アイドル史上初となる三冠王者を目指したアイカレの南千紗登選手

アイドルが“グラビア”と“ライブ”で闘うバトルカーニバル『グラバカ!』。『週刊プレイボーイ』本誌の創刊50周年を記念して、開催発表から約2ヵ月間にわたり、展開してきたイベントだ。

エントリーしたのは、2014年から週プレで行なってきた『グラビア編集の隠し玉GP』歴代優勝者である滝口ひかり(drop)、新井愛瞳(まなみ・アップアップガールズ(仮))、南千紗登(ちさと・アイドルカレッジ)が所属するグループの総勢19名。誌面で行なわれた『グラビアバトル編』、そして実際にライブハウスで行なわれる『ライブバトル編』の合計投票数で『グラバカ!クィーン』が決まるというものだ。

週プレNEWSでは本誌6号(1月25日発売)での『グラビアバトル編』掲載以降、出場者たちに密着。『ライブバトル編』に向けた『隠し玉GP』優勝者への連続インタビューや、各グループごとの個性的な修行の様子などをお伝えしてきた。

そして今回、3月20日に東京・恵比寿CreAtoで行なわれた『ライブバトル編』を徹底リポート! 『グラバカ!クィーン』に輝いたのは、一体、どのアイドルだったのか…!?

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時は、17時半。熱気がこもるステージに現れたのは、MCを務める、お笑い芸人・ユリオカ超特Q氏。「皆さん! 『グラバカ!クィーン』が生まれる瞬間を見たいか~!」と叫ぶと、会場に集まった200名のアイドルファンは「おぉーー!!」と叫ぶ。会場が明らかに熱い!

「今回は個人戦です! ライブを見ていただいた後に『この者こそが初代グラバカ!クィーンに相応(ふさわ)しい!』と思ったメンバーひとりに投票してもらいます。そして、この『ライブバトル編』の票と、あらかじめ投票されていた『グラビアバトル編』での票を合計し、グラバカクィーンが決まるんです! さらに…『グラビア編集の隠し玉GP』の歴代チャンピオンが持つベルトを手に入れることができます! 言ってみれば、ジャンボ鶴田の三冠戦のようなものです!」

ユリオカ氏が高らかに開幕を宣言した後は、いよいよ『ライブバトル編』がスタート。

トップバッターとしてステージに現れたのは、全員がツインテールにしたdropだ。1曲目は『なんにもいらない』、続く2曲目の『ビビデバビデチュ』。曲中、大場はるか選手が「跳ーべーよっ!」と煽(あお)り続ける。ビジュアルのみのイメージでいたら面食らってしまうような、激しいダンスを魅せる3人。一気に会場内の温度が高まった。

2曲を歌い終わり、自己紹介へ。彼女たちのライブではお約束の、観客からの「好きになってもいいですか!」という大合唱に滝口ひかり選手は「dropに投票してくれたらいいですよ♪」とカワイく答える。続く大場選手は突然の「おっぱいコール」で客席を盛り上げ、三嵜(みさき)みさと選手は「絶対グランプリ獲るぞ!」と力強く決意表明。気合は十分だ。

3曲目は、ファンと共に拳を突き上げる『冗談じゃないね』。続くロックテイストなミディアムナンバー『大嫌い』でライブの雰囲気を一度変化させると、感情をこめてソロパートを歌い上げる三嵜選手や、汗で肌に張り付いた髪を振り乱しながら全力で踊る滝口選手の姿につい見とれてしまう。そしてラストナンバーの『わたしがわたしであるために』では、会場に駆けつけてくれたファンに感謝の気持ちを感情をこめて歌った。多彩なパフォーマンスによる、充実したステージだった。

アプガは本日もマッスル!

次にパフォーマンスするのは、普段通りスクールテイストの衣装をまとったアイドルカレッジ。ステージに登場するやいなや、全員で「もっともっと!」コールを行ない、そのまま『ラブ/ライク』を披露。観客もメンバーも縦に飛び跳ね、会場全体を揺らす。「皆さん、一緒に~」という観客への優しい呼びかけは、「清く正しく楽しく」というアイカレのコンセプトを感じさせた。

3人のdropがステージを自由に走り回ったのに対し、9人のアイカレは「前日まで練習していた」という初披露のフォーメーションで魅せる。身長の高低差をうまく使った美しい陣形はお見事! 2曲目の『ハルモニア』以降も、ラスト6曲目の『YOZORA』まで全てノンストップで、観客に息をつく暇も与えない。メンバーの顔も熱さで紅潮しているが、それでも笑顔のまま30分間踊り続けた。

