“やらかし”が多すぎる地方議員のトラブル…。 ※写真はイメージです。

子育てや教育、高齢者の介護など、日々の生活に身近な問題を扱うのが市区町村などに設置される「地方議会」だ。そのため「地方自治は民主主義の学校」ともいわれる。

それを担う地方議員たちはというと…なんだか“やらかし”が多すぎ!だが、俺でもやれる!?

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まずは近年に起きた地方議員のトラブルをいくつか簡単にふり返ってみよう。

●兵庫県の野々村竜太郎県議が2013年度に195回の日帰り出張をして政務活動費から約300万円を支出していた問題で号泣会見。後、辞職(議員報酬:月額84万円)。

●16年8月から17年3月にかけて富山市議会(定数38)で、政務活動費(ひとり最大月15万円支給)を不正受給した市議14人がドミノ式に辞職(議員報酬:月額60万円)。

●神戸市の橋本健市議が市政報告のビラを架空発注して政務活動費約715万円を不正受給した疑惑を受け、17年8月に辞職(議員報酬:月額93万円)。

●今年1月、奈良県安堵町の増井敬史町議がSNSにヘイト発言を書き込んだ問題で辞職(議員報酬:月額25万円)。

さて、これら元議員たちの報酬を見て、「結構もらってんなあ!」と驚いた人もいるだろう。自治体によって金額は異なるが、一般のサラリーマンの年収よりは明らかに高い。

「地方議員は、そりゃあもうオイシイ仕事ですよ!」

笑顔でそう語るのは、昨年11月の葛飾区議選で当選した立花孝志氏だ。13年に自ら立ち上げた政治団体「NHKから国民を守る党」の代表でもある立花氏は、自身の議員報酬の支給明細書を示しつつ、こう話す。

「当選した翌月の昨年12月は出勤5日間で、報酬は62万1千円。税金は引かれますが、年3回の期末手当(ボーナス)もあるので年収は約1100万円になる計算です。葛飾区議の場合、プラス政務活動費が月額ひとり当たり最高18万円支払われます」

政務活動費とは、議員の調査研究費や事務費、事務所費などを実費で支給するもの。使途は決められており、領収書を添付する必要があるため、使わなかった分は返還しなければならない。

「そのなかで事務所費として計上できるのは5万円までなんですが、それでも少なくない金額です。議員報酬で余裕ができたこともあって、事務所を家賃20万円のタワーマンションに移しましたよ!」(立花氏)

絶対に出席しなければならないのは年間30日から40日程度!

葛飾区議会の場合、定例会は年に4回あり、会期は16年度で106日とのこと。では、実際に拘束されるのは年間何日?

「本会議や自分が所属する委員会など、絶対に出席しなければならないのは年間30日から40日程度。1回当たりの出勤時間は1、2時間で、最長でも6時間ぐらい。私は千葉県の船橋市議も務めましたが、そちらも同程度です」(立花氏)

たったそれだけ!?

「わが党には、私のほかに埼玉県の朝霞(あさか)市議(報酬月額37万9千円)、志木市議(同34万7千円)、兵庫県の尼崎市議(同64万円)もいますが、人口や予算規模の小さい自治体の議会になると、議案も少ないため拘束時間は短くなる傾向があります」(立花氏)

昨年夏、元秘書に対する暴言で話題となった豊田真由子衆院議員(当時)の政策秘書に、現職の青森県板柳町議が就任して問題視されたことがあった。当時、取材した別の町議は本誌にこのように語っていた。

「定例会は年に4回で、それぞれ1週間から10日ほど。実質的に拘束されるのは年間40日ほどしかありません」

ちなみに同町議の報酬月額は23万5千円。もちろん自治体や役職など、議員の立場によって待遇は異なる。しかし、地方議員は非常勤扱いのため、毎日出勤しなくてもいいのは共通だ。

「だから市議会や区議会レベルの議員は兼業している人も少なくないんです。やはり、地方議員という職は“オイシイ”んですよ。ほかの議員はあまりそのことを語りたがらないのですが、『なぜ隠すの?』と言いたいですね!」(立花氏)

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(取材・文/畠山理仁)