撮影協力/家電のケンちゃん 撮影協力/家電のケンちゃん

さまざまなメディアで話題を振りまくひろゆき氏は、歴戦のゲーマー(特にシミュレーションゲーム好き)でもある。そんな彼が、これまでの人生で出会ってきたゲームや今のゲーム業界について、じっくり語る連載コラムだ。

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■今やゲームの定番ジャンル

ここ10年ほどで一般的な認知度が最も上がったゲームジャンルに「オープンワールド」があります。

GTA(『グランド・セフト・オート』)シリーズを筆頭にマイクラ(『Minecraft』)、『Forza Horizon』といった海外メーカーのタイトル。国内メーカーは最近だと『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が大ヒットしました。

オープンワールドはプレイヤーの行動に制限が少なく、車があればそれに乗って走行できたり、山があれば登ってそこでキャンプをしたりもできます。もちろんオンライン上のプレイヤー同士でのチャット機能もあります。

近年、話題になることが多い仮想空間のメタバースで、ゲーム部分を特化させたのがオープンワールドと言えるでしょう。

■『Starfield』で感じた行き詰まり

ただ最近、オープンワールドにユーザーも制作側も飽き始めているのかなって思うことがあります。"ネタ切れ感"とも言いましょうか。そう感じたのは昨年リリースされた『Starfield』という作品です。

これ、ひと言で「宇宙が舞台のオープンワールド」なんですが、例えば、"火に対しては水が強い"といったRPGにおける定番の有利不利の原則があるじゃないですか。でも、これって宇宙を舞台にすると成立しなくなっちゃうんですよね。成立させるには、ムダに説明を多くしたりして一般的なユーザーは純粋に楽しめません。

オープンワールドって、ゼルダなら高い山に登って「すげー景色だなー!」という感動体験もウリになっています。このように"リアル"な世界と同じ感覚で感動を共有できるというのがこのジャンルの肝だと思っています。

僕たちのほとんどがその体験を共有することが難しい「宇宙」を舞台にした作品の登場は、オープンワールドというジャンルが成熟しきっちゃって、新しい何かを体験できる作品が生まれにくくなっていることを示しているんじゃないかって気がしています。

ちなみにオープンワールドというジャンルには入りませんが、みんなでオンライン上の仮想空間で冒険やバトル、麻雀を楽しめる『FF14(ファイナルファンタジーXIV)』は、"プレイヤーの行動に制限が少ない"という部分で僕がオープンワールドに求めるものの究極系なのかなと思ったりしています。

FF14でプレイヤーが楽しんでいることを詰め込みつつ、難易度が上がっているのが現在のオープンワールドなので、「だったらFF14でいいじゃん!」となってしまうんですよね。

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