1991年に『ムー』編集部に配属され、ふしぎひと筋の三上丈晴編集長

人類滅亡から心霊写真まで! 1979年の創刊から40年間にわたり、ふしぎ界のトップランナーに君臨する月刊誌『ムー』(学研プラス)。その5代目編集長である三上丈晴氏にムーの真実を直撃です!

■よく訓練された読者に支えられた40年

──いきなり核心からいきます! 『ムー』に掲載されている内容ってオール真実って認識でオッケーですか?

三上 宇宙人、UMA、心霊。これら全部まとめて実在します。弊誌では40年間、このような質問にブレることなく、こう回答してきました。ですからわれわれは、「某S45の元編集長が昔、『ムー』編集部にいたって本当ですか?」と質問されたら、「弊誌に在籍していました。間違いありませんッ!」と即答しています。真実を語る弊誌として「知りません」とは言えません。

──カッコいい! ただ、80年代はあちこちのテレビや雑誌でUFOや心霊特集をやっていましたけど、近年これらは『ムー』の独壇場に! 業界的に燃料不足ってこと?

三上 そうではありません。近年はテレビも雑誌もコンプライアンス重視です。心霊やUMAの報道を見た視聴者から「気分が悪くなった」「不安を感じた」と、クレームの可能性があるものは極力避けます。しかし、弊誌の読者は耐性が強いので、全力で記事を制作しています。

──よく訓練された読者かと! ところで『ムー』といえば心霊写真がおなじみですが、最近は?

三上 心霊写真はスマホ、デジカメの登場で、加工済みと思われる写真が多くなりました。一方、デジカメで念写した画像が登場しています。これは添付メールを送られたパソコンをシャットダウンさせてしまうことがあり、掲載は難しいのです。

また、あらゆる場所に監視カメラが設置され『物的証拠』が残りやすくなりました。例えば、タイムトラベラーが出現した瞬間など、日時も記録されるのです。

──ちなみに、心霊写真は今でも編集部へ投稿が?

三上 投稿された心霊写真のチェックが、新人の仕事です。私が『ムー』に配属された90年代は月に300通以上の投稿があり、封筒を開封すると塩がザバァ~と出てくるのです。ま、日常茶飯事でしたけど。

──編集者も訓練されすぎ! 300通中、何%ぐらいが"本物"なんですか?

三上 だいたい1%です。当時は、それらを宜保(ぎぼ)愛子先生(霊能者、故人)に鑑定してもらい掲載していました。

1979年10月の創刊号に掲載された心霊写真。右端に、左を向く男性のシルエットが!矢印部分に人影が! この後、心霊写真は各メディアで大ブームとなる

──心霊写真、そして超能力も『ムー』のお家芸です!

三上 スプーン曲げのユリ・ゲラーは、付録にポスターをつけるほど人気がありました。

──ユリ・ゲラー以降、新たな超能力者の登場は?

三上 中国にいます。厳新(げんしん)というバケモノがいました。スプーンを曲げるどころか浮遊させ、それを壁にブスブスッと刺すことができるといいます。中国には厳新レベルの超能力者が多く存在しますが、軍が管理しており、表に出ることはありません。厳新は現在アメリカへ亡命しCIAが監視しているともいわれています。

──オカルトブームを牽引(けんいん)した『ムー』。雑誌としてピンチの時期などは?

三上 1999年の8月号以降が大変でしたね。

──いったい何が起こったのですか?

三上 目に見える形での大事件は起こりませんでした。一般的にノストラダムスの大予言は「1999年7の月、人類滅亡」と認識されていましたから。あと、「2012年の12月23日、人類滅亡説」のときも、特別なことは何も起こらないという。

──あのー? 12年の人類滅亡号をチェックすると、「次号予告」がしっかり入ったりするんですが、これは!?

三上 いやー。懐かしい思い出です。この事案はニュースにもなりました。人類滅亡を目前にしても職務を全うする弊誌の"プロ意識"の高さが評価されたのでしょうか。

──ものすごい、ポジティブ解釈! ノストラダムスさんって、ヒゲを蓄えたおなじみのイラストがありますけど、これってイメージ画ですか?

三上 ノストラダムスは、16世紀のフランスで活動した医師で地元の名士でした。ですから、多くの肖像画が現存し、それらを元にイラストを描いています。たまに、間違ってノストラダムスの息子の肖像画が使われることがあります。

宇宙人に関する新証言の数々、そしてノストラダムスの人類滅亡予言も、ムーの王道コンテンツ。平成最後の大予言、そして新元号初の人類滅亡のピンチはあるのか?

──ちなみに今後、世間を大震撼させるような予言は?

三上「松原照子の予言」に注目しています。彼女は2年前に、今年の9月6日に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震を予言していました。彼女は「ムカワ(むかわ町)」と被害に遭った地名まで言い当てたのです。気になるのは、彼女が講演会で「東京オリンピックはどうなるんですか?」と聞かれ、「開催しません!」と即答していたことです。

──では最後に、『ムー』は40周年以降もブレないと?

三上 はい。真実を追求し続けることこそが、読者への務めだと考えています。

──ネットに蔓延(まんえん)するフェイクニュース対策にも、真実特盛りの『ムー』が最適かと!

政治、経済、科学などなど、なんでもオカルト視点で大解決する月刊誌『ムー』(学研プラス)。毎月9日に発売!

■「創刊40周年記念 ムー展」が10月12日(金)から東京・池袋パルコで開催中。詳細は【art.parco.jp】で!