8月2日(金)、3日(土)、4日(日)に東京・お台場で行なわれた、真夏のアイドルの祭典TOKYO IDOL FESITIVAL2019(以下、TIF。初日をレポートした前編に続き、中編では8月3日(土)の様子をお届けします!

* * *

【8/3】

●NGT48[SMILE GARDEN]

開催前日に急遽発表されたNGT48の復活ステージ。毎朝恒例のラジオ体操の前に設定されたが、この日を待ちわびたファンでスマイルガーデンはかなりの入り。さらに、普段はいないスポーツ紙や一般紙、テレビが取材に入り、警察官が会場内を巡回するという物々しい雰囲気のなかで行なわれた。

最初に全員が緊張した顔で登場し、荻野由佳が「デビュー前からNGT48を応援して支えてくださった新潟県の皆さまに、また受け入れていただけるよう、そして私たちを信じて応援して待っていてくださるファンのみなさまに、『待っていて良かった』と思っていただけるように、これからも全力でパフォーマンスして、精一杯頑張らせていただきたいと思います。よろしくお願いします」と挨拶。

その後全員で「よろしくお願いします!」と深々とおじぎ。ファンから長い拍手が送られた。

そして荻野の「TOKYO IDOL FESITIVAL行くぞ!」の絶叫とともにかかったのは、彼女たちに始めて与えられたオリジナル曲、『Maxとき315号』。そしてメジャーデビューシングル曲『青春時計』、『春はどこから来るのか?』へとつなぐ。

研究生曲の『今日は負けでもいい』では、研究生に降格した加藤美南の姿も。ラストは『世界はどこまで青空なのか?』。

本間日陽が「このTIFのステージに今年も立てた事が本当にうれしかったです。私たちNGT48は、ここから精一杯全員で頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします」と挨拶。ファンからは「頑張れ!」と声援が飛んだ。

最初の『Maxとき315号』は雪解けの歌。春の到来を望み、ラスト『世界はどこまで青空なのか?』と、NGT48メンバーの今の気持ちが詰まったセットリスト。早く『青春時計』のように、振り返れる日が来ることを願う。

●絵恋ちゃん[FESTIVAL STAGE]

今、「日本最強のソロ地下アイドル」を決めるなら、いろいろな尺度があるだろうが、間違いなく何かの尺度でぶっちぎりで優勝するであろう――それが絵恋ちゃんである。

「新たなスターをTIF2019で発掘!」を合言葉に、アイドル業界に造詣の深い32人のレコメンダーが選出した「アザーレコメンド」枠。彼女は4組の「アザレコ枠」に見事選ばれ、TIF初参戦となった。

「ガンダム前」と呼ばれるフェスティバルステージには、多くの黄色い「絵恋ちゃんクソイベTシャツ」や「絵心ちゃんTシャツ」に身を包んだ「えれにすと(絵恋ちゃんのファンの意)」たちが集結していた。

そんな群衆の前に姿を現した絵恋ちゃん。

「お前はドブネズミ以下だとバイト先で言われ殴られた。写真に写らない美しさ、そんなもの無いのと同じだ~! 絵恋ちゃんです! よろしくお願いしまーす!」

残酷すぎる現実『就職しないとナイト』から始まった。

「TOKYO IDOL FESITIVALに馴染めませ~ん!」

そうシャウトしながら駈け出す。えれにすとたちもスタートダッシュ!

「初めてTOKYO IDOL FESITIVALに出場できてうれしかったんですけど、ツイッターで発表されたときに、『絵心ちゃん』になっていたり、他のアイドルさんの写真も絵恋ちゃんになっていたりして。TIFの運営さんは天狗になってるんじゃないんですか? 天狗になってますよね? はい! 今日はみなさん赤いサイリウムで天狗の鼻を作っていきましょう!」

そんな運営批判disりを見せながらの『天狗』。

「天狗が好きさー!」「オレモー」「天狗が好きさー!」「オレモー」と、えれにすとたちのコールが響く。もうこの曲については「絵恋~!」ではなく「天狗~!」だ。
「天狗~!」「天狗~!」「オ~レ~の天狗~!」

叫び続ける天狗コール。そして曲の中間では、観客たちが絵恋ちゃんの前に赤いサイリウムをつなげて一本の「長い鼻」を作り上げた。なんだこれ!

