初代『ウルトラマン』(1966~1967)の放送以降、国民的な人気を誇るウルトラマンシリーズ。その最新作『ウルトラマンデッカー』が話題だ。8月8日に発売された「週刊プレイボーイ」34・35合併号では「ウルトラマンヒロイン大集合!」と題し、歴代のウルトラマン美女たちが登場した。最新水着グラビアだけでなくインタビューなども収録し、それぞれがシリーズへの愛を披露してくれている。

その特集より、歴代ヒロイン4名のインタビューを、4日間連続で週プレNEWSにて再掲載。その第一回目は『ウルトラマンデッカー』(2022年~)でカイザキ サワ役を演じる宮澤佐江さんが登場。カイザキサワは、対怪獣のエキスパート部隊「GUTS-SELECT」副隊長。生物学の博士号を持つ怪獣の権威であり、時には厳しい言葉で新人隊員を指導するしっかり者で、良きお姉さん的な存在だ。作品について、出演時の心境、そしてウルトラマンシリーズの魅力を語る。

宮澤佐江さんが演じるカイザキ サワ

──2012年の映画『ウルトラマンサーガ』に続き、現在放送中の『ウルトラマンデッカー』に同じサワという名前の役で出演しています。『デッカー』への出演が決まった際、『サーガ』を見返したりもしましたか?

宮澤 今回の出演に関係なく、ガチで20回以上は見ています(笑)。というのも、4歳の甥っ子がいて、その子が我が家に遊びに来ると必ず見るんですよ。だからなんですけど(笑)。それと、うちには兄が2人いるんですけど、2人ともウルトラマンが好きだったので、フィギュアが100体以上あったんです。なので、昔も今も、ウルトラマンが割と身近にあるんですよ。

──そんな宮澤さんですが、怪獣と戦うエキスパートチーム「GUTS-SELECT」の副隊長として、『デッカー』への出演が決まった時の心境は?

宮澤 もちろんうれしくて、喜びは大きかったですね。でも、それ以上に驚きがありました。過去に出演した人がまた同じシリーズに出演できるという認識が、私の中にはまったくなかったんです。それで、「私は過去作に出ていますけど、大丈夫ですか?」って(笑)。

──そうなんですね(笑)。過去に例はありますけど、宮澤さんはその例を知らなかったゆえに。ただ、役名が一緒なのは珍しいと思います。

宮澤 役名がサワだから私に声をかけてみようと思ってくださったのか、それとも私に決まったからサワという名前にしたのか。どちらにせよ、同じ役名だったのは私としてはうれしかったですね。過去のサワと今のサワが、繋がっているのか、いないのか。その辺りも、放送を見て確認してもらえればと思います。

──過去の役柄と現在演じている役柄が同じ名前であることによって、宮澤さん自身の過去と現在も繋がっている実感が自分の中で生まれたりもするものですか?

宮澤 そうですね。そういう感覚があります。同じ役名ですけど、前回はいち隊員で、今回は副隊長。もうそんな役をやる年齢になったのかって、感慨深いですよね。私、10代からずっとアイドルをやってきて、プライベートの友だちもメンバーだった子たちなので、気持ち的に20代の中盤ぐらいで止まっている感覚があるんですよね(笑)。でも、今回の作品はメインの3名は年下の俳優さん。10年ぶりにウルトラマンシリーズに出演させていただいて、しかも10年前と同じ名前の役柄を演じさせてもらうことで、自分のキャリアや年齢をあらためて実感する機会にもなっています。

──自分より年下のキャスト陣に刺激を受ける部分も大きいですか?

宮澤 刺激もそうですし、こんなに人の成長を間近で感じたのは、今まで初めてかもしれません。アイドル時代も周りのメンバーは日々成長しているんですけど、年も近いし、私も周りを見る余裕なんてないし、何より一緒にいる時間が毎日長過ぎて、ちょっとやそっとの変化に気づきづらかったんです。でも、今回の現場では私自身も周りを見る余裕が少しできて。その上で撮影を見ていると、松本大輝くん(アスミ カナタ役)、村山優香ちゃん(キリノ イチカ役)、大地伸永くん(リュウモン ソウマ役)の成長のスピードが本当にすごくて。モニターで3人の演技を見ていると、思わず涙が流れてきたりもします。3人は、ありのままの自分で無我夢中に演じているんですけど、それがどんどん演じているキャラクターの"自分らしさ"になっていっているんです。そのみずみずしい姿を見ていると、私もいくつになっても絶対に初心を忘れてはいけないと、心から思います。

──その一方で、先輩俳優の方たちから受け取るものも大きいのでは?

