"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回のテーマは、居酒屋・和民の焼肉店への転身。前編では、堀江氏が「居酒屋から焼肉店にシフトチェンジするためには大規模な設備投資などが必要。だけど『やれば必ず儲かる』わけではないので、実はリスクが高い転身だと思う」と指摘した。

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ひろ ただ、和民は飲食業界が長いので、そこらへんのノウハウはありそうですけどね?

ホリ 誤解してほしくないのは、「焼肉店という業態はダメ」ではないということ。焼肉ライクとかはうまくいっているわけだからね。飲食はすべてやり方次第なんだよ。

ひろ 個人的には、飲食店はやめられるならやめたほうがいい業種な気がします。ってのも、削り合いにしかならないので、消耗戦しか待っていないと思うんですよ。

ホリ 実は、そうやって思っている人が多いところがチャンスなんだよ。まあ飲食に限らず、そういうことはよくある話。新型コロナウイルスだって、ウイルス性の比較的拡散しやすい感染症は、歴史を見ると最長3年くらいで収束している。で、人々が外食をやめるとは思えない。ニーズは必ず回復するよ。

ひろ めちゃくちゃいい立地とかが今のうちに安く手に入るなら、長期視点ではいいと思いますけど、そんなに立地も良くなくて、なんとなく続けているだけなら全体が落ち着いてから再進出でもいい気がしますけど?

ホリ いや、落ち着いたらみんながやり始めるから、落ち着いてから動いても儲からないよ。

ひろ 独自のブランド価値がある店なら、今のうちから育てるのはありかもですけど、どこにでもあるようなチェーン店って、コロナが終わっても「めっちゃ行きたい」ってならないと思うんですよ。

ホリ そう。そういうのはダメ。和民はまさにそれだけどね。

ひろ あと、「店舗以外で売り上げをどう上げてくか」まで考えないと難しい気がします。飲食店の経営者で「ネット通販とかウーバーイーツとかよくわからん」って人はまだ多いですからね。お弁当屋さんも「注文はFAXで」とか普通にあるじゃないですか。

ホリ 業態によっては宅配とか通販を必ずしも平時にやる必要はないと思うけど、IT化は急務だよね。予約や台帳、原価計算にバイトを含む労務管理、食材やドリンク発注などは、上場している大手以外はほとんどIT化できてないのが現状だと思う。

店頭受け取りのテイクアウトは配送料がいらないからまだ利益が出るけど、宅配はお弁当とか一部を除いて難しいよ。だからフードテックがこれほどもてはやされるわけだけど。

ひろ 飲食店の経営は大変っすね。

ホリ いやいや、俺から見れば、飲食業界は経営センスのないスライム同士が戦っている状態なのよ。ちゃんとやればうまくいくよ。「和民」は厳しいと思うけど......。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『将来の夢なんか、いま叶えろ。』(実務教育出版)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)

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