3曲目は「夏ですね~。サザンのパクリ曲やります」と言いつつ『いなせなフォローバック』へ。冒頭の「江ノ島へ向か~う」を「お台場に向か~う」と変えての歌唱。

サザン好きなら反応してしまうキーワードで紡ぐアイドルオタを歌った曲。サザン的な夏らしい歌(?)がお台場を泳ぐ。そしてラストはお待ちかねのあの曲だ。

「みなさん、レジ袋はお持ちですか? ライブに来るときは、サイリウム・タオル・レジ袋を持ってきていると思うんですけど。曲の途中で、レジ袋をただカサカサするという、オタクでも、後ろの方で見てくださってるお金のないクソザコオタクのみなさんもできると思います。一般のクソガキ、お年寄り。ボンズも警備しながらできると思うので、レジ袋をカサカサしてください」

そんな毒を吐いたあとに飛び出したのは『レジ打ちでスカ』。

この曲は、曲の間にファンが長くコールする。

「もめた!もめた!お客ともめた!お釣りがまだだとお客ともめた!もめた!もめた!お客ともめた!返したお釣りをまた返す」

こういった長いコール&口上をスケッチブックに書いて、最前列にいるファンが他のファンに見せる。そんな絵恋ちゃん界隈の「レジ打ちスケブ文化」。こういった文化は、ときにファン内でトラブルを起こしかねないが、この日のスケブも素晴らしいタイミングだった。ある種のピース感を感じた。

「オイ!オイ!オイ!オイ!オイ!」と阿鼻叫喚。ガンダム前は昼を前にして燃え上がっていた。夏の空に響くレジ袋のカサカサ音。空を舞うレジ袋。一見、新しい地獄に見えるかもしれない。レジ袋地獄。天狗地獄。しかしこれこそが絵恋ちゃん界隈の青春なのだ。

祭りを終え、ステージから去る絵恋ちゃんにフェスティバルステージのスタッフがマイクで「ありがとうございました。天狗の運営に伝えておきます」とナイスアシスト。すべてが絵恋ちゃんを中心に回っていた15分間だった。

●SUPER☆GiRLS[HOT STAGE]

昨年の夏とは、もうすべてが変わっていた。昨年の7月から始まった「SUPER☆GiRLS超(スーパー)オーディション!!!!」によって選ばれた新メンバー7人の加入。そして、オリジナルメンバーと第二章メンバーの卒業により、ひとりだけ残った第二章メンバーの渡邉幸愛(こうめ)が5代目リーダーとなった。第三章メンバーの石橋 蛍(ほたる)阿部夢梨(ゆめり)長尾しおりの3人。それが今のスパガである。

『赤い情熱』から始まったステージ。2曲目はファンの中でも支持率が高い名曲『BELIEVER』。「冒険に出かけよう」というこの名曲を新体制で初披露。イントロが流れた瞬間から爆発したかのような歓声。ちょっと初々しい『BELIEVER』に昔からのスパガファンも大いに盛り上がっていた。

続いては、メンバーの自己紹介曲『恋してYES~これが私のアイドル道!』で新体制をご紹介。そう、彼女たちは「10年目のはじめまして」を見せているのだ。

MCを挟んで歌ったのは、9月18日に発売の23枚目のシングル『片想いのシンデレラ』初披露。黄色い光の中、グレーの制服で踊る少女たち。初々しさと歴史の融合を見た。

その中で引っ込み思案のヒロインを演じる阿部夢梨。センターを務める彼女のすごさに息を飲む。長くアイドルを見ていると、何年かに一度、「完璧なアイドル」の高みを目指し、まさにゾーンに入った少女に出会う時がある。正直、阿部夢梨は、今、まさにそのゾーンに足を踏み入れようとしていた。スパガにとって永遠のセンター・前島亜美の最盛期に迫る勢いだ。

5曲目の『恋愛マニフェスト』、ラストの『ナツカレ★バケーション』。身震いが止まらない。阿部夢梨だけではない。石橋蛍、長尾しおりの3期生の成長がとんでもない。まったく違うグループにも見える。そのくらいすべてが出来上がっていた。

10年前。TIFが品川で生まれた日。6月に結成したばかりの彼女たちもそのステージに立っていた。あれから10年。当時のメンバーは誰もいない。

しかしスパガの名を継ぐものたちは、強い意志と最高のメンバーで、あらたな「アイドル道の冒険」に出発していた。

●DEAR KISS[SKY STAGE]

お台場の屋上にさっそうと現れたのは、5人組グループ・DEAR KISS。クールな出で立ちの彼女たちのステージは、アップチューンなダンスナンバー『REIMEI』でクールにスタート。ラップもアリ、ヘドバンもアリのこの曲を、汗なんて気にもせず、髪を振り乱して踊っていく。

そんな"ディアキス"にも、少し雰囲気を崩したカワイイ曲がある。タイトルからわかるとおり、ブリブリにアイドル方面へ振り切った『ずっきゅんらぶ』だ。

メンバーがコロコロと表情を変えていくこのお祭りソングに合わせて、ファンは「待ってました!」と言わんばかりに一緒に手を振って盛り上がる。撮影OKのステージということで、この曲の中盤で慌ててスマホを取り出すファンも多かった。

その後、ラストは再びクールに戻り、集まったファン全員にしっかりと聴かせるように『DEAREST』を披露。齋藤里佳子が安定感のある歌声を冴え渡らせ、15分間のステージを終えた。

ダンスを魅せ、歌を聴きこませ、そして、ときには"バカ"も魅せる。彼女たちのよさを短い時間に詰め込んだ、一切の無駄なきセットリストだった。

●二丁目の魁カミングアウト[SMILE GARDEN]

