昭和58年、群馬生まれ、北関東民を中心に愛され続けたコンビニエンスストア「セーブオン」が8月31日で歴史に幕を下ろすことに。焼きまんじゅうをはじめとする地域密着型の独特な商品ラインナップで地元民の心をつかんでいた。

ネットでは悲しみの声が叫ばれ続けているが......そもそも、北関東を中心に約500店舗も存在していたコンビニチェーンが閉店の道へ進むことになったのはなぜ!? セブン-イレブンとローソンでの現場経験を持つコンビニ研究家・田矢信二氏はこう解説する。

「2015年には『ポプラ』、16年には『スリーエフ』などのコンビニもローソンと資本提携し、多くの店舗がローソンの看板を掲げました。現在、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社で5万店以上を構え、高速で進化を続けているのがコンビニ業界。そのなかで500店という規模のセーブオンが生き残るのは難しかったということでしょう」

冷静に分析する田矢氏だが。

「とはいえ、セーブオンはローカルコンビニの中でも特に地域密着型で独自の価値を持つブランドでした。"上州名物"を銘打った『鳥めし』や『もつ煮込み』など、ほかでは見られない商品が並び、たまにしか群馬を訪れない私でさえ、今後セーブオンへ行けなくなるのは非常に寂しい。こんな私でも群馬の方たちの"セーブオンロス"に共感してしまいます」

ということで、閉店を前にしたセーブオンファンの愛の声を聞いてみよう!!

上州名物の鳥めしやもつ煮込みなど、地元民が愛する弁当や惣菜で心をつかんでいた

まずは群馬県民の声をご紹介。

「県民にとっては接触せずに暮らすのは不可能なほど、どこにでもあるコンビニ。群馬の農家のとろろそばなど、地元の食材を使った商品が多く、群馬に生まれたことを誇りに思えるのがセーブオンなんです」(23歳・男性)

これが群馬県民に愛される最大の理由だったようだ。さらに女性からも。

「『茂蔵豆富』の豆富が好きです。美容を意識する女性としてはうれしかったですね。豆乳スイーツも多くて、群馬の女性に美人が多いのはセーブオンのおかげだったと思います!!」(26歳・女性)

さらに。

「ゆるキャラグランプリを獲った『ぐんまちゃん』が描かれたカップ麺『ぐんまちゃんヌードル』は娘が大好きで。妻がパートに出ている日、娘と一緒にセーブオンへ行って48円アイスとセットで買って帰るのが僕も娘も大きな楽しみでした」(33歳・男性)

セーブオン消滅によって群馬県民が受けるダメージは確かに大きそうだ。

嘆きの声を挙げるのは県民だけではない。8月27日発売の週刊プレイボーイ37号『セーブオンよ永遠なれ!!!』では、『お前はまだグンマを知らない』作者の井田ヒロト氏らのコメント、そしてセーブオン広報からのファンへのメッセージなどを掲載している。