中でも大きく盛り上がっていたのは、5曲目に披露した『常夏女子希望!!!』だ。海老原優花選手が小さな身体から大迫力のアクロバットを魅せ、南千紗登(ちさと)選手が続けてキレッキレのソロダンス。川音希(かわおと・のぞみ)選手の掛け声で「週プレ50周年おめでとうございます!」とメンバーが言えば、大きな歓声が起こる。対バンライブゆえ、初めてアイカレのステージを見た人も少なくないだろう。しかし、彼女達の“本気”を見せつけられた会場はアツく燃えあがっていた。

そして、『ライブバトル編』のトリを飾るのは今年、武道館公演を目指すアップアップガールズ(仮)。おなじみの『over ture(仮)』で現れ、新井選手がマイクパフォーマンス。「私達はライブが命。他のグループには絶対負けないライブをしたい。個人的には、スク水でチャンピオンベルトを巻いてプールに入りたい」と発言。ベルトの耐水性が少し気になるが、勝ちに来ていることは心底伝わってくる。

まずはポジティブで明るい『キラキラミライ』でスタートし、続けて『UPPER ROCK』。古川小夏選手の「みんなでブチ上がってー!」というシャウトで、場内は今まで以上に熱く、空気も薄くなる。一気にアプガムードへと早変わりだ。

佐保明梨選手のこぶしの効いたソロパートで始まる新曲『パーリーピーポーエイリアン』でコミカルかつ激しいダンスを見せつけたかと思えば、『ジャンパー!』『アッパーカット!』という、アプガの楽曲の中でもエグめの2曲を立て続けに披露。このセットリストでも笑顔を絶やさないのがアプガの恐ろしさだ。

最後の最後まで「グラバカー! もっと跳んでいくよー!」「まだいけますかー!?」と煽る新井選手と佐藤綾乃選手。アプガファンだけでなく、dropファンもアイカレファンも合わせて、会場にいる全員が力の限り飛び跳ねる30分間だった。

また、ステージからハケる際、「モリモリマッチョです!」とガッツポーズをする森咲樹選手。“アスリート系アイドル”として、最後まで筋肉誇示は忘れなかった。

参加メンバーの水着画像大公開!

3組すべてのライブが終了し、ユリオカ氏が再登場。ここで、週プレ本誌に掲載された『グラビアバトル編』の投票総数が10,443票にのぼったことが発表された。さらに、『ライブバトル編』の投票は『グラビアバトル編』より高ポイントとして集計することも初めて明かされる。最後まで誰が『クィーン』になるのかわからない。

観客席には投票箱が用意され、この日集まった200人がそれぞれ重みのある1票を投げ入れていく。その後、集計タイムを利用して、クィーン発表前に『週プレ×TIF スペシャルグラビアステージ』が行なわれた。

エントリーした19名全員が、『グラビアバトル編』の水着でステージに登場。推し達の普段見られない姿に、ファンも思わず「うおおおおおお!!」と凄まじい歓声を上げ、興奮。

そのグラビアステージ後、各グループ数人が代表して感想を語った。

dropは三嵜選手が開口一番「恥ずかしいですね…」と赤面すれば、滝口選手が「クィーンになりたい。なりたいです!」とアピール。アイカレの中島優衣選手も「水着は裸で歩いているみたいで…」とかなり恥ずかしそうだ。その姿に「ひゅー!」と客席のファンたちはニンマリ。

アプガは新井選手が放った「dropさんはカワイいカラフルな水着で、アイカレさんは学園ということでセーラー服。…アプガ、やっぱり女子プロレスラーみたいですよね?」という自虐に、森選手が「いやいや、マッチョが好きな方もいると思うんですよ! 華奢(きゃしゃ)なのは他の皆さんに求めていただきましょう」とポジティブに返していた。

そして、いよいよやってきた開票…つまり、『グラバカ!クィーン』発表の瞬間。ステージ上のメンバーも、観客も、全員が緊張の表情を浮かべる。ドラムロールが鳴り響いた後、一瞬の静寂!