TIFの長い歴史で、初のゲイアイドル・二丁目の魁カミングアウト。今回で3年連続の出場となる。ここ数年で一気に知名度を上げて、先日、Zepp Tokyoでのワンマンライブを成功させたばかりだ。

集まったファンは他のグループと違って女性が多め。取材エリアにも女性アイドルグループが見学に来ていた。1曲目は『耳をすませば』。メンバーが拳を突き上げて会場を熱くする。2曲目『三原色カタルシス』、3曲目は『まるもうけ』。フリコピがしやすく会場のファンは「まるもうけ」と騒ぎ、ひとつになって盛り上がる。

4曲目『シワの数だけ被GAY妄想』。黄色のぺいにゃむにゃむの激しいボイスが会場に響き渡る。ラストはヒットナンバーの『ボクの夢はお嫁さん』で終了。ゲイアイドルということで、イロモノに思ってしまうかもしれないが、パフォーマンスは正統派。

リーダーのミキティー本物はBisや私立恵比寿中学の振り付けもやったことのある本格派。来年には中野サンプラザでのコンサートを予定しているとのことで、今後の展開も楽しみだ。

●パクスプエラ[SKY STAGE]

雲ひとつない晴天のもと、湾岸スタジオの屋上に登場したパクスプエラ。ラストアイドル(LaLuce)でも活躍する阿部菜々実が所属する、仙台発の3人組だ。

彼女たちのステージは、代表曲『リングを駆けろ!』からスタート。ボクサーの動きをリズミカルに取り入れながら、「戦う相手が誰かも知らされないまま」「それでもリングに立つわ」と歌うこの楽曲。212組というあまりに多すぎるTIF出演グループの中でも、全力で戦い抜くという姿勢が伝わる選曲だ。

長いリーチを持つ阿部の"右"が炸裂したあとは、MCを挟んでキラッキラな王道アイドルソング『WONDER GIRL』『小さなこの手で』と続けていく。

圧倒的な実力とカリスマ性を持つ阿部と、彼女に負けじとお台場の夏空に真っ直ぐな声を響かせる、ひと回り小柄な中村妃那(ひな)と佐竹未羽(みう)。全員が高いレベルでパフォーマンスを繰り広げるからこそ、絶妙なバランス感の良さを生んでいると感じた。

阿部のラストアイドルデビューによって、この3人の存在を知った人も多いだろうが、「全員すげぇんだぞ!」ということを知ってもらいたい。そう感じさせる、眩しいステージだった。

●マジカル・パンチライン[SMILE GARDEN]

今年2月に新メンバー2名を迎え、6人体制となったマジカル・パンチライン。登場するやいなや、メンバー全員でこぶしを何度も突き上げ、「オイッ! オイッ! もっと!」と観客を煽る。初っ端から勢い強く、『ONE』でパフォーマンスをスタートさせる。

ワンコーラス歌ったところで、すぐさま次の曲『Melty Kiss』へ。どうやら彼女たちはこの20分間をメドレーで戦い抜くらしい。その後も観客にクラップや手振りを求めながら、『小悪魔Lesson1・2・3♪』『108煩悩BOMB』『謎から謎めくMystery』という楽曲を贅沢に続けていく。

それにしても......どの瞬間を切り取っても、ステージには"カワイイ"しか存在していない。眼球緊急事態が発生する。

メドレーは続き、『マジカル・ジャーニー・ツアー』で小山リーナが「ぶち上がっていきましょ~!!」と叫んだあとは、『マジ☆マジ☆ランデブー』で全員が自己紹介。そして、『ぱーなりないと!!』に合わせて会場全体で夏らしくタオルをぶん回し、再び『ONE』を歌って豪華メドレーを終えた。

これで終わりかと思いきや、最後に最新シングル『今日がまだ蒼くても』を披露した"マジパン"。キラキラとした輝きを放ち、120%の笑顔でステージをあとにする6人の姿には、新体制への覚悟と自信を感じさせた。

『今日がまだ蒼くても』で歌った「数えきれない光に きっと会いに行くよ」という歌詞のとおり、彼女たちを追っていれば、まだ見ぬ景色が見られる――そんな確信を持ってしまった。

●クマリデパート[DOLL FACTORY]

今年、多くの業界関係者が「来る!」と断言する。そんな注目度の高いグループ、それがクマリデパートだ。TIF初参戦である。

赤、白、ピンク、水色の4色。デパートのエレベーターガール風の衣装で『おいでよ!クマリデパート』に乗って登場した4人。

一曲目は、おもちゃ箱をひっくり返し系ミュージックな『シャダーイクン』。でんぱカラーのアッパーな音と、一見楽しそうなのに、うっすら悲しいネガネガダウナーな歌詞。変拍子も入ってて、普通に考えると頭がおかしくなるような曲だ。それなのに、4人の可愛いメンバーが歌うと、すべてが「アイドルの幸せな世界」として成立している。一曲目から「確かに来そう!」と思わされた。

二曲目は、『二十四時間四六時中』。みんな全力で恋焦がれてくれる。4人のうれしそうな表情。とくに水色の早桜ニコのキャンハジけ感がすごい! 三曲目の『あれ?ロマンチック』では、夏の恋がうまくいかない女の子を歌う。シンガーソングライターの大森靖子が歌詞を手がけているだけあって、一筋縄ではいかない世界観を醸し出している。

そしてラストは『ウダガワ・ヨッキュー』。渋谷を舞台にダラダラウダウダ恋愛している危うくもグルーヴ感に溢れる世界。ピンク担当の優雨ナコ(ゆう・なこ)がダルそうだけどエロくスカートをぴらっとさせながら「ねぇ、次どこいくぅ?」なんて言っちゃう。なにこれー!

