2021年の学生R-1決勝戦後の写真。天川さんの学年の大学芸会メンバーが中心となって運営が行なわれた大会

個人戦、学生R-1、NOROSHI。大学生芸人たちの目標となる大会を運営するのが大学芸会という学生組織だ。300組以上が出場する大会をどのように仕切っているのか。コロナ禍における苦労は? 第1回目に続き、代表の天川 妙さんに聞いた。(全3回/第2回目)

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■夏の大会出場枠は1、2分で埋まる!

――「大学芸会」は、どんな規模の組織ですか?

天川 新1年生がまだ入っていないので、今は2年生から4年生までの25名です。大学芸会は20以上の大学お笑いサークルが加盟する「お笑いサークル連盟」の運営組織に位置づけられているのですが、加盟する各サークルのスタッフ担当から、有志が集まっています。

――組織が発足した理由は、お金の問題だったとか。

天川 ハッキリしたことはわかりませんが、そのように聞いています。外部の方に運営を任せるほうがスムーズに進行できるけど、外注の費用を学生芸人の参加費に上乗せしなければならず、結果的に参加費が高くなり、誰もが出場できる大会ではなかったので。

――自分たちだけで大会の運営をすべてやるとなると大変ですよね。なぜ入ろうと思ったんですか?

天川 1年のときにスタッフ希望でお笑いサークルに入って、夏の個人戦で運営スタッフの先輩の姿を見て、こんな大きなイベントを学生だけでやるなんてすごいなと。学内だけでやるライブより、もっと大きなイベントに関わってみたくて。

昨夏の個人戦決勝は、東京・なかのZERO小ホールで開催(座席数507)。会場を押さえるのも大切な仕事だ

――今後1年生が何人か加わると思いますが、今の人数だといろいろ大変では?

天川 そうですね。ライブの流れは先輩たちが作り上げてきたノウハウがあるのでなんとかなりますが、密にならない人の流れを考えるなど、コロナ対策を考えるのは大変です。例年は448組がエントリーできますが、去年は出場者を何組にするかでけっこう話し合い、結局336組に絞りました。

――普段は448組も出ているのですか?

天川 はい。毎年7月ぐらいに出場希望のエントリーをネットで受け付けるのですが、1、2分で枠が埋まってしまうほど応募が殺到します。

――大会を制するためには、ネタはもちろん、運の要素も必要となってくると。

天川 受付当日は通信環境のいい所でスタンバイされる方も多いようです。

昨年の個人戦の優勝はリバイアサン(法政大学)。メンバーの佐伯さんは別コンビでNOROSHI、学生R-1でも優勝し、三大大会を完全制覇

――夏の大会のほかにも、学生R-1、NOROSHIと、大きな大会があります。

天川 R-1は比較的規模が小さいので夏の大会ほどではないのですが、NOROSHIはルミネtheよしもとで決勝戦を行なうなど、注目度も上がっている大会なので、夏の大会以上に確認作業が大変ですし、取材依頼も多くて、緊張感が高いですね。

――大学芸会の仕事で学生生活に支障は出ませんか?

天川 個人戦が8月なので、お盆に実家に帰ることができませんが、単位はほとんど取っているので学生生活に支障はなかったです。

――就職活動のほうはいかがでしょうか?

天川 ......(苦笑)。まずは夏の個人戦のスムーズな運営、頑張ります!