イギリスのグッドウッドを皮切りに、数ヵ月の間に世界各地で披露されるというコラボGT‐R「Nissan GT‐R50 by Italdesign」。日本でもマジで見たい!
名門イタルデザインとコラボしたプロトタイプを突如発表。限定プロトタイプが示唆するものは!? R32 GT-Rが愛車だった自動車ジャーナリストの小沢コージが日産関係者や専門誌のスクープ班を緊急直撃。その真相に迫った。

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ぬぉぉぉぉ! 鋭利なナイフのごとくニラミの利横(いたじま)ヘッドライトといい、ゴールドにフチ取られたフロントグリル回りといい......エロい、エロすぎるぜぇ!

特にシブさとワイルドさを併せ持ったベースカラー、リキッドキネティックグレイと色気あるゴールドとのコントラストがたまらない。正直、上品とも下品とも言い難い、ギリギリのはざまに存在するカラーリングだが、それはまさしく光と影。コイツがヤケにGT-Rに似合ってる。

グリルだけじゃない。ボンネットのパワーバルジ、ドアミラー、「サムライブレード」と名づけられたフロントフェンダーの左右エアアウトレット。ガバッと開いた女性のドレスの背中のようなところまでその色で塗られ、GT-Rの妖艶さを際立たせている。見てはいけない場所にスポットライトが当てられているようじゃないか!

一瞬、これぞ次期型GT-Rのプロポーザルでは?と思い、オザワが日産関係者を直撃したら、「名前は『GT-R50イタルデザイン』。単純にGT-R50周年とイタルデザインの50周年を記念したデザインスタディです。残念ながら、あれがそのまま次期型GT-Rにはなりません(笑)」とあっさり否定された。

ちなみにイタルデザインとは、イタリアを代表する天才工業デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏がつくった有名デザイン会社で、初代VW(フォルクスワーゲン)ゴルフやいすゞのピアッツァ、スバルのアルシオーネSVX、トヨタのアリストなど名立たる名車を手がけてきた。

しかし今回、GT-Rのデザインを手がけたのは、日産の社内デザイナー。車両造りを引き受けたのが有名コーチビルダーでもあるイタルデザインなのである。

とはいえ、このクルマはあまりに出来が良すぎる。ベースは現行R35型GT-Rニスモ。3.8リットルV6DOHCツインターボで、GT3レース用の大型タービンや大型インタークーラー、さらに専用クランクシャフト、ピストン、コンロッド、カムシャフトなどでチューニングされ、最大出力は720馬力!

足回りも21インチの専用ホイールにスポーツタイヤ、ブレンボのフロント6ピストン、リア4ピストンの強力ブレーキを装着する。すぐさまサーキットを走れちゃう仕様なのだ。自動車専門誌『ベストカー』のスクープ班はこう解説する。

「この50周年モデルは7月12日にイギリスで行なわれる自動車イベント『グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード』で実車デビュー。

そして2022年頃に約90万ユーロ(約1億1700万円)で最後のR35型GT-Rとして限定販売される予定という情報が。台数限定生産で、50台程度の車両をオーナー好みに仕立てて売る可能性も」

まさにモデル末期に特別チューンと少量限定を売りにするスーパーカーお約束の手段である。だとすると、次期型GT-Rは? 『ベストカー』スクープ担当者が続ける。

「研究は動いているって話ですが、EVにするのか、今の日産がスーパースポーツを出す意味はどこにあるのか? まだ結論は出ていないよう」

オザワ的には、このエロい50周年モデルを次期型にすればいいじゃん!と思うぞ。やっちゃえ、日産!