15分間、全力のパフォーマンス。見事。このデパート、いろいろ売ってる!

●BNK48[SMILE GARDEN]

タイのバンコクを拠点に活動しているBNK48。2回目の参加となる今年は6人で登場!

昨年出演した元AKB48の伊豆田莉奈は、チェンマイ48に移籍したため不在。代わりにメンバーを引っ張ったのは、一昨年のAKB48選抜総選挙で72位にランクインしたミュージックと、日本人の母を持つハーフのサッチャン。

オープニングで「コンニチハ、タノシミマショー」とミュージックが叫んで『会いたかった』が始まる。2曲目は『BNK48』、元の『AKB48』は歌詞に土地の名物や名所が入るのだが、タイ語バージョンは何が入っているのだろう? まったく言葉がわからないのでわからないが気になるところだ。さらに途中で「ハイセーノ」とファンへの煽り。これは日本と共通なのか?

3曲目は『次のseason』、最近はあまり聞けない曲なので、バンコク語バージョンとしてもうれしい。続いて『ジャーバージャ』。日本では2018年の3月に発売され、岡田奈々がセンターを務めた曲だ。明るいノリがBNKの雰囲気に合っている。

『Reborn』は伊豆田莉奈がAKB時代にセンターだった唯一の曲。BNKでもアルバムに収録され、ファンに愛される曲になっているらしい。ラストは日本でも人気な『君のことが好きだから』でフィニッシュ。このライブのためにタイからやってきたファンも数十名おり、BNK48の現地での盛り上がりっぷりも感じさせてくれた。

●ラストアイドルファミリー[HOT STAGE]

この一年で二期生27名が加入し、総勢48名の大家族となって、昨年の続き二度目のメインステージを迎えたラストアイドルファミリー。

待ちかねていたファンのボルテージは最初からすさまじく、一期生が登場した瞬間に雄叫びが上がる。一曲目の『好きで好きでしょうがない』が流れるとその声はさらに増幅し、一期生の「好きだ! 好きだ!」という大連呼と合わさっていく。"オケ"の音が聞こえなくなるほどまで、大きなコールだ。

二期生、そして二期生アンダーというくくりも含めて、全7組のユニットが集結したこのステージ。『君のAchoo!』(シュークリームロケッツ)を皮切りに、『青春0対0』(二期生アンダー)、『Love Docchi♡』(Love Cocchi)、『愛しか武器がない』&『Lolipop』(二期生)......と、それぞれの曲を次々に披露していく。

どストレートなアイドルソングもあれば、80年代チックな曲もある。ジャンルの幅広さと、"ラスアイ"ファミリーの層の厚さを思い知らされる構成だ。

その後も『Everything will be all right』(LaLuce)、『鼓動の理由』(シュークリームロケッツ)、『この恋はトランジット』(Someday Somewhere)、『サブリミナル大作戦』(2期生アンダー)、『バンドワゴン』(LaLuce)といった並びで5曲を展開。

1時間という持ち時間の1秒1秒を惜しみなく使い切るために、次々と入れ替わっていくメンバーたち。もちろん、ファンのサイリウムもユニットに合わせて常に色を変えていく。ラスアイファンは、ラスアイファミリー全体が好きなのだ。

"ユニットラッシュ"の直後は、再び一期生21名がステージに集結して『大人サバイバー』を披露。大人数の強みを活かした、"歩く芸術"と呼ばれるフォーメーションダンスを見せつける。統率されたこのダンスに、ファンも「ヘイヘイヘイ!」というコールを揃えていく。

そして最後は二期生も再登場し、ファミリー全員での『眩しすぎる流れ星』と『ラスアイ、よろしく』。ステージ全体に散らばり、各々でファンやメンバー同士の交流を楽しんでいく。わちゃわちゃ、イチャイチャ。見ているだけで至福の多幸感があふれてくる。

60分の最後には全員でステージ中央に集い、ラスアイポーズでキメッ。メンバー同士の、そしてファンとの強い一体感を感じたステージだった。

●22/7[DREAM STAGE]

秋元康プロデュースによる声優アイドルグループ22/7。坂道シリーズのような清楚な声優メンバーたちが、映像の中の2次元メンバーと一緒に踊るパフォーマンス。

最初にステージに登場したのは7人、一曲目はデビューシングルの『僕は存在していなかった』を披露。二曲目『シャンプーの匂いがした』はさわやかな楽曲。そして三曲目『理解者』と続けて歌った。ラストは涼花 萌(すずはな・もえ)、高辻 麗(たかつじ・うらら)、宮瀬玲奈(みやせ・れいな)の3人が呼び込まれメンバー全員がステージに登場。

