ウィル・スミスが17日、都内で行なわれた「『ジェミニマン』ジャパンプレミア」に、アン・リー監督、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー、そして吹き替え版の声優を務めた菅野美穂江原正士山寺宏一らと登場。集まった熱狂的なファンにサービス精神あふれる対応を見せた。

『ジェミニマン』は、引退を決意した伝説のスナイパー、ヘンリーが23歳の自身のクローンと戦うアクション作。つまりウィル・スミス本人が若きウィル・スミスとバトルをする、前代未聞の近未来エンターテインメントだ。

イベントでは、屋外の会場に青とオレンジの2色に彩られた"VSカーペット"が敷かれ、登壇者らがひとりずつ登場。それぞれ報道陣のインタビューの合間に、集まったファンにサインを書いたり、写真を撮るなど、さまざまなファンサービスも。数10mほどの道のりにもかかわらず、ウィル・スミスは50分ほどかけ、ファンの期待に応えていた。

撮影中、23歳の自分を「ジュニア」と呼んでいたウィル・スミスだが、「年とともに経験をいろいろ積んで、知識も得ているので、それが体の中に蓄積されて細胞や目に現れるんです。だから、ジュニアを演じるに当たって彼のナイーブさ、純粋さ、無邪気さを出すのが一番大変でした」と、これまでにない演技の難しさを告白。

そして、ウィル・スミスから「映画に革命を起こした」と絶賛されたアン・リー監督は、「ウィルの非常に心のこもった演技と、500人ものアーティストが2年がかりで作った技術を投じた結果がジュニアを生み出しました」と、満足そうだった。

今年5月にも、主演を務めた『アラジン』のプロモーションで日本を訪れていたウィル・スミス。続いての舞台挨拶でも「ミナサン、コンバンハ!(日本が)毎回毎回楽しくなっていく」とご機嫌な様子で、常に観客に手を振ったり、手でハートマークを作ってみせるなど楽しげ。

アン・リー監督に「コメントはもっと短い方がいいね」とツッコみを入れたり、途中から合流した声優陣の3人に立ち位置を指導するなど、他の登壇者を巻き込み、絶え間なく笑いを生んでいた。

そして、菅野から「自分自身との共演」について聞かれると、「本当に奇妙な感じだった。(撮影開始から)8カ月後に僕が初めてジュニアを見たときはショックだったんだ。とにかく素晴らしい体験だった。......ちょっと、長かった?(笑)」と、ジョークを交え会場を楽しませていた。

終始ユーモラスな姿を見せていたウィル・スミスだが、司会者から「吹き替え版は観たことはあるか」という質問に「観ているよ。そういう手があったか!とか、僕もあんなふうに言えばよかったとか、いろんな表現を発見できる」と、これまでウィル・スミスを担当してきた江原、山寺のふたりに尊敬の意を表した。

映画『ジェミニマン』は、10月25日(金)より全国公開。