昨年11月には「ミスiD2018 グランプリ」に輝いた、ろるらり

現役美大生ながらモデルやイラストレーターとして活躍し、昨年11月には「ミスiD2018 グランプリ」に輝いた、ろるらりが発売中の『週刊プレイボーイ』24号で自身初となるグラビアに挑戦!

デザイン系の仕事に就く両親の元、物心ついた頃からすでに絵を描くことが好きだったと話す、そのポップでシニカルなイラストの画風が形成されに至るまでの経緯や、今回のグラビアに挑戦する決意をした理由、また誰もが気になる名前の由来などを聞いてみた。

―初グラビアですが、水着や下着姿を人に見られることに抵抗はありませんでしたか?

ろるらり 露出することに対しては、全く抵抗がありませんでした。肌の露出をしたら何かを失うという感覚が自分にはないです。自分にとって大事なものはもっと他にあるので。あと、そもそもこういう雑誌のグラビアを見ることが好きで、興味があったので。

―グラビアを見ることが好きになったきっかけは?

ろるらり 女のコの絵を描く時の資料として、よく買ってたんですよ。グラビア雑誌だけじゃなく、『特ダネTABOO!』みたいなエロ本とかも。

―何がどうなってそんな本を買うことに…(笑)。

ろるらり 元々、大学の課題でそういう雑誌を買って資料として使わなきゃいけなかったので、やむをえずに買ったらそれが意外とよくて。ここ数年でグラビアアイドルやAV女優など、性に対してポジティブな女のコに惹かれるようになりました。自分にはない要素を持っていてカッコいいなって。

―そんなカッコいいと思っていた仕事を実際にやってみて、いかがでした?

ろるらり 楽しかったです。“田舎から出てきて初めてディズニーランドへ遊びにきた女のコ”という設定があったんですよ。実際に田舎者だし、グラビアには使われてないけど、もっとダサい私服を着てる写真もあったりして。その設定が逆にちょっと恥ずかしいな~と思いながら撮られていました。

―特にお気に入りのカットはどれですか?

ろるらり 1枚目の写真が一番お気に入りで「これは是非、本誌で使ってほしいです」とお願いしたら扉で使ってもらえたんです。スケスケなネグリジェがとってもカワイくて。

―今日の私服もスケスケですね。

ろるらり 最近、透けてるものが好きで集めてるんですよ。服だけじゃなくて、透明なゲームボーイの本体とか『沙羅曼蛇』っていうファミコンのカセットとか。自分が生まれる前とかにあった「スケルトンブーム」的なものが今、私の中だけで起きておりますね。

―露出することに抵抗がないということは、自分に自信があることの裏返しなんですかね。

ろるらり いや、自信はないです。昔から人前で目立つことは全然好きじゃなかったし。小学4年生からネトゲをやって家に引きこもってるような子どもでしたね。それが気づいたら承認欲求が強い人になってました。

ダサいとされているものに秘宝が…

―承認欲求が強いと自分で自覚し始めるようになったのはいつ頃?

ろるらり 最近かな~。でも今、思い返すと昔からその片鱗(へんりん)はあったのかもしれません。小学4年生くらいの頃にネトゲの合間に毎日パソコンで絵を描くようになって。その時はまだ単純に絵を描くことが楽しかったんですが、中学生にpixivという絵の投稿サイトができて、そこで自分の描いた絵を投稿し始めるようになったんです。ただ、お絵かき掲示板と違って、閲覧数やランキングが数字として残る機能がついてて、だんだんその数字を意識するようになっていったんですよね。

人気アニメのファンアートなんかが一番人気の出やすい絵なんですけど、私はオリジナルのイラストをずっと描いてたし、あんまうまくなかったからか一向に閲覧数もランキングも伸びなくて。でも、一度意識し始めるとそれを意識しないことはできなくて「もっとたくさんの人に私の描いた絵を見てほしい」と思うようになっていきました。

―それが、承認欲求の芽生えだったんですね。

ろるらり そんな気がします。そういうのが少しだけツラくなってきて、高校生に上がる時にpixivをやめたんです。ちょうど美術系の高校へ行って、本格的にデッサンをしたりして基礎を固める方向へ進み始めたタイミングで、それからしばらくあまりイラストを描かなくなりました。

―その美術系の高校を卒業した後も美大に進学されて現在に至るわけですが、デッサンをしている時とイラストを描いている時はどちらが楽しいですか?

ろるらり デッサンはいっぱいやらないとうまくならないしコツが要るので簡単ではないのですが、やることはシンプルで、目の前にあるものを紙に出力する作業なので“生みの苦しみ”みたいなものがないから、そういう意味ではツラくないです。やっぱり、人目を気にするようになると苦しみが生まれてしまうんですよね…。

―そういう“生みの苦しみ”を経て形成されたのが、今の画風?

