ストップしていた劇場作品も続々と公開され、この秋の映画は大豊作! そんなキャストの中から、さらなる活躍が期待される10代の実力派女優たちを撮り下ろし。映画の撮影秘話や女優への思い、プライベートの話までを聞いた。

今回は、9月25日(金)より絶賛公開中の映画『映像研には手を出すな!』で百目鬼(どうめき)役を演じる桜田ひよりちゃん。映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』や『東京喰種トーキョーグール』など話題作に多数出演し、テレビ朝日開局60周年記念ドラマ『24 JAPAN』(テレビ朝日系)では主人公の娘役に抜擢されている。ファッション誌『Seventeen』の専属モデルでもあり、世代を超えて注目される若手女優のひとりだ!

――今年に入ってアニメやドラマ版が放送され、ようやく公開される劇場版『映像研には手を出すな!』。英勉(はなぶさつとむ)監督作で、乃木坂46のメンバーが主演を務めるなど話題が尽きない作品です!

桜田 原作の漫画を読ませていただいたとき、実写でどうやって映像化するのかが全く想像つかなかったんです。「このシーンは一体どうなるんだろう!?」って撮影前からワクワクしてました。

――高校生たちがアニメ制作をする過程が独特な世界観で描かれ、実写化は難しいんじゃないか!とも言われていましたもんね。

桜田 CGのシーンは、演技も難しかったです。「ここにこれがあります。これくらいの高さでこう動いて最後にバチバチになります」みたいな説明は受けるんですけど、撮影中は実際に物体が置いてあるわけではないので、想像力を豊かにして、物体の動きに対して目の動きを合わせるのに苦労しました。

――演じた役は、音響部の百目鬼役。おかしなキャラが揃う中でもズバ抜けて個性的で、金髪に地黒という別人のような見た目にもビックリしました。

桜田 百目鬼ちゃんになるまでが大変でした! キャラクターの設定に合わせて顔や手足にドーランを塗るんですけど、髪色との調整がすごく難しくて。カツラは1回しか作れなかったので、カケみたいな感じでした。しかもパーカーの中に着ているワイシャツが白なので、ドーランがつかないようにティッシュを挟んでいて(笑)。

――ドーランを落とすのも大変そうですね。実際に演じてみて、百目鬼はどんなコだと思いました?

桜田 自分の世界を持ってます。だからと言って人を嫌うわけでもなく、自分のテリトリーに入ってきたら関わるような。集中力がすごいですし、ひとつのことに一生懸命になれる百目鬼ちゃんはかっこいいなぁって憧れます。私は集中力が持たないというか、気づいたらボーッとしてるので(笑)。

――変わり者っぽい感じがよく出ていましたけど、内面的な役作りも?

桜田 英監督が「自由にやっていいよ」っておっしゃってくださって。中性的な感じがいいよねってことで歩き方や喋り方、仕草とか、男のコっぽくも女のコっぽくもない曖昧な感じでやってました。座り方もぴったり足を閉じず、開きすぎない中間ぐらいを意識して。

――そんなところまで! ストーリー展開の勢いもすごいですよね。

桜田 私も試写を見て、主演の3人に振り回されてるなぁって思いました(笑)。撮影中は、他のキャストの方々とは1回しか会ってないんですよ。でも、音響だけに熱意を注ぐキャラなのでその距離感がよかったです。ドラマと映画を並行して撮っていたので、主演の乃木坂46のみなさんは本当に多忙でした! セリフもカット数も莫大な量ですし、乃木坂46のアイドルとしての活動もあったのに現場も引っ張ってくださいました。

齋藤飛鳥さんは集中力がすごくて、隣にいると「自分もちゃんとしよう」って思えるような"座長"に相応しい方でした。美月ちゃん(山下美月)とは共演したことがあったので、久しぶりにお話をさせていただいてうれしかったです。それと実は私、梅澤美波さんがすごいタイプで(笑)。恥ずかしくてご本人には伝えてないですけど、写真集も買おうと思ってます!

――大ファンじゃないですか(笑)。ところで、外出自粛で撮影ができない時期もあったと思いますが、おうちでの過ごし方は?

桜田 自粛期間中からギターを始めたので、練習してます。リコーダーすらままならないくらい楽器が苦手だったんですけど、友達からの「一緒に弾こう!」って押しに負けてギターを買いました。

家入レオさんの『サブリナ』とか、きのこ帝国さんの『クロノスタシス』を頑張って弾いてますね。でも、人前ではまだまだ弾けないです! 緊張して「ううぅ~」ってなります(笑)。

――自粛期間が完全に終わったら何をやりましょうか。

桜田 ディズニーに行きたいです! 制服ディズニーをやってみたいんですけど、高校生活もあと少しなので......。卒業するまでに行けたらいいですね!

――そういう夢の国みたいな世界が似合いそうですよね。特徴的な美しさというか、お姫様みたいな一段上にいるような雰囲気があって。

桜田 浮いてます!? ドラえもんみたいな感じってことですか?(笑)私って本当に普通だなぁと思って生きているので、どこに特徴があるのかもよくわかんないんですよね。

――目がキレイで特徴的じゃないですか。しかも相手のことをジーっと見つめません?

桜田 見ちゃいますね(笑)。それこそ、三白眼のせいなのか緊張してるときとかに初対面の方から「お腹空いてるの? 疲れてない?」って心配されるんですよ。学校でも授業中にノートをとってたら、廊下を歩いてる先生と目が合って。そのまま通り過ぎたのに戻ってきて、わざわざ私の机まで来て「体調悪い? 大丈夫?」って言われたこともありました(笑)。

――人を動かす目力ですね! 今後やってみたい役はありますか?

桜田 高校3年生なので、現役ギリギリまで高校生の役を演じたいです。卒業してから制服を着るのは恥ずかしさもあるのと、今しか出せない高校生らしさがあると思うんです。ひとつの枠に囚われず、かわいらしい役や怖い役、いろいろな役に挑戦したいです。作品のために生きられるような女優さんに今後なっていけたらと思います。

(スタイリング/福田春美 ヘア&メイク/菅井彩佳(NICOLASHKA))

●桜田ひより(さくらだ・ひより)
2002年12月19日生まれ、千葉県出身。14年のドラマ『明日、ママがいない』で注目され、話題作にも多数出演。10月7日スタート ドラマホリック『メンズ校』(テレビ東京系)では主人公に影響を与える謎の美少女を演じ、10月9日放送スタートのテレビ朝日開局60周年記念ドラマ『24 JAPAN』(テレビ朝日系)では主人公の娘役に抜擢され、10月19日より配信スタートのドラマ『言の葉』(FOD)に出演。その他、公開中の映画『妖怪人間ベラ』、10月16日より全国公開の映画『鬼ガール!!』にも出演。『桜田ひより 2021年カレンダーブック』(東京ニュース通信社)は10月30日発売!
公式Twitter【@Hiyori_Staff】
公式Instagram【@hiyori_sakurada_official】

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