サンボマスターの・山口隆氏(左)の映画体験を角田陽一郎氏がひもとく!

『さんまのスーパーからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』など、数多くの人気番組を手がけてきたバラエティプロデューサー角田陽一郎氏が聞き手となり、著名人の映画体験をひもとく『角田陽一郎のMoving Movies~その映画が人生を動かす~』。

前回に引き続き、サンボマスターの山口隆さんが登場。来年1月に開催を予定する横アリライブについて聞きました!

* * *

――思春期に印象に残った映像作品はありますか?

山口 いっぱいありますよ。邦画だと、監督が市川崑(こん)さん、主演が萩原健一さんの『股旅』(1973年)は衝撃でした。ほかにも『男はつらいよ』シリーズも好きだし、井筒和幸監督の『ガキ帝国』(1981年)や大島渚監督の『新宿泥棒日記』(1969年)、あとは『社長シリーズ』もすごく好きでしたね。

洋画だと、ダスティン・ホフマンさんの作品を好きになることが多くて。特に『真夜中のカーボーイ』(1969年)とか。この作品のジョン・ヴォイトさん、『ふぞろいの林檎たち』シリーズの中井貴一さんは、すごい青春な感じがありましたよねえ。あとは『三十四丁目の奇蹟』(1948年)とかも好きです。

――最近の作品はいかがですか?

山口 北野武監督の作品はどれも大好きですけど、最近の作品も最高です。『アウトレイジ』シリーズもそうだし、『龍三と七人の子分たち』(2015年)も大好き。北野映画は自分に電流を浴びせ続けてくれる存在だと思っているんです。『監督ばんざい!』(2007年)の映画の応援歌として僕らの音楽を起用していただいたときはうれしかったなあ。

――ところで、「映画に影響を受けて作った曲」ってあるんですか?

山口 答えるのが難しい問いかけですね......。言葉にできないモノを映画からいっぱい受けているのは間違いないけど、僕は音楽を書けるときにザーッと書くというスタイルで。

――頭で考えすぎず、あふれ出るモノを大事にすると言いますか。

山口 この間、メンバーの近藤(洋一)くんに聞いたんですけど、新曲を初めて聴かせるとき、僕は歌う前に15分くらい思いの丈を語るらしいんですよね。「今、世界のこの地域ではこんな音楽が出てきていて~」「だから自分は~」みたいに。

――それは面白い。アツいですね。

山口 メンバーふたりとしては「説明はいいから早く聴かせてくれ!」って感じなんでしょうけど(笑)。

あと、放っておくと僕は曲を引っ込めちゃうらしいんですね。例えば、『ラブソング』という曲があるんですけど、一度途中で引っ込めようとしたんです。でも、それもメンバーがこの曲やろうよって言ってくれたから世に出せた。きっと僕は「社会に出すぞ」ってそこまで強く思って表現活動をやってないんですよ。

――サンボマスターはこの3人だからこそ、名曲がたくさん生まれてるってことじゃないですか。

山口 ふたりが「その曲は完成させようよ」って言ってくれないと、引っ込めちゃうわけですからね。社会とのつながりをふたりがつくってくれている感じで本当にありがたいです。

――さて、そんなサンボマスターは来年1月9日に横浜アリーナ公演を開催予定です。

山口 コロナのこともありますので、来てくださる方々の安全を考えて、ガイドラインに沿った上で、配信もする予定です。いつもと違うカタチだからこそ、そんな環境でどうやっていいライブにするかを考えています。状況によって言葉も変わるでしょうし。でも、自分たちがその時代にできる一番美しいことをやれたらいいなと思います。

●山口隆(やまぐち・たかし)
1976年生まれ、福島県出身。ロックバンド「サンボマスター」の唄とギター担当。代表曲は『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』『できっこないを やらなくちゃ』など

■横浜アリーナライブ2021年1月9日(土)に開催決定!!
タイトル:ラブ フロム サンボマスター at 横浜
開場:15:00 開演:17:00
チケット(一般)発売日:2020年10月31日(土)
お問い合わせ:HOT STUFF TEL03-5720-9999

【★『角田陽一郎のMoving Movies』は毎週水曜日配信!★】