ろるらり 大学でデザインをやっていて、他人の視点ばかり考えることに疲れてしまって、特に深く考えずにその時なんとなく描きたかったものを描いてたんですよね。そしたら思いのほかそのイラストの評判がよくて、たまたま仕事に繋がりました。

―その時、描きたかったのがポップさの中に皮肉さを利かせるイラストだったと。

ろるらり そうかもしれないです。シニカルな絵を描きたくて。普通にカワイいだけの絵を描くのも大好きなのですが、私は何かテーマを持つことによってモチベーションを上げる傾向にあるかもしれないです…。

―普通がイヤということ?

ろるらり 普通がイヤというよりかは、わかりやすすぎるものじゃないほうがステキだなと。王道もいいけど、その中にねじれを加えたものを自分の色として出したいなと思っております。精進します。

―「ダサい場所が好き」とのことですが、それも通ずるところがありそうな…。

ろるらり そうですね。世間的にはダサいとされているものや注目されていないものの中に隠されてる秘宝を探すことが楽しくて好きです。

昨年、ハニべ巌窟院っていう石川県小松市のB級スポットに遊びに行ったんですよ。そこは地獄をテーマにした絵や彫刻がたくさん飾ってあるんですけど、造形が甘いものが多くありました。その造形の甘さにすごく惹かれたんです。どうやら学生が手伝って作ったものみたいで、人間味があって完成されすぎてない感じがいいなって。

※ハニベ巌窟院に行ったときの自撮り→【https://www.instagram.com/p/BTWkoE1j3cv/?hl=ja&taken-by=roruraring

サイボーグっぽい人が好き(笑)

―人間味、いいですよね。初めてダサい場所へ行った時のことは覚えています?

ろるらり 高校時代に好きだった人と、岩手の田舎の奥のほうにあるガラス博物館(サハラガラスパーク)に行ったのが最初だと思います。若い人がデートで行くような場所じゃないとされているんですけど、連れられて行ってみたら予想以上に楽しくて。「こういう系も意外といいじゃん」って思ったのを覚えてます。

―ちなみに、好きになる男性のタイプはどんな人が多いですか?

ろるらり 精神が歳をとってない人。疑問を持つことや考えること、感じることを諦めない人。あとは、サイボーグっぽい人(笑)。

―サイボーグ…?

ろるらり 通常より仕事が早かったり、連絡がマメだったりなどの性質があって、機械的なことをこなせる人間のことですね。全般的に抜けていて若干生活に支障をきたしている私の人間的な穴を埋めていただけるとふんでるので、そういうイイ人がいれば大歓迎したいものですね。

―ダサい場所は好きでも、ダサい男性はどう?

ろるらり 悪い意味でのダサい男性はもちろん無理です。でも、イケメンは苦手です。これは完全に偏見なんですけど、苦労を知らなさそうなほどにキレイな顔をしているとキレイな立体物に見えてしまいます。イケメンのことはそういうフィルターがかかった目でしか見れないから、人間性まで踏み込めないです。すいません。

―なかなかにひねくれてますね(笑)。そういえば、“ろるらり”という名前は全然ダサくないですし、むしろカワイらしい響きですけど。

ろるらり そうですか? 私的に、ろるらりは“ダサカワ”なネーミングだと思ってます。ダサいけど若干、カワイめ。大学で呼ばれてる「ボルダリ」っていうあだ名の子音を変えて発音してるだけなんですけど、今思うと唯一無二の名前になってよかったな~と。全然深い意味はないです(笑)。

―では最後に、今後やってみたいお仕事を!

ろるらり TVの現場を見てみたいです。演技はきっとできないんですけど、別にトークがうまいわけでもないから。ゆっくり落ち着いて話せるような番組がいいな~。

―旅番組とかいいんじゃないですか?

ろるらり どうだろう…。旅先で気の利いたリポートとかできる気がしないです。

―じゃあ、ダサい場所を巡る旅だったら?

ろるらり 楽しそう! それだったら気の利いたリポートなんかも「頑張ろう」って思えそうです。楽しいことや自分がやりたいと思うことだったら頑張れるので。わがままですみませんね…。

●ろるらりのグラビアは『週刊プレイボーイ』24号に掲載!

(取材・文/筒井優太 撮影/蓮井元彦 インタビュー撮影/武田敏将)

■ろるらり(RORURARI)1996年4月24日生まれ 岩手県出身 身長166cm ○美大デザイン科を休学中。「ミスiD2018 グランプリ」受賞。現在はイラストレーターをメインに活動。公式Twitter【@rorurari】Instagram【@roruraring】