春のGIロードが終わって、本格的な夏競馬のシーズンが到来!

地方の温泉や山海の珍味を楽しみつつ……いや、楽しむためにも一攫千金を狙いたいところだが、そのローカル開催ならではの攻略法を、夏競馬を知り尽くした達人3人が“注目の騎手”目線で指南する。

夏競馬の基本であり、一番のツボでもあるのは“おいしい騎手”を見つけること。WIN5で763万円馬券を的中させた実績を持つ『デイリースポーツ』の人気記者・小林正明さんは言う。

「狙いは減量の恩恵がある新人騎手です。夏のローカル開催は3場に有力騎手が分散するため、若手の騎手にも出番が回ってきます。実際に減量騎手だった菱田(ひしだ)裕二騎手は、昨夏の函館で14勝を挙げてプチブレイクを果たしました」

基本的に、斤量が1kg違うと1馬身違うといわれるが……。

「今年の狙い目はデビュー2年目の伴啓太騎手。もともとデビュー前から評判になっていた騎手で、腕前はお墨つき。今夏はやる気に満ちあふれていて、斤量の3kg減を武器に、ローカルで地盤を固める可能性は高いと見ています」

一方、『夕刊フジ』の予想コラムで、皐月賞の3連単3万馬券を◎○△で的中させたギャンブルライターの片山真さんは、ふたりの新人騎手を推す。

「例年、夏のローカル競馬は若手騎手が力をつけていく場です。今年デビューのルーキーでは、東の石川裕紀人(ゆきと)、西の松若風馬(ふうま)をマークしたい。6月の東京で3勝を挙げた石川騎手は、“兄弟子”の松岡正海騎手が今年は北海道へ遠征するため、脈のある馬が回ってくる可能性大。関西の松若騎手は7月6日終了現在、17勝を挙げて見習騎手のトップ。所属する音無秀孝厩舎のバックアップを受けて、さらに飛躍しそうです!」

夏バテから小ネタまで見逃せない!

また、“小ネタの帝王”の異名を持ち、宝塚記念の3連複5万馬券をバッチリ当てた競馬キャスターの浅野靖典さんは、丹内(たんない)祐次騎手の特徴的な成績を指摘する。

「昨年と一昨年の函館・札幌で3着以内に74回入っていますが、そのうち半数以上の38回がなんと単勝4番人気以下。逆に単勝1番人気馬には15回乗って、勝ったのはたったの2回だけ。夏競馬の丹内騎手は『人気で怪しく、人気薄で穴っぽい』という特徴は覚えておいてください」

さすが小ネタの帝王!

「ちなみに、小倉では佐賀県出身の川田将雅(ゆうが)騎手、福岡県出身の浜中俊(すぐる)騎手が暑さに強いのか、好成績を挙げています。ふたりとも過去2年間の3着内率が40%超えです」(浅野さん)

さらに、ベテラン&中堅で手堅い騎手を片山さんが披露(ひろう)する。

「夏バテ知らずの頼りになる鉄人は誰か。過去3年間、猛暑の7月、8月に400レース以上乗った騎手は6人しかいません。そのうち勝率10%以上をキープしているのは、蛯名(えびな)正義騎手と北村宏司(ひろし)騎手のふたりだけでした。配当的には後者に妙味あり!」

特殊な条件のある夏競馬だからこそ、体重から気温まで分析はさまざま。それぞれの強みを武器に活躍が期待できる騎手たちを見極め、一攫千金をめざせ!

(取材・文/浜野きよぞう)

■週刊プレイボーイ30号「夏競馬ウハウハ必勝法」より(本誌では、3名人が厩舎、血統、コースでも攻略法を徹底伝授!)