そして初めて全員が登場するという8月21日発売の最新シングル『何もしてあげられない』を披露した。映像とリアルメンバーのシンクロが楽しい22/7。チェックしておきたいアイドルのひとつだ。

●転校少女*[SMILE GARDEN]

2019年。メンバー構成にいろいろと動きがありつつも、メジャーデビューを11月13日に控える転校少女*。4人体制ではラストのTIFだ。

まず一曲目に選んだのは『Girl*s Time』。昨年、週プレとTOKYO IDOL FESITIVALが行なっているオーディション「ナツ☆イチッ!オーディション」のステージで、メンバーの塩川莉世(しおかわ・りせ)がクイーンに輝いた名曲だ。とびっきりのアップテンポなハジけ曲。塩川の歌声がアッツアツな空に飛んでいく。曲中のラインダンスに合わせてファンも踊る。

続いて歌うのは『じゃじゃ馬と呼ばないで』。松井さやかの力強い声が会場を引っ張る。寺田 葵の癒しの笑顔にドキッとさせられる。岡田夢以(めい)の白いワンピースが、これでもかというほどにひるがえる。強い夏ライブ感。生きた声がハッキリと耳に飛び込んでくる。左右に振る手のひらが夏を呼び込む。テンションが上がる!

アップテンポな二曲のあとは、せつない女の子の恋への期待と願いを歌ったふわふわ恋愛ソング『ときめけ☆アフタースクール!』。岡田夢以が胸キュンに歌うセリフ。その表現力にキュンキュンが止まらない。あ~! 恋愛シュミレーションゲームをやりたくなってきた!

そして最後は『WONDER WAVE!』。夏ぅ~なアゲ曲だ。この暑さを全部吹き飛ばしている。ビジュアルも歌唱力もレベルの高い転校少女*。彼女たちが突き抜けるのは、もう"すぐ"だ。その未来はどこまでも、そこにある。

●sora tob sakana[SMILE GARDEN]

転校少女*に続いてスマイルガーデンに登場したのは、sora tob sakana。メンバーの風間 玲 マライカが今年の5月に卒業し、3人体制となった彼女たち。いつものように「sora tob sakanaはじめます」というひと言からスタート。

一曲目は『夏の扉』。毎年、どんな猛暑でも彼女たちはすずやかで、青春をゆっくりと燃やしている。全力で踊っても歌ってもその世界は変わらないのだ。ナツノトビラが今年も眩しく開く。少女たちに夏は勝てない。

二曲目は『Summer plan』と、夏ソングを続けて披露した後は、3人体制になってからの初シングル。7月にリリースしたばかりの『ささやかな祝祭』へ。TVアニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅡ』のエンディングテーマにも使われているこの曲。弾ける音楽。笑顔の3人。冒険の酒場でのハッピーな宴のようなこの曲。

「乾杯をし~よ~お~」と、3人が向かい合って乾杯をするフリがあるのだが、思わずペットボトルのドリンクを前に出してしまう。曲の最後、「ラ~ララ~ララ~」と歌いながら手を左右に振ると、会場のファンもみな応える。

そして最後は、ピポパポと電子音。そう、彼女たち、彼女たちのファンにとって大切な曲『クラウチングスタート』だ。

いつも「あなた」の走っていく背中を追いかけていた。「私」は「あなた」に恋していた。こうして今、チャイムの音が響いているグラウンドから去っていく「あなた」に好きと言えなかった。でも「私」は新しい靴をはいて自分のゴールまで走るよ。今もあなたが胸の中にいるよ。

ノスタルジックな学生時代の恋の世界を歌うこの曲。でも今は、ずっと一緒にいて、背中を見守っていた友に贈っているように聞こえる。そして3人は言うのだ。「今、新しい靴をはいて、私は走るよ。自分たちのゴールまで」と。

決して、失われない彼女たちのイノセンス。今年もTIFに、かけがえのない世界を届けてくれた。

●たけやま3.5[SMILE GARDEN]

愛媛出身のガールズバンド。たけやま3.5。彼女たちには「脅威の顔面偏差値」というアグレッシヴなキャッチコピーが付いている。

週プレで、すでに二回表紙を飾っているドラムの脇田穂乃香。9頭身の民謡四国チャンピオンの武田雛歩(ひなほ)。ファンが「息しているだけで可愛い」と叫ぶ、ベースの星川遥香。170センチの高身長、クールビューティーのギター、濵邊咲良(はまべ・さくら)。たしかに信じられないくらいに全員が可愛い。

一曲目の『Live Alive』がスタートする。武田の繊細な声がスマイルガーデンに響く。日差しが武田の笑顔に差す。綺麗だ。他の3人を見る。みんな笑ってる。可愛い。

