"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回のテーマは、ZOZOの新サービス「ZOZOMAT」(ゾゾマット)。前編では、ひろゆき氏はナイキなどの店舗でも手厚い計測サービスがあるし、2代目ゾゾスーツのように「計測の誤差が大きくなったらやめてしまうのではないか」と懐疑的。一方で、堀江氏は足の形が特殊でずっと我慢して靴を履いてきたといい、「そういう人からするといいサービスだし、気軽にナイキのフィッティングサービスを利用できないような地方の人は使いたいはず」と期待した。

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ホリ あ、靴にこだわるとかそういうのじゃなくて、俺みたいな甲高幅広族としては、普通に店に売ってる靴がキツイの。痛くない靴を履こうとすると、2cmくらい大きなサイズでないと厳しい。そういった人たちは、少なくとも全国に数%はいるから、彼らに定着する可能性は高いと思う。

ひろ そういう少数派が存在するのは事実ですし、少数派がオンラインで靴を買うような便利な未来ってのはいいと思うんですよ。

ホリ だよね。ただ、実際に普及するかどうかは、俺も微妙なところだとは思う。細やかなフィッティングに対応することが技術的に可能なのか、不透明なところもあるしね。

ひろ ゾゾスーツから撤退する前のZOZOだったら期待はできたんですが、「不採算だとわかってる事業にお金を突っ込んで市場をつくるってのをやらない会社」ということがよくわかったので、そこに行く前にやめる確率のほうが高いだろうなと思ってます。

ホリ ゾゾスーツで失敗した経緯があるし、ゾゾマットがうまくいくかどうかというのは不透明だけど、逆に同じ轍(てつ)を踏むようなことはしないともいえる。ただ、繰り返しになるけど、甲高幅広の足で靴を探すのが大変な俺としては、この手のサービスが広がってくれるのは、ウエルカム。

ひろ 堀江さんのロケット事業って、うまくいくかわからないときからコツコツお金と時間をかけて、ようやく実現できたわけじゃないですか。

一方で前澤友作社長って、すでに完成しているスペースXにお金を出してロケットで宇宙に行こうとしたり、お金をバラまいてフォロワーを獲得するとか、「お金で買えるものを買ってる」感があるんですよ。

ホリ 確かに世の中にないものを自分たちの手でつくって、新しい価値を生み出している感はないかもね。事実、ゾゾスーツも採算が合わないとわかると撤退しているし。

ひろ そういった行動を見ていると「価値があるものをお金で買って自分のものにする」って考え方の人なんだろうなと思ってしまうんです。

ホリ まあ、そういう方針なのは否めないよね。

ひろ そうやって見ていくと、市場として成立してないものを育てる忍耐力とか根性やビジョンみたいなものがない気がするので、オンラインで足のサイズを計測する市場を大きくする前に飽きたり、損切りして撤退しちゃうんじゃないかなと。

前澤社長って、本当はビジョンのある人なのかもしれないですけど、メディアに出てくる情報しか知らない僕からすると、そう見えてしまうんですよね。

ホリ なるほどね。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる』(マガジンハウス)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『自分は自分、バカはバカ。他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(SBクリエイティブ)

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