5月18日(土)にフジテレビ系で生放送される結成16年以上のコンビが激突する漫才賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」の組み合わせ抽選会が25日に行われ、第1試合は「ハンジロウ」VS「金属バット」、第2試合は「ラフ次元」VS「ガクテンソク」、第3試合は「ななまがり」VS「タモンズ」、第4試合は「タイムマシーン3号」VS「ザ・パンチ」に決まった。

■第1試合から下剋上なるか


タイムマシーン3号がこの日は欠席だったため、唯一の非吉本興業のグループとなった「ハンジロウ」はノックアウトステージ32→16の抽選回と同じく自分たちではなく、小川マネージャーにくじ引きを託したところ、漫才大会では不利と言われる1番手に決定した。「予定通り」と事前から1番を引きそうだったと飄々と語る小川マネージャーに対し、「(1番はとっても)嫌だね」(ハンジロウ・しゅうごパーク)、「1以外がよかったなあ」(ハンジロウ・たーにー)とショックは隠せなかった。

そんな「ハンジロウ」の対戦相手となるのは今大会で唯一、2年連続でファイナリストになった「金属バット」。昨年は1番手で登場するもマシンガンズに敗れて、大会が終わるまで「4時間タバコ吸いました」(金属バット・小林)と少し悲しい思いもしただけに、「トップじゃないので」(金属バット・友保)と2番手という順番にも納得した様子だ。

金属バットとの対戦についてしゅうごパークは「トップバッターで相手が金属バットと決まった瞬間、一番最初負けそーと思った」と少し弱気も見せたものの「決勝のメンバーの中でお笑いだけでご飯を食べられてないのは僕らだけなんで、もうここでひっくり返した」と"下剋上"を誓った。

一方、小林は「ザ・ぼんちハンターのお2人なんで気合いを入れんと無理やなと思います」と吉本興業の大先輩をノックアウトステージ32→16で破ったハンジロウの2人を警戒。ガクテンソクの奥田いわく「大阪に帰ったがハンジロウの2人に負けたことをまだ納得していない」という「ザ・ぼんち」の敵(かたき)を取ることはできるだろうか。

■第2試合は「平日のNGK」決戦


第2試合は「ラフ次元」と「ガクテンソク」という大阪時代から切磋琢磨してきた2組の対決に。視聴者からは「平日のNGK」対決とツッコミが入った。

現在は「ガクテンソク」は東京へと進出しているが、大阪時代、ガクテンソクの奥田とラフ次元の空は「理想のギャルを求めて街を徘徊した仲」(空)と交流は深い。ラフ次元の梅村は「1年先輩で大阪にいらっしゃった時からお世話になっていますし、一緒のイベントも出ているので嫌ですけど、胸を借りるつもりでやる」と少しやりにくさも感じていると明かした。

お互いの実力をよく知るだけに「1年後輩でずっと長いことやっていた。お互いが変なことをしない真っ直ぐな漫才でがっぷり四つの相撲が取れそう」(ガクテンソク・奥田)、「僕らは去年ギャロップさんに負けて、ガクテンソクさんはマシンガンズさんに負けて。その負けた2組が昨年決勝であの戦いをやったので、2組ともここにかける思いがある。ベストバウトをやりたい」(ラフ次元・梅村)と名勝負のにおいを漂わせた。

抽選会前日のライブでも2組は一緒であり、お互いに手の内はわかっている。奥田は「THE SECONDは特別に何かをやるタイプの大会じゃなく、普段のやっているものが出る大会」と語っており、真っ向勝負となりそうだ。

■第3試合は大宮対決


「タモンズ」は埼玉「大宮ラクーンよしもと劇場」を拠点として活動する"大宮セブン"のメンバーであり、「ななまがり」も同劇場に出演する"ほぼ大宮セブン"メンバーと言える近しい存在だ。対決に向けたコメントでも「優勝はもちろんしたいですけど、仮に負けても全力で応援できる」(タモンズ・大波)、「(もし負けたら)絶対そう思う」(ななまがり・初瀬)と絆の深さを感じさせた。

2組には大宮ラクーンよしもと劇場だけでなく、店長のお笑い好きが高じて店内に100人規模の劇場を作ってしまった「スーパーオートバックス大宮バイパス」というもう一つのホームグラウンドがある。「店長が『どっち応援していいか、もうわからないよ』と頭を抱えていた。でも店長のおかげでこのマッチメイクができました」(大波)と感謝。グランプリファイナル進出時には大宮セブンのメンバーからも2組に祝福が送られたという。

ノックアウトステージ32→16では、ななまがり、タモンズともに292点を獲得しており、実力は伯仲している。ななまがりは先日、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)の30秒ネタの大会「30-1グランプリ」でも優勝したばかり。ななまがりの森下は「ショートネタでは何度も優勝しているが、ロングもできるんだ! そう見出しに書いておいてください」とアピールしていた。

■第4試合は最も「THE SECOND」らしい対決


第4試合はいまやテレビに欠かせない存在となった売れっ子「タイムマシーン3号」と、漫才賞レースへの出場はM-1グランプリ2008以来、実に16年ぶりという「ザ・パンチ」との対戦となった。タイムマシーン3号は結成24年目、ザ・パンチは結成26年目とともに大ベテランであり、その立場のコントラストも含めて、もっとも「THE SECOND」らしい対戦と言えるかもしれない。

抽選会は仕事のために欠席だったタイムマシーン3号だが、「ノックアウトステージ16→8」では、"事実上の決勝戦"とも言われた「囲碁将棋」との対決を制してグランプリファイナルまでやってきただけに優勝候補と言える存在だ。一方で「ザ・パンチ」は16年前のM-1でラストイヤーの出場にして最下位に沈むという憂き目にあっている。だが、「ザ・パンチ」のノーパンチ松尾は「ファーストチャンスで一番鮮やかに散ったのが我々。今回の中では一番セカンドっぽいと思っている」と今大会こそ自分たちの大会と話す。

16年前の敗因について、「僕らほとんど覚えてないんですけどM-1グランプリという大会があって、あの時うちのエースの浜崎さんがガチガチに緊張していた」(松尾)と話し、パンチ浜崎は「あの時はラストイヤーで初めて決勝に出て、最初で最後だと出る寸前に気づいちゃって頭の中が真っ白になった」と明かした。今回の出場にあたり、緊張を解く特別な準備はしていないというが、松尾は「あの時よりもおじさんになりましたんで、あの時よりも現場を楽しめるかなというのはあります」とベテランらしく話した。

会見では現在入院中の「東京ダイナマイト」ハチミツ二郎とのエピソードも語られた。

「二郎さんが僕らが勝った後に『頼むぞ』と言われまして。2人でお見舞いに行きまして、その時にアドバイスももらった。その次の対戦の時にはLINEもいただいた。なので二郎さんに喜んでいただきたいなという思いはあります」(松尾)

「ザ・パンチ」の2人がコンビを結成したのはまだ高校生の頃。今大会についてどういう大会かと聞かれると、浜崎は「おじさんに青春をやらせていただいてありがとうございます」と素直にコメントしていた。

「M-1グランプリ」や「キングオブコント」のような競技性からくるひりつきとは違う、お笑いへの感謝、喜びと言えるような独特の雰囲気を感じた「THE SECOND」の抽選会。優勝賞金1000万円とそれ以上の何かを手に入れるための戦いが、5月18日19時から行われる。