「可能性は感じている。ただ、厳しい見方だと思うかもしれないけど、北中米W杯でベスト8以上の成績を出したら初めて最強だと言えるんじゃないかな」「可能性は感じている。ただ、厳しい見方だと思うかもしれないけど、北中米W杯でベスト8以上の成績を出したら初めて最強だと言えるんじゃないかな」

日本が普通にプレーすれば、普通に1位通過。それくらい力の差は大きい。試合を中継するテレビ局は頑張って盛り上げようとするのだろうけど、なかなか大変だよ。

2026年北中米Wのアジア2次予選が始まる(日本はまず16日にホームのミャンマー戦、22日に中立地のサウジアラビアでシリア戦。いずれも日本時間)。日本はミャンマー、シリア、北朝鮮と同組。上位2ヵ国が次のラウンドに進めるわけだけど、勝ち抜きに関しては何の心配もない。

選手の立場からすれば、W杯予選ならではのプレッシャーもあるし、自陣に引きこもって守りを固める相手と戦う難しさもある。

でも、それにしても日本の1位通過以外は考えにくい。不安な点を挙げるなら、北朝鮮など相手の荒いプレーでケガをすることくらいかな。

相手には失礼な言い方になるけど、これだけ力の差のある相手と予選を戦わなければならないのがアジアの難しさ。チーム強化の場にはなりづらい。アジア勢がW杯で躍進できない理由のひとつになっていると思う。

韓国が審判のおかげでベスト4に進んだ2002年日韓W杯以降、結局、どの国もベスト16の壁を越えられていないからね。

ランキング上位国は2次予選を免除するとか、地域の実情に即した予選のやり方に変えるべきだと思うけど、FIFA(国際サッカー連盟)AFC(アジア・サッカー連盟)の思惑が絡み合って難しいのだろう。困ったものだよ。

さて、日本代表に関して、最近の親善試合での好調ぶりを受けて(今年6月以降、アウェーのドイツ戦含めて6連勝中)、「今の日本代表は歴代最強では」という声を聞く。

確かに、可能性は感じる。昔ほど強くないとはいえ、ドイツにもトルコにもしっかり勝った。また、選手個々を見ても、単に欧州組の人数が増えただけでなく、レベルの高いチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグでプレーする選手が増えた。

とりわけ守備陣は充実している。センターバックの板倉は本当にいい選手だね。気持ちが強く、当たりの強いプレーを怖がらない。技術も高く、攻撃につながるパスも出せる。何よりリーダーシップがある。カタールW杯まで長く代表の主将を務めていた吉田の存在をあっという間に忘れさせた。

ボランチの遠藤と守田も鉄板。特に守田はただ守るだけでなく、ゲームをつくれる。また、右サイドバックの菅原も代表でプレーするたびに成長を感じさせる。

ただ、それでも現時点では史上最強とは言えない。厳しい見方だと思うかもしれないけど、北中米W杯でベスト8以上の成績を出したら初めてそう言えるんじゃないかな。

過去の代表チームも、親善試合ではいずれも高い勝率を残している。だから評価の基準となるのは、あくまで本番(W)の結果。

欧州組には引き続き所属クラブで頑張ってもらい、どんどんビッグクラブに引き抜かれてほしい。また、代表のワントップは俺で決まりだという選手にも出てきてほしい。神戸で絶好調のベテラン大迫を超えるFWはまだまだ見当たらないからね。

来年1月には4年に1度のアジア杯の開幕を控えているけど、日本は前回も前々回も優勝を逃している。まずはそこで結果を出せるかだ。

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