梅雨時、大繁殖するカビ。洗面所やお風呂場の黒ずみに悩んでいる人も多いだろう。しかも、“正しい”方法でカビ取りしなければ、取れないどころか、さらに繁殖させてしまう危険性もあるという。

カビ対策に詳しい「NPO法人環境微生物災害対策協会」理事の春野幸生氏に聞いた。

「まず、カビを一度取っても、その環境が変わらない限り、1週間から10日したら、空気中にいる胞子によって、またカビが生えてくると思ってください。

それから、カビが肉眼で見えている所は、すでにカビのコロニー(集落)になっていて、しっかりと根を張り、胞子を放出していて、大増殖中だということも覚えておいてください」

カビというのは、相当手強い相手なのだ。では、カビ取りの具体的方法とは?

「私たちは除カビ剤の原液を、乾いている状態にある、カビのコロニーにシュッと噴霧するということはしません。まずは水をかけて一度、カビを活性化させます。乾いていて活性化していない状態では、除カビ効果が低いのです。

そして、30分ぐらいたって、カビが元気になってきたら、原液を3倍ぐらいに薄めたものを噴霧して1時間ほど待ちます。原液を薄めるのは、除カビ剤を原液で何度も使うと耐性菌が出てきて、これまで使っていた除カビ剤が効かなくなるためです。また、噴霧したらこすらないでください。こするとカビを壁の中などに塗り込んでしまいますから。

そして、この作業を2、3回ぐらい繰り返したら、最後に2倍ぐらいに薄めたものを噴霧して数時間待ち(可能であればひと晩置いてください)、水で流して乾いた布で拭き取ります。

除カビ剤を短期間で繰り返し使用することは避けたほうがいいでしょう。塩素による健康被害も発表されています」(春野氏)

エアコンのカビには要注意!

大事なのは、まずは水をかけてカビを活性化させること。そして、耐性菌が出てこないように、防カビ剤を原液ではなく薄めて使用すること。そしてすぐにこすらず、ひと晩置いてから水で流すこと。これが正しい方法だ。

では、水で流せないような、部屋の壁はどうすればいいのか?

「前述のように除カビ剤を噴霧した後、カビが取れたらアルコールできれいに拭き取ります。アルコールは速乾性があるので便利です。

また、多くの除カビ剤は、漂白作用がありますから、じゅうたんやカーテンなどには使えません。じゅうたんは掃除機でカビを吸い取り、水拭きして乾かすぐらいしかできません。

それから、この時期には、特にエアコンには注意してください。夏は、数時間エアコンを止めるとフィルターにカビが生えてきます。夜中にエアコンを止めて、朝、始動するとカビの胞子が吹き出されますから、エアコンを始動したら5分間は窓を開けて、胞子を外に出したほうがいい。

そして、その後はカビの発生予防に気を使いましょう。予防には、とにかく通気を良くするしかありません。また、防カビ剤を使う場合は、必ず5年以上の実績があり、実証されているものを選びましょう」(春野氏)

室内の見た目が悪いだけでなく、何よりも放置しておくと健康を害してしまう危険性のあるカビ。手間はかかるが、正しくカビ取りすることが重要だ。

(取材/村上隆保)