続く『Serenade』では、胸に手をあてて、せつなく歌う。「パンクロッカーになり~たくて!」のコール&レスポンスが楽しい『パンクロック』。では、会場と一体化する。そしてラストは新曲『恋空チャイム』で締め。

まさに「正しい青春がここにある!」と唸らされた青春バンド物語。この夏、さらに恋してしまう人続出なのは間違いない。

●アップアップガールズ(仮)[HOT STAGE]

TIF10周年の今年で8回目の出演となったアップアップガールズ(仮)。もはやホットステージの常連といえる彼女たちが、今年の1曲目に選んだのは『Lady→GO!』。8年を経て、少女から女性へ変化した彼女たちのことを歌うようなこの楽曲を、余裕の表情で踊る5人。古川小夏にいたっては、なんだかクセになりそうな流し目を見せている。貫禄たっぷりのパフォーマンスだ。

その後は、5人体制になってからのシングル『ヒート ビート アイランド』『愛愛ファイヤー!!』が続いていく。『愛愛ファイヤー!!』には両手でハートマークを作る振り付けがあるのだが、その瞬間はメンバー全員でファンを「もっとかわいくー!!!」と煽っていく。ノンストップのリズムだけでなく、ファンのかわいさにも食らいついていくアプガ。見る者を楽しませるのはお手の物だ。

後半戦は、『ジャンパー!』『アッパーレー』『アゲノミクス!!』という最強にハードなナンバーをノンストップで披露。全身を使って盛り上がるしか選択肢がない、アプガ感全開なラインナップでファンを汗だくにしたあと、ラストはファンとともに『私達(with friend)』を歌っていく。切なくなるハーモニカの音色、そこに重なる5人+2000人以上の歌声。エモい! エモいとしか言えないぞ、この気持ち!

広いホットステージを走り回りながら、全7曲を披露したアプガ。最後まで呼吸ひとつ乱さず、「以上! アップアップガールズ(仮)でした!!」というひと言を放って去っていった。うしろ姿まで、カッコよすぎる。

●フィロソフィーのダンス[HOT STAGE]

昨年のTIFに引き続き、今年もメインステージに現れた"フィロのス"。オープニングからいきなり代表曲『ダンス・ファウンダー』と『イッツ・マイ・ターン』という2曲を披露しつつ、「Zepp、踊ってますかー!」と何度もファンを煽っていく。ときには配信用のカメラにまで"レス"を送るという、昨年にはなかった動きも見られ、滑り出しから余裕を感じさせる。

彼女たちはさらに『バイタル・テンプテーション』『エポケー・チャンス』をシームレスに展開。どうやらここはファンに声を出させるパートらしい。4人それぞれが「イェイイェイ......」と歌えばファンも歌い返し、佐藤まりあの「ついてきて!」というひと言があれば、会場全体で「チャンス! チャンス!」の大合唱を轟かせる。「Zeppって、こんなに狭かったか?」と感じさせる一体感だ。

MCを挟んだ後半戦は、スウィング・ジャズテイストの新曲『ダンス・オア・ダンス』からスタート。右へ左へ移動しながら早口で歌ったり、日向ハルがキレイな側転を披露したり、奥津マリリが佐藤&十束おとはに持ち上げられて空中を移動したり......。

曲調も相まって、思わず「ディズニーのミュージカルか!?」とツッコみたくなる、胸が躍るパフォーマンスを見せつける。

新曲のタイトルどおり「踊るしかない」という空気にさせたあとは、「まだまだ踊れるか!?」と叫びながらキラーチューン『ライブ・ライフ』へ。

4人はここでも腰を入れたクラップを響かせ、さらなる一体感をファンに要求。「もうこれ以上ない!」と思わせるまで会場をひとつにし、名バラード『ジャスト・メモリーズ』でフィニッシュ。"どこまでも踊り続ける"という姿勢で引き込み、最後に日向ハルの美声を聴きこませるステージ運びは、「見事!」のひと言だった。

●AKB48 2029ラジオフレッシュ選抜[SMILE GARDEN]

AKB48の16期生にドラフト二期生、三期生という若手選抜の16名。まだまだ世間的に知られていないメンバーだが期待株がそろった。

一曲目『君のことが好きだから』は田口愛佳と稲垣香織。『真夏のSounds good』では前田彩佳。次々とフレッシュメンバーがセンターに立つ。

MCでは稲垣が「私たちフレッシュ選抜が、これからAKB48を引っ張っていけるように、まずはここSMILE GARDENで、TIFを盛り上げていきたいと思います! 今日は私たちと楽しい夏の思い出を作りましょう!」と元気よく挨拶。

夏らしさ全開の『さよならクロール』は樋渡結依(ひわたし・ゆい)と山邊歩夢(やまべ・あゆ)、『君だけにchu!chu!chu!』では千葉恵里(ちば・えりい)というドラフト二期生たちがセンターとして大活躍。

ラストは『ずっとずっと』、『少女たちよ』と、未来に向かう楽曲を披露。この中から次の選抜メンバーが誕生することを楽しみに待ちたい。

●アームレスリング大会Powered by TOWER RECORDS ザ・感謝祭[DOLL FACTORY]

「アイドル界で誰が一番腕相撲が強いのか? ここで決めたらええんや!」

もし前田日明がアイドル腕相撲界になにかしら関わっていたら、きっと言っていたに違いない。タワーレコード主催の名物企画「アイドル腕相撲大会」が今年もTIFにやってきた!

