"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回はJR北海道が18駅を来春のダイヤ改正で廃止すると発表した件。前編では、堀江氏が「利用者の少ない地方のインフラを都心部と同じ感覚でコストをかけて整備しても赤字になるだけ」と語ると、ひろゆき氏も「『慣れ親しんだふるさとで不便な生活』をするか、『都会で便利な生活』をするかを選ばないといけない」と応じた。

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ホリ あと、北海道という土地柄の問題もある。北海道の冬は大雪になるから、冬の間もインフラを維持しようとするのは大変なんだよ。雪の降らない地域と比べるとインフラ維持のコストが高くなるから。

ひろ インフラを維持するのが大変な割にお客さん少ないとなると、やっぱり過疎地に住みたいならばインフラを諦めなければいけないということになっちゃいますよね。鉄道でいえば、JR四国も赤字みたいですね。

ホリ JR四国は、北海道みたいに自然条件が厳しくないし、やりようによっては採算が取れるんじゃないかな。JR九州とかを見ているとそう思うよね。

ひろ JR九州は事業を多角化して高収益につなげていますよね。駅ビル、不動産業は好調ですし、九州新幹線や豪華クルーズトレインの「ななつ星」も人気ですから。

ホリ JR九州って、いい感じにほかの事業とのシナジー(相乗効果)が効いているよね。それに北海道よりも鉄道の維持コストがかからないだろうし。

ひろ 北海道で多角化が難しいとなると、過疎地に住んでいる人の鉄道を維持することは難しいわけですけど、そうなるとやっぱり車とかバスになるんでしょうね。

ホリ 地元住民にはバスのほうが便利なんじゃないかな。バスは鉄道と比べて維持するコストも抑えられるから。それに自動運転のバスとかできたら、もっとコストも下がるわけで、そっちにシフトすべきだよ。地方こそ自動運転を導入しないと、そのうちどうしようもなくなる。

ひろ でも、自動運転とかそういう新しいことを始めるような力が地方には残っていないような気もします。あと、移動手段があっても、どうしようもない問題もあるんではないかと......。

ホリ というと?

ひろ 自宅から最寄りのコンビニまで10㎞の人とかいるわけですよね。んで、過疎化した地域は商店やら銀行の支店がなくなったり、徐々に減っていくので、自動運転のバスが通ったとしてもやっぱり厳しいかと......。

ホリ まあ、田舎の一軒家とかに住んでいる人は、その場所に執着しがちだからね。そもそも、駅の廃止や路線そのものの廃止を考えないと公共インフラ自体の存続が危うい時期に来てるわけでしょ。

ひろ 今って、壊れたらもう直せない道路や橋が増えているって話ですよね。高度経済成長期につくりまくったインフラが老朽化していても直せないから通行止めになっている。駅の廃止もそうですけど、今後、同じような話が珍しくなくなるのではないかと。

ホリ そうだよね。今回は駅の"リストラ"だけど、これから始まるリストラはこんなもんじゃ済まないことは想像に難くないよ。

ひろ 本当にそう思います。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』(三笠書房)

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