アジアどころか世界中がクール・ジャパンに熱視線を注ぐ今、「古物売買」がアツい。
というのも、漫画やおもちゃなどのレアなグッズが並ぶ日本の古物商の世界は、中国やヨーロッパのお金持ちコレクターたちから“宝の山”と見られているのだ。自宅の隅々までひっくり返せば、彼らが求める思わぬお宝が見つかるかもしれない。
で、具体的に何を売ればいいのか? 流通業界の裏事情にやたら精通している激安ハンターの、じつはた☆くんだ氏が解説する。
「有名どころでは、廃版になった旧日本軍系のプラモや古いゲームソフトは高値で売買されがちです。また、コレクターが金に糸目をつけず収集に奔走し、価格が高騰しているのがソフビ人形。ウルトラマンシリーズは、男の子なら誰でも買ったことがありますよね?」
確かに、それなら実家にありそうだし、ウルトラ兄弟が全部そろっている人だって珍しくないはずだ。
「実は、コレクターの間ではヒーローよりも製造数が少なめで希少価値の高い悪役が人気。特に日本で最も有名な悪役宇宙人、バルタン星人は基本的にどんなものでも値段がつきます。値下がりがほとんどないため“バルタン貯金”という言葉もあり、最近は目ざとい中国人投資家の間で大規模な“バルタン狩り”が行なわれているほどです。
なかでも、歴代最強といわれる茶色の2代目バルタン星人ものは、数千円から最高10万円超えの実績もある。分身中とされる無塗装の水色バージョンやクリアバージョン、あるいはメカバルタンのゴールドも相場は3000円以上で、3体そろえば1万円以上で取引されます。中国の投資家と、ウルトラマン好きのフランス人コレクターがオークションで競り合うことも珍しくありません」
『スター・ウォーズ』シリーズも有望
まさか中仏間でバルタン星人をめぐる戦いが繰り広げられていたとは…。
「『スター・ウォーズ』シリーズも有望です。2012年10月に『スター・ウォーズ』の新作映画製作権や関連商品の製造販売権をウォルト・ディズニー社が買収。それまでライセンスを受けていた玩具メーカーの多くは撤退を余儀なくされました。今後、ルーカス時代のキャラクター製品にプレミアがつくのは確実です。
発売当時は不人気だったチューバッカのフィギュアなどは希少なため、箱入りなら10万円近い値がつくこともあるし、食玩のPEZも1個数千円で取引されることは珍しくありません。12月にシリーズ最新作の公開を控えた今年が売り頃です」
これはタイムリーだし、狙い目間違いなしの商品だろう。
「売却や合併で消えたプロ野球球団のグッズも値段がつきます。強かった時期の応援ユニフォームや帽子は数万円の値がつく場合もありますし、キャラクター交代で消えた球団マスコットの人形などもお宝です。
コミックの初版本も要チェック。大御所マンガ家の初版本はもちろんですが、例えば『コロコロコミック』の懐かしい作品は高値で取引されますし、休刊となったライバル誌『コミックボンボン』の作品は多くが絶版のため、全巻そろえば数万円というものもある。そうそう、古い週プレも1万円超えのプレミア号がありますよ!」
僕らが子供の頃に熱中したものが、海外の人から見ればお宝になっている。それが今の日本だ。浮世絵や陶器のように海外流出し失われるのは憂慮すべきことでもあるが…。
もし「これは!」というグッズを見かけたら、一度古物商に持ち込んでみるといい。意外な高値がつくかもしれないぞ。
(取材/近兼拓史)