昨年は、「歴史上の人物」と呼んでも差し支えないほどに強かった"最強"元アイドリング!!!の酒井 瞳が敗れた。新王者となったのは、ハコイリ♡ムスメの我妻桃実。まさに歴史がそのとき動いた。号外が出てもおかしくないほどの騒ぎだった。

今回、新王者・我妻がハコイリ♡ムスメからの卒業(9月29日)を宣言しているので、現役王者を倒すならば今回しかないのである。我妻の首を取ろうと、数多くのアイドルたちが予選を勝ち抜いてきたのだった。

MCは吉田尚記(ニッポン放送のアナウンサー)と、歴史上の人物・酒井 瞳が務めた。予選会を勝ち上がったメンバーは3人。夏目みさき(chuLa)、関根ささら(放課後プリンセス)、高萩千夏(アップアップガールズ(2))。さらにシード選手として、森 咲樹(アップアップガールズ(仮))、我妻桃実という5人が登場する。

するとそこに「ちょっと待った~!!」と割って入ったのは、アイドルイベント『ギュウ農フェス』代表・ギュウゾウ氏だ。なにやら、「腕相撲は我々ギュウ農フェスもやっていた! ここは5vs5の対抗戦で勝負をつけようじゃないか!」とぶち上げた。

ギュウゾウ氏が「ギュウ農フェス選抜軍、出てこいや!」と、高田延彦よろしく叫ぶ。

すると、そこに『PRIDE・1』で、ヒクソン・グレイシーと戦うときにフードをまぶかにかぶって入場した高田延彦のように、5人の戦抜されたメンバーが、白いフードのダウンジャケットで登場。高田が呼んで、高田が5人出てくるという高等ギャグに、会場は静まり返った。

ギュウ農フェス選抜軍のメンバーは、大熊こころ(絶対直球!プレイボールズ)、けちょん(ゆるめるモ!)、楓フウカ(クマリデパート)、水森うずら(WILL-O')、水春(桜エビ~ず)の5人。

ここから、ギュウゾウ氏による長州力と大仁田 厚のやりとりコントや、各チームの全面対抗戦が始まるのだが、結果はギュウ農フェス軍のボロ負け。まったく歯が立たなかったので割愛する。もちろんギュウゾウ氏のプロレスギャグもウケてはいなかった。

茶番が終わったところで、いよいよ本番。アイドル腕相撲大会本戦がスタート。

さまざまなベストバウトがあり(省略)、準決勝に残ったのは、森 咲樹と夏目みさき。勝った方が、王者・我妻桃実と決勝を戦うのだ。

絶対に勝ちたかった森だったが、なんと夏目に瞬殺。あまりの瞬殺っぷりに、いつも負けてから1秒で泣く「森 咲樹・号泣劇場」もなし。

伏兵・夏目に会場中の期待が集まったが、結局決勝では我妻が一瞬で優勝。時代は動かなかった。さすが、大事な試合の前には腕相撲の道場で調整するという、すでにアイドルではないレベルにまで達している我妻。完全な横綱腕相撲だった。

「今年でハコムスは卒業するんですけど、来年も出ま~す」と王者継続を宣言した我妻は、真紅のベルトと米俵(ギュウ農フェスからの賞品)を抱えて勝利の雄叫び。まだまだ我妻一強時代は続きそうだ。

●kolme[DREAM STAGE]

夏の強い夕日が差し込むフジテレビ前に登場したのは、海外進出を視野に入れ、昨秋に"callme"から改名したkolme。彼女たちのステージは、ミディアムテンポな『Brand new days』、そして、ラブバラード『Hello No Buddy』といった2曲からスタート。

ゆったりとした曲調の2曲に、一音一音を確かめるようなパキッとしたダンスを合わせる3人。歳を重ねたことで、以前よりもさらにクールな印象を強めていた。

しかしMCになれば、穏やかな性格がにじみ出てくるkolme。この日も「撮影OKなので、かわいいのを厳選して(SNSに)上げていただけたら」「目つぶってるのとか、たまにあるからね(笑)」と喋り、会場に集まった人の笑いを誘う。

その後は再び"クールな3人"に戻り、『The liar』『Up all night』という2曲でステージを締めくくった。

作詞作曲、振り付けを自分たちで行ない続け、"楽曲派"としてのパフォーマンス力をますます高めていくkolme。途中、アイドルファンではなさそうな家族連れやカップルが足を止めてステージを眺める光景も見られたが、こんなふうに国外でも人の目にとまっていくのかもしれない。

●WHY@DOLL[DREAM STAGE]

7月、年末での活動終了を発表した"ほわどる"ことWHY@DOLL。2014年から毎年出演してきた彼女たちにとって、このドリームステージが最後のTIFでのステージとなる。

