あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。

【今週のお悩み・第20回】競馬を昨年末より嗜むようになりまして、今ではじゃいさんのニコニコ会員になって予想の参考にさせていただいたり、予想家さんの予想を踏まえて、自分で予想をしながら楽しませてもらってます。また『馬券の教科書』も買って大切に読んでおります。

今回質問させていただきたいのは、競馬を予想する上で今まで自分が打った印の記録はしといたほうがよいのか、ということです。

私自身、前回レースの結果や、どんな走りをしてたか、今回の馬場の状態等を見て予想に取り込んでいます。前回は自分がどんな予想をしたのか、振り返りったほうがいいのでしょうか。前回の反省を活かす、というのはありなのでしょうか。ご意見お聞かせください。よろしくお願いいたします。(職業・年齢非公表・男性)

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ニコニコ会員登録、また「馬券の教科書」を購入していただき、誠にありがとうございます。今回の質問は「過去の自分の予想は記録しておいた方がいいのか?」とのことですね。

自分は競馬を覚えてから30年以上が経ちます。年齢的な衰えもあり、20代の頃は馬名を言われれば「その馬がどんな馬なのか?」「どんなレースをしてきたか?」をすべてソラで答えられるレベルで記憶しておりましたが、今や記憶力の低下を目の当たりにして、コントレイルという馬名すらスッと出てこなかったりする有り様です。悲しいかな、過去のレースで自分が予想した馬も覚えてなかったりします。

かといって昔に比べて予想が当たらなくなったり、稼ぐことができなくなったか、といえば、そんてことはありません。なのでそこまで記憶力が予想に大事なのかといえば、そこまでは必要ないとは思います。

もちろん低下しただけで何も覚えてないわけではありませんから、ある程度のことは覚えてます。全く覚えていないとなると、予想するにあたって過去の全レースをいちいち見返さないといけなくなったりするので、余計な時間や手間がかかり大変ですよね。

「自分が過去にどんな印を付けたのか記録した方がいいのか?」というご質問ですが、そこまで重要ではないと考えます。基本的な予想のロジックが変わらなければ、仮に過去の印を忘れていたとしても、また同じ予想にたどり着くことになります。

反省は大事です。しかしながら、「当たらなかったレースや当たらなかった馬券の反省が大事!」ということではありません。それよりも、反省の質が重要だと思います。

必要のない反省は自分の首を絞めることになる

「ハズれ=反省」はかなり危険な発想です。おそらくほとんどの人が意味のない反省をしているだろうと思います。

反省はあくまで、予想の過程で見落としがあった、という類のミスがあったときにするものであって、馬券が外れたからするものではありません。

例えば単勝で買った馬が2着に来てしまう。

「なんだ、複勝にすればよかった。この反省を生かして、今度からは複勝にしよう!」

これは意味がないどころかマイナスの反省です。

「馬連で買って当たったけど枠連の方が配当がよかった! 今度からはちゃんとオッズを確認して購入しよう!」

これは意味のある反省です。反省は予想の過程、馬券を購入するまで経緯の中に見出すものであって、結果でするものではないということです。結果を見て反省をしている人は、自分のスタイルが確立されず崩れていくでしょう。

「納得いくまで予想をして、決断を下し馬券を購入した!」。その馬券が当たろうが外れようが、反省する必要はありません。なぜなら、反省が自分の足を引っ張り兼ねないからです。道悪を考慮してなかった、血統をよく見ていなかった、休み明けは走らないことを見落としてた、内枠が有利な馬場だということを忘れてた、などなど。そういう次に生きる反省は思う存分した方がいいと思います。

過去の印にとらわれず、反省すべきもの、反省する必要がないもの、その見極めがとても重要だと思います。

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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には4432万円の馬券を的中させたことも。「稼ぐギャンブル」(太田出版)など著書も多数

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