3日、「仮面ライダー生誕50周年企画発表会見」が都内で行なわれ、アニメ『風都探偵』、『仮面ライダーBLACK SUN』、映画『シン・仮面ライダー』の製作が発表された。

1971年に放送され、これまで32のシリーズを重ねてきた『仮面ライダー』。今回の発表会は、50年前の4月3日(土)19時30分に放送が始まったことにちなんで、同日同時刻からスタート。

最初に壇上へ上がった東映の手塚治代表取締役社長は、50年の感謝とともにこの50周年を機に「これから新たなる時代に向けて、新たなる仮面ライダーの魅力を発信」することを宣言。「ショッカー風で悪い言い方ですけど、本当に人類みな等しく仮面ライダーをさらに楽しんでいただきたい」と意気込みを明かした。

この日は午前中から、アニメ『風都探偵』、『仮面ライダーBLACK SUN』の制作が発表され、ファンを喜ばせていたが、イベントではその詳細や監督からのコメントを発表。

『風都探偵』は『仮面ライダーW』の正統続編に位置づけられ、2017年から連載が始まったマンガ作品。連続アニメ化はシリーズ初の試みだ。

マンガ作品について「石ノ森章太郎先生の原点でもある漫画という形にメディアを移して続きをやったわけですが、漫画にしていろんな発見だったり進化というものがあった」と説明した塚田英明テレビ企画制作部長は、今回の挑戦にも「あたらしい発見と進化を実現させたいと思います」とその熱意を語った。

もうひとつの『仮面ライダーBLACK SUN』は1987年に放送された『仮面ライダーBLACK』のリブート作品。『仮面ライダーBLACK』は石ノ森が手がけた最後の作品であり、「のちの平成ライダーシリーズにつながる、方向性を決定づけた金字塔」(吉村文雄取締役)。

今作を手がけるのは、ブルーリボン賞や日本アカデミー賞など数々の映画賞を手にした白石和彌監督。披露されたコメントでは「とんでもないプロジェクトに身震いしています」とプレッシャーを吐露したが、「歴史の重さに押しつぶされないように才能の全てを注ぎ込みます。日本のヒーロー史に新たな爪痕を残せるように頑張ります。ご期待ください!」と意気込んだ。

最後に「超特報!」として発表されたのは映画『シン・仮面ライダー』。脚本、監督を務めるのは庵野秀明氏であり、『シン・ゴジラ』以来の実写作品。

制作の始まりは、庵野監督が『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』で関係を築いた東映スタッフに渡した6年前の企画メモ。「仮面ライダーという等身大ヒーローに憧れ熱中」した庵野監督は、「テレビ番組から受けた多大な恩恵を、50年後に映画作品という形で少しでも恩返ししたいという想いから」考案。

「子供の頃から続いている大人の夢を叶える作品を、大人になっても心に遺る子供の夢を描く作品を、石ノ森章太郎先生と東映生田スタジオが描いていたエポックメイキングな仮面の世界を現代に置き換えた作品を、そして、オリジナル映像を知らなくても楽しめるエンターテインメント作品を、目指し、頑張ります」と思いの丈を明かした。

そして庵野監督の『シン・仮面ライダー』に石ノ森の息子であり、石森プロの代表取締役社長を務める小野寺章氏は、「最新でありながら同時にこの原点でもあるという作品です。このふたつが50年と言う節目の年にもう一度混ざり合う。それはもちろん、父にとっても非常にうれしいことだろうと思います」とコメント。

また、初代の『仮面ライダー』を基にした完全新作ということで、白倉伸一郎取締役も「撮影はこれからでございますが、どのような作品になるのか、私自身、好奇心のエンジンがぶるんぶるんです。......失笑はやめてください。多いにご期待いただければと思います」と『機界戦隊ゼンカイジャー』のゼンカイブルーンのセリフを引用し、その興奮を伝えた。

『仮面ライダーBLACK SUN』は2022年春、アニメ『風都探偵』は22年夏、映画『シン・仮面ライダー』は23年3月に公開予定。