高畑充希大久保佳代子タナダユキ監督が18日、都内で行なわれた映画『浜の朝日の嘘つきどもと』の完成報告イベントに登場。撮影では高畑が大久保に意外なアドバイスを送っていたと明かした。

映画は、高畑演じる茂木莉子(もぎ・りこ)が高校時代の恩師・田中茉莉子(たなか・まりこ、演:大久保)から映画館の再建を頼まれ、奮闘するストーリー。舞台となったのは、福島県相馬市に実在する映画館「朝日座」。福島中央テレビ開局50周年記念作品として昨年10月にドラマが放送されたが、その前日譚となっている。


タナダの作品が大好きという高畑は「お会いしてみたい方で、呼んでいただけて『やった!』という気持ちでした」と笑顔。「流れやキャラクターがいきいき、台本から飛び出てくるような気がした」と脚本に感動したそう。

しかし、昨年の緊急事態宣言明けに撮影が始まり、「ステイホームが終わって最初のお仕事で。明日どうなるかわからない状況で自分の考えも変わった時期なのでと、キャラクターとリンクして、その時の自分の肌にピタッとくるような台本だったと思います」と作品を振り返った。

そして、自身が演じた莉子については、学生時代と社会人で性格が変貌することに「人ってどうしたらこんなに変わるんだろう」と驚いたそう。タナダ監督から「学生時代は沈んでいたけど、恩師をきっかけに本来の莉子に戻った」と説明されると「茉莉子先生の影響を受けて、より口が悪くなった」と大久保を見ながら笑った。


一方、大久保は「セリフがめっちゃ多いというプレッシャー」が第一印象だったそう。「年々記憶が入れたら出ていくサイクルになっているので、これ覚えられるかなと不安」だったと語ると、「(監督に)『どこからイラストに変わりますか?』って何度も聞こうと思った」と告白。

さらに高畑には実際に「女優の大先輩として、『覚えなくていいパターンってあるんじゃないか?』と探った」そう。相談された高畑が「『覚えなくていいパターンもあるかも知れないですね』とか。でも『最悪(台本を)置いて読んじゃえば』みたいな......全然、何のアドバイスにもなっていないですけど(笑)」と答えたことに、「すっごく良いアドバイスをもらいました。カンニングしろって言われました」と明かし、会場を笑わせた。

イベントの最後には、映画にちなんで映画館の思い出を聞かれる場面も。高畑は今月20日に「アップリンク渋谷」が閉館することに触れ、「アップリンクが好きで、寝落ちしちゃう瞬間が好きで、ソファみたいな椅子で淡々とした映画を観ながら寝落ちするのが至福だったので、かなり寂しいです。下の喫茶店でご飯食べたりもしてました」と振り返った。

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は福島県で8月27日(金)から先行公開、9月10日(金)に全国公開される。