「最も獲得ポイントが多かった、初代『グラバカ!クィーン』は…アイドルカレッジ、南千紗登さんです!」

その発表に喜びの声と涙を見せる南千紗登選手ーー。彼女を囲むアイカレメンバーが、自分が呼ばれたかのように飛び跳ねて喜ぶ。上手にいたdrop・三嵜選手は悔し涙を流し、下手のアプガメンバーも悔しい表情を見せた。

『隠し玉GP』歴代のチャンピオンベルトが南選手の腰に巻かれる。さらに目録が手渡され、南選手は週プレ本誌でのスペシャルグラビア権を獲得。「今まで、一番を獲ったことがなかったから本当に嬉しいです。グラビアは海外で撮りたいです! ハワイ!」と興奮気味に語った。

イベントのラストには、出演者全員でモーニング娘。の『LOVEマシーン』を披露。『グラバカ!クィーン』となった南選手が、ラストのひと言である「LOVEマシ~ン!」という堂々としたキメゼリフで、イベントは大団円を迎えたのだった。

“クィーン”南千紗登選手に独占直撃!

イベント後、見事、『グラバカ!クィーン』の座を手にした南千紗登選手に独占インタビューで直撃。約2ヵ月に渡って行なわれてきた長期戦を、勝利で飾った彼女の心境とは…?

―優勝おめでとうございます!

 ありがとうございます!

―名前が呼ばれた瞬間、どんな気持ちだったのか?

 まず、MCのユリオカさんが「アイドルカレッジ」って言った瞬間に「やった!」と思いました。自分かどうかより、まずアイドルカレッジから優勝者が出たことが嬉しくて。それに加えて自分が優勝できるなんて…思わず泣いちゃいました。クラスメイトさん(アイカレファンの総称)にもずっと『優勝したい!』って言ってたので、本当に、本当に嬉しかったです。

―今の気持ちは、どんな気分か?

 やっと力が抜けました。ライブに向けて頭の中で、ずっと「3.20、3.20」っていう風に、今日の日付を意識してたんです。『グラバカ!』の期間中は、私のことを応援してくれているクラスメイトさんはもちろん、他のコを推してるクラスメイトさんも「南、頑張れよ」って言ってくださっていて。今日、優勝した後も、えびちゃん(海老原優花)が「ちぃの名前が呼ばれた時、自分のことのように嬉しかった」って言ってくれたりして、ファンの方やメンバーからの愛も感じられたイベントでしたね。

―正直、自信はあった?

 『グラビアバトル編』の後、「ライブでは身長を活かして、よりいっそう大きなパフォーマンスで目立ちたい」と宣言してました。今回はカッコいい曲が多い中で、それがしっかりできた気がします。『ライブバトル』なんてタイトルで闘うのは初めてだったし、初めてアイカレを見るdropさんやアプガさんのファンもいて、すごく緊張してたんですけど…。

―やはり、ライブ前に行なった寺修行の効果が出たのか?

 出てたと思います! アイカレはダンスが結構激しいので、自分のダンスと向き合ったり、集中する力が役立ったと思いますね!

―手に入れた3つのベルトはどうする?

 今までも家で抱いて寝てたりしたんですけど…今後もしばらくの間は抱いて寝ようかな。滝口さんと新井さんから受け取ったという重みを抱きしめて、嬉しさで枕を濡らそうと思います(笑)。実は私、結構泣き虫なんですよね。

―今後、そのベルトを狙うアイドルが出てきたら?

 もちろん、私はいつでも立ち向かおうと思います。私は初代『グラバカ!クィーン』になりましたけど、『クィーン』は初代だけ、私だけで十分。…本当は勝ち逃げしたいですけど(笑)。

―最後に、読者にひと言を。

 今回応援してくださった皆さん、本当に本当にありがとうございました。今回のイベントで初めて私を知ってくださった方もいるかもしれないですけど、これからもっと、誌面から皆さんにパワーを届けられるような存在になりたいと思ってます! どうぞこれからも南千紗登の応援をよろしくお願いします! スペシャルグラビア、楽しみにしていてください!

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約2ヵ月に渡ってお伝えしてきた『グラバカ!』。今回、エントリーした全19名のアイドルが本気の汗と涙を流してくれた。今後、アイドルシーンのド真ん中に立つ南選手に挑むアイドルが次々と現れるだろう。その激戦が重なるたびに、3本のベルトは輝きを増していくに違いない!

●過去のバトルは本サイトを参照!(取材・文/アオキユウ[short cut] 撮影/武田敏将)