宮澤 大きいですね。小柳友さん(アサカゲ ユウイチロウ役)や黄川田雅哉さん(ムラホシ タイジ役)のお芝居を間近で見て、セリフの強弱や目配せの仕方やタイミング、その意味などを学びました。今回の『デッカー』のように、どの年代の役者さんからも刺激をもらえるのは、あらためてお芝居の魅力的なところだなと思いました。ゴールがないし、正解ももちろんないし、だから続けられるし、楽しいと思えるんだろうし。それと、結局は人と人って心が通じ合っていないと素敵なものって作れないなって、今回のキャストさんやスタッフさんとの関係性の中で再認識しています。

──『ウルトラマンサーガ』に出演した10年前は、AKB48に在籍していました。

宮澤 10年前も一緒だった2人の制作スタッフさんに同じことを言われたんですけど、『休憩時間になると、みんなすぐ寝てたよね』って(笑)。当時、同じAKBのメンバーも一緒に出演していたんですけど、確かにグループでの活動が超多忙で、みんなほとんど寝ていなかったんですよね。だから、休憩時間になると「イェー!」って喜んで、そのまますぐ寝るっていう感じでした(笑)。だから、空き時間の記憶とかは、ほぼないんですよね。

──今、10年前のスタッフの方たちと再会した話がありましたが、それもまた感慨深いんじゃないでしょうか?

宮澤 もちろんです。私は、2018年から2019年にかけて、復帰を決めずに芸能活動を休止していた時期がありました。それを考えると、今こうして芸能の世界に戻ってきたからこそ、今回のように10年前の制作スタッフさんとの再会ができた。これが人と人との縁なんだなと思えて、本当に感慨深いです。

──最後に、宮澤さんが感じているウルトラマンシリーズの魅力を教えてください。

宮澤 みなさんの中に、ウルトラマンという存在への共感があるんじゃないかと思います。それは、私自身が今回の『デッカー』に出演したことで感じたことでもあります。ウルトラマンは、人のため、地球のために戦うスーパーヒーローで、戦うのは決して自分のためではないじゃないですか。その生き方は、私自身がアイドル時代に大事にしていた姿勢とすごく通じる部分があるんです。

──アイドルの女の子たちはよく、「誰かを笑顔をするために」と言います。

宮澤 そうなんですよね。私がアイドルだった時も、本気でそう思って活動していました。自分よりも、人のためにって。でも、私ももう30歳を超えたし、自分のことを考えなきゃいけないな、と。人のために生きることで自分の首を絞めていたこともあったし、これからは人のためじゃなくて、自分のために生きてもいいんじゃないかって思ったんです。

──そう思っても、何もおかしくないと思います。

宮澤 だけど、今回『デッカー』に出演させていただくことで、やっぱり人のために何かするってすっごく大きな愛だし、簡単なことじゃなかったんだなって感じました。同時に、それができていたと自負できる過去の自分に、ちゃんと愛を持ってあげなきゃいけないなとも思いました。その上で、自分のために生きることは大事だけど、人のために生きることも素晴らしいし、大切なんだと。『デッカー』を通してそう再確認させていただいているし、そんなウルトラマンという存在に共感しています。視聴者の方たちも、そういったウルトラマンの生き方に共感するからこそ、ウルトラマンシリーズは長く愛されているんじゃないでしょうか。

(©円谷プロ ©ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京)

●宮澤佐江(みやざわ・さえ)
1990年8月13日生まれ 東京都出身 身長165cm 
◯AKB48などでアイドルとして活動後、現在は女優として 活躍中。ウルトラマンシリーズは映画『ウルトラマンサーカ゛』(2012年)に出演し、今回が2度目となる