昨年3月、結婚相談所の運営を行なうイノセントを子会社化。ライフプランの変わり目を押さえることができるためシナジーは大きい 昨年3月、結婚相談所の運営を行なうイノセントを子会社化。ライフプランの変わり目を押さえることができるためシナジーは大きい

『週刊プレイボーイ』で連載中の「坂本慎太郎の街歩き投資ラボ」。株式評論家の坂本慎太郎とともに街を歩き、投資先選びのヒントを探してみよう。金のなる木はあなたのすぐ近くに生えている!

今週の研究対象 
新NISAスタート
(ブロードマインド))

投資人口が増えれば、証券会社の株価は上がる。となれば新NISAの開始は投資チャンスに思えるが......所長が目をつけたのは、もうひとひねり利かせた会社だった!

助手 今年は日経平均が好調です。

坂本 年明けから一本調子に上昇し、3万5000円を抜けてバブル崩壊後の高値を更新。1989年の史上最高値、3万8915円を奪還するのは時間の問題なんて声も出てきた。

助手 新NISAで株を始めた人が一斉に買い始めたんですかね?

坂本 確かにそういう見方もあるけどね。政府の「資産所得倍増プラン」では5年かけて口座数を倍増させる計画。年間投資額の制限もあって、あと数年は新NISAからの流入額が積み上がるはずです。

助手 となると、新NISAで儲かる企業を考えたいですね。証券会社とかですか?

坂本 私ならもう少しひねるかな。ブロードマインドとか。

助手 どんな企業なんです?

坂本 保険商品を売って保険会社から手数料収益を得る代理店です。同社の場合は投資信託などの投資商品や住宅ローンも扱っているのが特徴。複数の商品を扱うには代理店資格や仲介業資格がそれぞれ必要で、すべてをそろえる企業は少ない。提携する大手カード会社から見込み客を紹介してもらえるのも強いね。

助手 うーん。新NISAと保険商品や住宅ローンって関係あります?

坂本 普通の人が新NISAを始める理由って「お金に困る人生はイヤだ」みたいな発想のはずです。つまり、お金の心配が減りさえすれば方法はなんだっていい。例えば保険の乗り換えで保険料を減らす支出の最適化でもいい。むしろ、元本割れの可能性もある新NISAは心理的なハードルが高いんですよ。

助手 確かにそうかも。

坂本 新NISA開始のニュースを見てお金について考え始めたけど「わからないからプロに任せよう」となる人はけっこう多いと思います。

助手 ブロードマインドにはお金のプロがいるんですか?

坂本 同社はコンサルタントが顧客のライフプランニングをして最適な商品を提案するのがウリなんです。例えば「30歳で結婚して32歳で子供を産んで、同時期に家も買うなら、いつまでにこれくらいの金額を準備する必要がある」みたいに人生とお金の計画をする。その実現のため保険や投資商品をどうぞ、というわけ。

助手 プロを集めた労働集約型ビジネスって人件費が高そう。採用も難しくて大規模展開できないんでは?

坂本 大丈夫。同社は業界では珍しく、新卒を育成してコンサルタントにしています。新卒だからベースの人件費が安い。さらに、保険の営業は一般的に歩合制ですが同社は給料制。新人が契約を多く取れるようになっても、人件費は急激に上がらないわけ。新卒を育てる独自のノウハウを持つからこその強みです。最近、教育やコンサルティングのノウハウを外販し始めたのも興味深い。

助手 どういうことです?

坂本 自分たちがコンサルティングで使う「マネパス」というツールを、使用料を取って同業他社に提供し始めたんです。業務改善のために工夫したツールだから品質は折り紙付き。新人も使えるシンプルさとシミュレーション精度の高さがウリです。

助手 そんな大事なものを外に?

坂本 「コンサルティングが強みの代理店」だけでは、人材採用や教育の進捗が企業成長のボトルネックになってしまう。この点、ソフトの外販ならそんな心配もないし利益率も高いからね。少し前に始めたのですが、利益の稼ぎ方を大きく変える一手になるかも。投資できそうです

今週の実験結果

新卒を採用してコンサルタントに育てる仕組みに、儲けのコツがありそうです

坂本慎太郎

坂本慎太郎さかもと・しんたろう

こころトレード研究所所長。ハンドルネームは「Bコミ」。日系の証券会社でディーラー、大手生命保険会社で株式、債券のファンドマネジャー、株式のストラテジストを7年間経験。ラジオNIKKEIや日経CNBCなどの投資番組へのレギュラー出演多数。著書に『プロ投資家が教える副収入1000万円の最短コース』(BEST TIMES books)など
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