古賀茂明『日本を壊した霞が関の弱い人たち 新・官僚の責任』

■発売日:2020年10月26日(月)
■定価:本体1600円+税
■320ページ、四六判ソフトカバー

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霞が関が変わらない限り、腐敗政治は菅政権でも続く!

なぜ「官邸官僚」発案のコロナ対策は失敗したのか? 
なぜ官僚は政治家に忖度するのか? なぜ官僚は公文書を隠したがるのか?
近年ますます注目される官僚の仕事ぶり。でも、彼らの言動には山ほどの「?」がつきます。安倍政権で生まれ、菅政権に引き継がれた官僚の新しい生態を、元経産官僚の著者が多角的に解き明かします。また、「経産省解体」など著者独自の省庁再編論も展開。希代の改革派による、わかりやすくて新しい「官僚のトリセツ」です。

「右へ行けば国民の利益になるが自己の利益を害される、左に行けば国民の利益には反するが自己の利益が守れる(中略)。そんなとき、どうしても自らの利益を優先したくなるという弱い心を持っているのが普通の官僚だ。(中略)私はこれを官僚"性弱説"と呼んでいる」(本文より)

<本書の内容>
第1章 コロナと官僚
●初動ミスの原因は「日の丸信仰」?  ●「アベノマスク」大失敗の理由
●"官僚任せ"が招いた「10万円一律給付」のグダグダ など

第2章 官僚とは何か
●官僚"性弱説" ●天下り"闇"ルートは今も健在 ●急増する「凡人型」官僚 など

第3章 官僚と政治家
●官僚たちの「逆忖度」 ●内閣人事局はフル稼働させるべき ●財務省が政治家に強いわけ など

第4章 官僚主導、官邸主導、独裁
●安倍前総理が求めた「自分のための官僚機構」 ●菅政権で官僚組織の再生はできるのか など

第5章 森友と加計 忖度への報酬とその犠牲者
●なぜ今、「森友」と「加計」なのか? ●赤木俊夫さんが「殺された」と考えるわけ 
●「官僚の会話」佐川理財局長と総理秘書官 など

第6章 官僚とマスコミ 官僚に使われる記者クラブのサラリーマンたち
●アメとムチを使い分けてマスコミを操作する官僚
●「政府の言うことも信用してあげないと」と言った若手記者 など

第7章 官僚と公文書
●官僚の公文書公開に関する「6つの原則」 ●「率直な意見交換」という名の「とんでもない悪巧み」
●情報公開が国民の生命を守る など

第8章 経産省解体論 ポストコロナに向けた緊急提言
●経産省の産業部門と農水省の合体で「産業省」を創設せよ ●「DX省」創設を急げ
●グリーンリカバリーのための資源エネルギー庁解体 など

■古賀茂明(こが・しげあき)
1955年生まれ、長崎県出身。東大法学部卒。 元経済産業省の官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官など改革派官僚として活躍したが、当時の民主党政権と対立し2011年に退官。テレビ朝日「報道ステーション」コメンテーター、大阪府市統合本部特別顧問など政策アドバイザーとして活躍。著書に「日本中枢の崩壊」(講談社)、「官僚の責任」(PHP新書)、「国家の暴走 安倍政権の世論操作術」(角川新書)など