グループの象徴だった指原莉乃が卒業。しんみりしたムードかと思いきや、いつもの元気いっぱいのライブパフォーマンスを披露した新生HKT48

7月21日、HKT48が約1年ぶりとなるコンサートツアー「HKT48九州7県ツアー~あの支配人からの、卒業。~」を福岡サンパレスでスタートさせた。グループの看板であった指原莉乃が4月末に卒業し、新生HKT48の門出となるツアーだ。

オープニング、ステージ上には指原莉乃の大きな写真。まるでお別れの会のようだ。暗い表情で登場したメンバーたちは指原との思い出を語り始める。ただ、エピソードはクスっと笑ってしまうもの。そして全員で尾崎豊の『卒業』を合唱。そうか! サブタイトルの「あの支配人からの卒業」とは、このことだったか。

歌い終わるとメンバーは舞台をはけ、キラキラしたステージ衣装にチェンジ、本編がスタート! 『桜、みんなで食べた』、『ぶっ倒れるまで』、『初恋バタフライ』、『早送りカレンダー』と一気に飛ばしてくる。中心となるのは田中美久と松岡はな。元気いっぱいにステージを盛り上げる。

HKTコンサートの名物となっている寸劇コーナー。今回は「寸劇戦隊・指レンジャー」。かつてはグズグズっぷりが楽しみのひとつでもあったが、演じるメンバーもスキルもあがり、純粋に楽しめるように。特に悪役を演じる村重杏奈がイキイキとしていた。

中盤はメドレー。48グループメドレーと思いきや、乃木坂46『ジコチューで行こう!』や日向坂46の『キュン』といった坂道シリーズの曲まで。お得感でいっぱいだ。

アンコール後、コメントを求められた田中美久は「莉乃ちゃんとか前に立ってくれてた先輩がいなくて、不安がいっぱいあって」と涙ぐむ。「でもHKTのみんなが一丸となってやるコンサートが本当に楽しくて、HKT48が本当に大好きだなって実感しました」と力強く話した。また松岡菜摘は「みなさんの声援がメンバーひとりひとりの自信につながった」と感謝をしつつ、「HKT48にとって今日が大事な日になったんじゃないかな。これからも上手にはできないことがあるとは思うんですけど、空いた穴を埋めつつ、穴なんて見えないようにみんなで頑張っていきたいと思うので、これからも応援よろしくおねがいします」と、ファンに今の思いを届けた。

ラストは『12秒』。7月30日にHKT48を卒業する植木南央にスポットが当たる。セレモニーはなかったが、彼女を盛り上げる演出に会場は大いに湧いた。

HKT48の九州7県ツアーは、10月まで全9会場を回ることになっている。今のところパフォーマンスで目立っているのは下野由貴や坂口理子といったベテランメンバー。だが、前回の九州ツアーで加入間もない3期生が一気にレベルアップしたように、まだステージ経験の少ない5期生の飛躍にも期待したいところだ。