「『この後は自分で考えてください』って映画を見るとモヤモヤして帰れないので、もう1本ハシゴしちゃいます(笑)」と語る百田夏菜子さん 「『この後は自分で考えてください』って映画を見るとモヤモヤして帰れないので、もう1本ハシゴしちゃいます(笑)」と語る百田夏菜子さん

『さんまのスーパーからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』など、数多くの人気番組を手がけてきたバラエティプロデューサー角田陽一郎氏が聞き手となり、著名人の映画体験をひもとく『週刊プレイボーイ』の連載『角田陽一郎のMoving Movies~その映画が人生を動かす~』。

11月11日(金)に公開される『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』で「シュリ」の声を担当するももいろクローバーZ百田夏菜子(ももた・かなこ)さんが登場!

■映画やドラマは絶対にハッピーエンドがいい

――幼少期に見て、今でも覚えている作品はありますか?

百田 やっぱり『ドラえもん』ですね。映画館でもらえるおもちゃが好きで(笑)。そういえば、大人になってから『STAND BY ME ドラえもん』(2014年)を家族で見に行きました。お父さんとお母さんに挟まれながら地元の映画館で見たんですけど、その状況がすっごく懐かしくて、幸せでしたね。

――ちなみに、百田さんは印象的な映画を見たときにどう感じますか? 映画監督だと作ってみたい、俳優だと出てみたいと感じることが多いみたいなんですけど。

百田 もちろん純粋に楽しんで見てるんですけど、すてきな映画を見た後はなぜかライブをしたくなるんですよね。

――おお! ライブがしたくなるって言った人は初めてですけど、めちゃくちゃ百田さんっぽい!

百田 やっぱり映画って心が動かされるじゃないですか。心が動いた瞬間に、「次のライブでこんな曲歌いたいな」とかそういうことを考えちゃいます。あと、「この感動を無駄にしたくない。この感動を私も誰かに届けたい」と思うんですよね。

百田夏菜子さん

――特に感動した作品ってなんですか?

百田 これは初めて言うんですけど、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(17年)なんですよね。おこがましいんですけど、自分と重ね合わせちゃって、もう涙が止まらなかったです。

自分が知ってる感情だけど、自分では言葉にできなかったものをこの映画は言葉にしてくれていて。見終わった後に「私が今もらったこの感情を自分も人に伝えられるよな」って自然と思えたんですよね。

――それはももいろクローバーZとして?

百田 そうですね。「映画の中でもいろんなことを乗り越えていけるんだから、私も越えていけるよな」って思えましたし、「これって自分だけが持ってた感情じゃなかったんだ!」って発見もありました。

あと、チームっていいなって思いました。映画を見終わったら、やっぱりメンバーに会いたくなりましたし、「よし、私もがんばろう!」って思わせてくれた作品ですね。

――では、最近見て面白かった作品はありますか?

百田 いっぱいありすぎてひとつに絞れないっていうのと、あと、ちょっと言いたくない気持ちもあるんです(笑)。私の中で消化しきれていないものもあって。そういうときって人に共有したくないというか。だから内緒で(笑)。

――(笑)。

百田 少し前の作品だと『gifted/ギフテッド』(17年)がすごく好きですよ。生まれたときから天才の女のコの物語なんですけど、本人は普通の生活をしたいのにそうさせてもらえなくて。家族の愛がたくさん描かれるし、とにかく主人公の女のコがかわいいのでオススメです。

――では、学生時代に見た好きな作品はありますか? ドラマでもいいですよ。

百田 これもいっぱいあるんですけど、ひとつ挙げるなら、上戸彩さん主演の『エースをねらえ!』ですかね。

――ああ! どこか百田さんっぽいですよね。見ていて勇気をもらえる感じというか。

百田 うれしいです! 私、映画やドラマは絶対にハッピーエンドじゃないとダメなんですよ。映画を見に行くときって、自分とは違う世界を体験したり、非現実を味わったりしたいんですけど、「その作品の中の物語は幸せであってくれ!」と思うんです。

「この後は自分で考えてください」って映画もたまにありますけど、そういうのが得意じゃなくて(笑)。そういう映画を見終わるとモヤモヤして帰れないので、もう1本ハシゴしちゃいます(笑)。

――別の映画をもう1本(笑)。

百田 「私のこの気持ちを2時間の中で消化してよ!」と思っちゃうんです。一回、ハッピーエンドじゃない作品を見た後にそのモヤモヤを家に持ち帰っちゃったことがありましたけど、ずっと引きずってましたね......。仕事の合間にスマホで作品を見ることもありますけど、ものすごく影響を受けちゃうので、見るタイミングは気をつけてます。

角田陽一郎氏×百田夏菜子さん 角田陽一郎氏×百田夏菜子さん

■4年の歳月を経て新たに動き出す物語

――百田さんは11月11日(金)公開の『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』で、前作に引き続きシュリというキャラクターの吹替を担当されています。百田さんにとって吹替のお仕事はいかがですか?

百田 すでに映像として完成されたものに声を入れる吹替は本当に難しいです。いかに役に気持ちを近づけるかという意識でやらせていただきました。

自分の中にある気持ちを引っ張り出さないといけないんですけど、自分が知らない感情もあるので、そういうときは自分なりに気持ちを理解したり、気持ちを探したりもしました。でも、こんなに素晴らしい作品を一緒に作り上げられるという喜びは何にも代えられません。

百田夏菜子さん

――前作は超文明国家ワカンダの国王にしてブラックパンサーでもあるティ・チャラが主人公でしたが、演じたチャドウィック・ボーズマンさんが20年に亡くなられました。

ボーズマンさんに敬意を表して代役を立てず、今作ではティ・チャラが亡くなった後のワカンダが舞台に。シュリはティ・チャラの妹で、好奇心旺盛な天才科学者ですが、演じてみていかがでしたか?

百田 大役なので、もちろんプレッシャーもありますけど、もう一度シュリに会える喜びが強かったですね。もともとシュリはその場にいるだけで周りが明るくなるような女のコなんですけど、今作ではまた雰囲気がガラッと変わっているんです。

前作から 4年がたち、私も4つ年を重ねていますし、シュリ役のレティーシャ・ライトさんももちろん4つ年を重ねられています。この4年間でレティーシャさん自身も変わった部分があると思うので、その部分を想像しながら、私もシュリを演じました。

――今作はどこに注目して見てもらいたいですか?

百田 シュリにとって、ティ・チャラは国王であり、ヒーローであり、お兄ちゃんでもあったので、大きな存在を失った悲しみや葛藤が描かれています。「思いを受け継ぐ」というのが今作のテーマでもあるので、見ていただいた方にはそういう部分も感じ取ってもらいたいですね。

■『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
11月11日(金)全国劇場にて公開予定
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/©Marvel Studios 2022

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