盛岡冷麺はたくさん食べてます。今回初めて水冷麺を食べたのですが、これはやみつきになりそう!」

南北首脳会談時に北朝鮮・金正恩委員長の「持ってきた」発言で注目された冷麺が、今、日本ではスゴいことになっていた! その最新情報と話題の店を紹介しよう。

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「平壌(ピョンヤン)からわざわざ冷麺を持ってきました」

4月27日に行なわれた「南北首脳会談」で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長がそう発言すると、その日、韓国では「私も平壌冷麺を食べたくなった」と冷麺専門店に大行列ができるほど盛り上がりをみせたという。

この「平壌冷麺」とは、どんな冷麺なのか? 韓国料理研究家の本田朋美氏が説明する。

「平壌冷麺は北朝鮮・平壌の名産で、麺はそば粉とデンプンが主原料、スープは鳥のキジを使うことが多いようです。100年ほど前に書かれた平壌冷麺に関する資料には、大根キムチ、白菜キムチ、豚肉などが具として使われていたとあります」

現在、韓国で食べられている冷麺との違いは?

「韓国の冷麺は、朝鮮戦争の頃に北からやって来た人によって作られたものですが、韓国ではキジが高価ということもあってスープに牛肉を使っています。ちなみに韓国南部の都市・釜山(プサン)の冷麺は、麺は小麦粉が主原料で豚肉でスープを取っています」(本田氏)

北朝鮮の冷麺が日本に伝わったのは1950年頃。フードジャーナリストのはんつ遠藤氏が語る。

「日本の冷麺は大きく分けて“別府冷麺”と“盛岡冷麺”のふたつあります。別府冷麺は満州から引き揚げてきた料理人の方が、日本人の味覚に合うように魚介でだしを取ったのが特徴。盛岡冷麺は、麺が小麦粉とデンプンで作られている。そのため平壌冷麺に比べて麺が白っぽく見えます」

今、日本の焼き肉店では、麺が白い盛岡冷麺風のものが主流派だ。では、本場の平壌冷麺は、日本ではどこで食べられるのだろう。

「東京・浅草橋の『サンムーン』という店は、そば粉の平壌冷麺が食べられると人気です。盛岡冷麺で有名なのは『ぴょんぴょん舎』。また、従来の“韓国冷麺”を現代風にアレンジした『コサム冷麺専門店』も今、注目されています。あとは渋谷にある『つるしこ』。ここは冷麺を進化させて“東京冷麺”という新ジャンルを作りました。今、話題の店です。

冷麺を出す店は、数は韓国のほうが多いんですが、バリエーションは日本のほうが多い。特に夏場は冷たい料理が注目されるので、今後ブームになるんじゃないでしょうか」(遠藤氏)

また、前出の本田氏も「最近、『今日、冷麺食べた』とかSNSで見ることが多くなったので、冷麺ブームが来ていると感じます」という。

夏に食べる麺といえば、日本では冷やし中華が定番だが、今年の夏は、冷麺ブームがやって来るようだ。

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(取材・文/村上隆保 撮影/五十嵐和博 佐賀章広)