今からAI関連投資ブームのビッグウェーブに乗るなら?【坂本慎太郎の街歩き投資ラボ】

構成/西田哲郎 撮影/榊 智朗

『週刊プレイボーイ』で連載中の「坂本慎太郎の街歩き投資ラボ」。株式評論家の坂本慎太郎とともに街を歩き、投資先選びのヒントを探してみよう。金のなる木はあなたのすぐ近くに生えている!

今週の研究対象 
AIエージェント(Laboro. AI)

どこもかしこもAI、AIとうたう今。ブームといわれてからずいぶんたったけど、今からでもこのビッグウエーブに乗っていい? 企業向けにオーダーメードのAIを提供するベンチャーを検討してみます。

助手 去年は半導体とかデータセンター関連銘柄が急に人気になって、株価が一気に跳ねましたよね。今年はどんなテーマが来ると思います?

坂本 半導体やデータセンターがテーマ化したのはAIの普及に必要なインフラだからです。今年はその先、「AIを使ってどんな成果を出せるか」に視線が移ると思います。企業がAIを試すフェーズを超えて、戦力化するフェーズに進み始めたからね。例えばAIで資料を作るにしても、単純に文章を作らせるだけじゃなく、社内確認や修正といった一連の作業を全部任せられる「AIエージェント」として業務に組み込むといったことが始まっています。

助手 AIエージェント? 急にSFっぽい言葉が出てきましたけど。

坂本 簡単に言うと「人の代わりに段取りして動くAI」です。社内データを読んで必要な手続きを実行したり、次の担当者に回したりと、AIが同僚のように自律的に働くイメージだね。

助手 業務効率が爆上がりですね!

坂本 ただ、日本企業のAI活用は欧米に比べて業務効率化やコスト削減に寄りすぎているという問題はある。企業業績向上に劇的に効くのは、AI活用で新しいサービスや製品を生んだりビジネスモデルを変えたりすることのはずです。例えば製造業なら、機械を売って終わりではなく、稼働データを生かして「AIによる最適運転サービス」で継続収益を作るとか。AIで付加価値を上乗せすることが利益の追い風になるわけ。

助手 これからは積極的に稼ぐためのAI活用が注目を浴びると。

坂本 そう。その文脈でマークしておきたいのがLaboro. AIです。同社は顧客企業ごとに作り込む「カスタムAI」の開発と導入コンサルティングが主戦場で、コスト削減ではなく売り上げ拡大や企業の価値を上げるのに役立つ「バリューアップ型AI」の提供に注力しているんです。

助手 所長がさっき言ってた、付加価値を上乗せできるAIってことですか。ただ、顧客ごとにカスタムで作ると人手が必要だから、Laboro. AI社自体のキャパがボトルネックになっちゃいますよね。果たして儲かりますかね?

坂本 なかなか鋭いね。同社はその問題を、新たにセミカスタムAIを展開することで解決しています。毎回すべてをゼロから作ると品質は高いけど納期も人手も必要。だからフルカスタムで得た知見を生かして汎用的なテンプレートを作り、必要な部分だけカスタムするんです。こうすれば同じ人数でも回せる案件数が増えて、利益も上げやすくなるでしょ。

助手 なるほど。

坂本 同社はセミカスタムAIを成長の加速装置として位置づけていて、既存のカスタムAIと同程度の規模に育てたいと意気込んでいます。

助手 ただ、セミカスタムといっても、結局は顧客の業務に合わせて微調整はするし、さらに現場で使えるように導入支援もするんですよね? となると、やっぱり人が足りないと回らなそうです。

坂本 確かにそのとおり。バリューアップ型AIの需要が後退することは考えづらいから、事実上、同社の成長は採用の進捗が左右すると考えていい。投資するなら毎期の採用人数を確認したいところです。2025年9月期は案件を設計するソリューションデザイナーの採用が計画未達。次期に改善が見られれば、AIが仕事を回す時代の本命として長期投資で追いかけたい銘柄です。

今週の実験結果
成長性を確認するために、「毎期の採用人数をチェックする」という手があります!


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  • 坂本慎太郎

    坂本慎太郎

    さかもと・しんたろう

    こころトレード研究所所長。ハンドルネームは「Bコミ」。日系の証券会社でディーラー、大手生命保険会社で株式、債券のファンドマネジャー、株式のストラテジストを7年間経験。ラジオNIKKEIや日経CNBCなどの投資番組へのレギュラー出演多数。著書に『プロ投資家が教える副収入1000万円の最短コース』(BEST TIMES books)など
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