「初めてTIFに出演したとき、一番初めに立ったのがこのドリームステージだった」「感謝の気持ちを込めてライブをお届けします!」と話した彼女たちが1曲目に選んだのは、"東京で夢をつかむ女のコ"がテーマの『Tokyo Dancing』。TIFの会場であるお台場も歌詞に出てくるこの曲を、北海道出身のふたりが最後のTIFで歌っていく。

思わず泣きそうになるスタートだが、当の彼女たちは決して涙を流さない。メジャー一作目の『MAGIC MOTION No.5』、"ふたりなら大丈夫"という歌詞の『It's all right!!』。そして、TIFでも何度も歌ってきた『恋なのかな?』と、一瞬たりとも笑顔を絶やさず歌い踊っていく。

そして、「次が最後の曲です。皆さんで一緒に手を振ってください」とうながし、ラストは『ケ・セラ・セラ』へ。全力で手を振るステージ前のファン。気がつけば、その熱はドリームステージ最後方の、階段の上まで広がっていた。

TIF10周年の今年。アイドル戦国時代から戦ってきたグループが、またひとつお台場を去っていく。センチな気持ちにもなるが、最後の最後に素晴らしい光景を見せてくれた彼女たちにはこう伝えたい。本当に、今までありがとう!

●STU48[HOT STAGE]

今回のTIFでは、5つの"課外活動"ユニットが参加するなど、大活躍だったSTU48。メインのホットステージでは、このステージだけの選抜メンバー16人が登場。

キャプテンを務める岡田奈々はAKB48のコンサートのために欠席となったが、その代わりに榊 美優がフロントポジションに入り、層の厚さを見せる。

1曲目は『夢力』。瀧野由美子の「はい、せーの!」の煽りでテンションを上げるファン。続いて『出航』『ペダルと車輪と来た道と』とオリジナル楽曲で畳み込んで、会場のボルテージを上げていく。全員の自己紹介が終わったあとは『ポニーテールとシュシュ』、『真夏のSounds good!』とAKB48の夏ソング。ラスト、滝野が「瀬戸内の風、届いてますかー?」と叫んで、最後の曲へ進もうとしたところ、突然スクリーンに岡田奈々が登場。

「ドラフト三期研究生。沖 侑果(おき・ゆうか)、信濃宙花(しなの・そらは)を正規メンバーに昇格といたします!」とサプライズ発表。このステージに出れなかった信濃もジャージ姿で現れ「置いてけぼりな感じがして悔しかったんですけど、正規メンバーになれてうれしかったです」と涙ながらに話した。

公演の拠点となる劇場専用船が完成し、さらに二期生の募集もスタート。3年目のSTU48はさらなる飛躍を見せてくれそうだ。

●日向坂46[SMILE GARDEN]

2日目のSMILE GARDENでトリを務めたのは、今年、"けやき坂46"から改名を行なった日向坂46。日没後の湾岸スタジオ広場には、彼女たちの登場前からあふれんばかりのアイドルファンが詰め寄り、いたるところで"空色"のサイリウムが輝いていた。

集まった超満員の観客達が『Overture』に合わせて「46コール」を行なう中、ステージに現れた彼女たち。センター・小坂菜緒の指揮棒を振るような動作を皮切りに、最新シングル『ドレミソラシド』からパフォーマンスをスタートさせる。17人全員で前方へステップを踏むサビは、まさに"カワイイの大行進"といったところ。

続く『キツネ』では、ほかのグループのタオルを首から下げた一見さんも声を荒げて「キツネ! キツネ!」と大コール。今日の日向坂46......はっきり言って、初っ端から無敵だ。

松田好花(このか)が「今日イチの盛り上がりにしたい」と宣言したMCのあとは、メンバーそれぞれがカラフルな衣装をまとったMVが印象的な『JOYFUL LOVE』。この曲が流れだすと、ファンも機転を利かせてサイリウムを自由な色へと変える。スローな曲調に合わせて、ゆっくりとステージへ送られる光の束。ステージからの眺めを想像して、思わず鳥肌が立ってしまう。

そんなハッピーな光景に見とれていると、キャプテン・佐々木久美が「皆さんもっと声出せますよね!? あの掛け声、いけますよね!?」とシャウト。いよいよクライマックス、彼女たちのデビューシングル『キュン』だ。集まった人間全員に、声が枯れるまで「キュンキュンキュン!」と叫ばせる日向坂46。はっきり言って無敵だ(2回目)。

そしてラストは『No WAR in the future』。ステージで何度も飛び跳ねる17人を見ていると、SMILE GARDENの「ジャンプ禁止」というルールが心底惜しくなる。ただ、そのフラストレーションは、自分の右手に集約させて突き上げればいい。明らかに"今年の主役"とも呼べる彼女たちは、多くのアイドルファンを沸かせてステージをあとにした。

◆【後編】⇒世界最大のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESITIVAL 2019」レポ アイドルのみなさん、愛してま~す!