時代は女性ヒーローを求めている――。

『仮面ライダーゼロワン』で仮面ライダーバルキリー/刃唯阿(やいばゆあ)役を演じている女優・井桁弘恵(いげた・ひろえ)が、10月21日発売の『週刊プレイボーイ44号』で表紙&巻頭グラビアに登場。"いげちゃん"の現在地に迫る。

■直接のメッセージはちゃんと受け入れる

――『仮面ライダーゼロワン』の放送開始から約1ヵ月半。反響はいかがですか?

井桁 やっぱりバルキリーの変身シーンについて聞かれることが多いですね。「あのクルクルはどうやっているんですか?」とか。実際にライダー役を演じていることを実感する瞬間です。

――役柄として、アクションシーンも多いですね。

井桁 ガンアクションはまだまだ。毎回が反省です。銃を撃ち慣れている役なので、撃った瞬間に目をつぶらないのはもちろん、引き金に指をかけるタイミングも意識しなければなりません。ライダーファンの皆さまはすごく細かいところまで見られているので、厳しい指摘を受けることもあります。

――そういったファンの意見は気にされますか?

井桁 気にしない、と断言すると嘘になりますね。目に入れば意識するものだし、次の現場では直して演じようとポジティブな気持ちでいます。よく取材で「エゴサしますか?」と聞かれますけど、私はしないタイプなんです。どうしても"否"に引っ張られることが多くて、ぶれるんだったらしないほうがいいじゃないですか。でも、自分のSNSに直接届くメッセージはちゃんと伝えようと思って送ってくださるので、しっかり受け入れるようにしています。

――仮面ライダーの現場というと、"過酷"がつきものです。現場には慣れましたか?

井桁 だいたい週4日はレギュラーの撮影が入ります。朝は5時、6時に集合してロケに出たり、スタジオで撮影したり。終わるのは18時から20時が普通です。6月にクランクインしてからずっとそんな生活なので完全に慣れました。7時集合だとゆっくり寝られると思うし、明日は休みですと急に言われても寝るだけで、バランスが崩れて逆に疲れます。毎日続けて現場に通えるほうが、リズムができて体調もいい気がしますね。

――なるほど。話を伺っていると、役にしっかり向き合えている印象を受けます。

井桁 頭では確かにそうかもしれません。難しいですね......。この役は男勝りで実際の私と近いのかなって最初は思っていたんですけど、いざやってみると口調だったり、初めて言う強いセリフに違和感がありました。(自分の)想像とかけ離れていて、まだギャップを感じてしまうのが本音です。一年かけて少しずつ、成長しながらこのギャップを埋めていきたいです。

――女性初のシリーズレギュラー、という期待感もあります。

井桁 女性が当たり前に社会に出て、先頭に立って活躍する時代に向かっています。私自身、大学を卒業したタイミングでこの役をいただけて、うれしいと同時に責任感も当然、感じます。大学の同級生も業種は違えど、働く女性としてはライバルだと思います。私が頑張って演じることが、彼女たちの刺激にもなったら幸せですね。

■グラビアは想定外のお仕事?

――もし、の話をしてもいいですか? 大学卒業後、そのまま就職していたら?

井桁 私、将来については本当にぼんやりしていたんです。子供の頃は食品サンプル作りの職人とアパレル店員に憧れて、高校では進路希望の紙に薬剤師になりたいと書いた記憶があります。上京して芸能の仕事を始めても、別の世界にお邪魔している感覚でした。親からも「就活しておいたら?」と言われていましたし。大きな転機は、大学3年の冬にオーディションで決まったあるCMです。この結果があって初めて、芸能界に進んでいいんだという覚悟が決まった気がします。

――大学3年の冬、というと2年もたっていませんね。

井桁 仕事を始めた頃から、なんとなく順番というか、自分なりに進むべき道を想像していたんです。声に出したり、紙に書いたりすることはさすがにありませんよ(笑)。CMに出て知名度が上がれば、モデルの仕事が来るかもしれない。モデルをやれば、次は演技の仕事につながるかもしれない。一直線ではないにしろ、私なりに一歩ずつ進んできた実感があります。

――令和ライダーという大役を射止めたのも、そのロードマップの先に?

井桁 はい。さすがに仮面ライダーは想定していませんでした。でも、心の準備はできていました。演技レッスンをしっかり積み重ねて、ほかの仕事でつくった道の先には女優としての活動が開かれるはず。「ライダー? 女性が?」と急に言われても、「待ってました」という気持ちで受け止められました。本当にこの一年は勝負だと思います。まず一年やり切ることで、次の道がきっと見えるはずです。

――常にポジティブですね。落ち込むことなんてない?

井桁 いやいや落ちます。普通に落ちてます。家に帰るのもいやだな、みたいな日が月イチくらいのペースであるんですよ。そんなときは最寄りの駅より前で降りて、寄り道しながらひたすら歩きます。逆に引きこもって一歩も家から出ないこともありますね。ただし、ひと晩寝ればケロッと回復しちゃいます。

――ちなみに、グラビアはロードマップにありました?

井桁 正直......なかったですね(笑)。でも、タイミングとしてはまさに今なんです。前回のグラビア(本誌5月7日発売号)では周りから、「エロすぎなくて爽やか」という声が多かったんです。だから今回は、もう少し色気を出したいとロケに臨んだんですが......。

――結果は?

井桁 写真を見ると成功とは言えないですかね(笑)。もう少し女性らしい"モッチリ感"が欲しかったところですが、崖のシーンではグッと気持ちを入れられたと思います。しっとりした雰囲気はしっかり伝えられたはずです。

●井桁弘恵(いげた・ひろえ)
1997年2月3日生まれ 福岡県出身 身長170㎝ 特技=美味しそうに食べること
○テレビ朝日系『仮面ライダーゼロワン』(毎週日曜9:00~)に刃唯阿/仮面ライダーバルキリー役で出演中。令和初のライダー、しかも女性初のシリーズレギュラーとして注目されています。最新情報は本人SNSをチェックしてください。
公式Twitter【@Hiroe_igeta23】
公式Instagram【@igetahiroe23】

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