キエフではしご酒!スピークイージーな隠れ家バーでカクテルを嗜むよ!

中東のハイライトであるイスラエルヨルダンの旅も大満足に終わり、物価の高い国とはこれでおさらば。

次はヨーロッパなのに東南アジアよりも物価が安く、旅人に「コスパ最高」と叫ばれているウクライナへ飛びました!

さよならヨルダン。ワクワクをありがとう!さよならイスラエル。すごく興味深い国でもっと深掘りしたかったので、いつかリベンジだな!

旧ソ連から独立したウクライナは東ヨーロッパの国で、ロシアのお隣り。2014年には政府と親ロシア派との対立で紛争が起こり、翌年に停戦となってはいるが未だピリついている。

そんな情勢から経済は悪化し、ハイパーインフレが発生。物価が安く、旅人にとってはありがたいが......。

2013年に廃止になった徴兵制も翌2014年に復活。街中には迷彩服を来た男女が普通に歩いていた

首都キエフの安宿、1泊130フリヴニャ(約512円)の女子ドミトリーに荷物を置き中心街へ出る。独立広場に通じる目抜きのフレシチャーティク通りには、オシャレなカフェやアパレルが並び都会的。

人々は洗練されたファッションに身を包み、ヘアカラーが緑やピンクや赤など奇抜な人も多く、女子同士お揃いの双子コーデも流行っている様子。首都だからだろうか、みんな優雅に買物を楽しんでいて、貧困は感じず、むしろ潤っているように見えた。

オシャレ人口高い! お揃いの服や髪で双子コーデにしている人も多数見かけた

そんな中、ここでまず私がやるべきことは、海外送金サービス「ウエスタンユニオン」を利用して、日本からの送金を受け取ること。スリに遭ってからというもの、お腹に隠してあったお金を小出しにしながらなんとか旅をしてきたけれど、そろそろ底をつきそうだ。

お金を受け取るため小さな郵便局へ向かうと、5万円程の送金であったが「そんな大金ここにはない! 銀行に行って!」と言われ、「そんな大金?」と思いながら、結局ウエスタンユニオンの窓口で無事に現金ゲット。建物を出るとさっそくおばあちゃんの物乞いに「マネー」とせがまれた。

迷える旅人の強い味方、海外送金サービス「ウエスタンユニオン」の窓口

大金(?)を手に入れた私は、やっと腹ごしらえ。そういえば、いつからご飯を食べていないのだろうか、だいぶお腹が減っている。私は「トリップアドバイザー」で評判の安ウマのレストランへ足を運び、サラリーマンお得意の決まり文句を叫んだ。「とりあえず、ビール!」

イスラエルでは炎天下の死海で喉から手が出るほど欲しかったビールを我慢したが、物価の安い国でお金を持った途端、欲望むき出し。

メニューは何を書いてあるのか全くわからなかったが、私の自慢は「好き嫌いなし。だって私、旅人だもの!」なので、適当に頼む。

すると出てきたのは......なんだかシンプルな、平たく大きな餃子のような形の揚げ物で、中に柔らかいラムの挽肉が入っている。それは、「チェブレク」といい、ロシア、シベリア、中央アジア、東ヨーロッパなどユーラシア大陸に幅広く居住するテュルク系民族のタタール料理であった。

もう一品別のメニューを頼むと、今度は焼いたタイプの餃子型のものが出てきた。これらに、付いてきたパンなど食べてたったの90フリブニャ(約360円)だった。

「チェブレク」という名のタタール料理。複数形になると「チェブレキ」というらしい路上のコーヒースタンドなら、コーヒー(アメリカーノ)は約60円程度!
物価の安さに気を良くした私は、その後もスーパーでお菓子(1袋25円!)を大人買いし、ついでに服や雑貨を買い始める。

カフェでオレンジカプチーノなんてオシャレっぽいものを頼んでも200円程度、フリーWi-Fiはサクサクで仕事もはかどる。せっかくだから良さげなお店も攻めようと、隠れ家バーで飲んだカクテルは600円と、これはそれほど安くもないかな。

そしてオシャレなレストランでおひとり様はちょっと寂しいけれど、ウクライナワインと仔牛の柔らか牛タンのグリンピースクリームピュレ添えに舌鼓を打って、たったの1000円!

サービスやホスピタリティーに関しても文句なしで、「ウクライナ最高!」。これは好きな国ベスト10にエントリーかな。

カフェはどこもWi-Fiサクサクなのでノマドワークに向いている

バーテンさん撮影「はしご酒する女旅人」オシャレなレストランでディナーしても千円!


ご機嫌で安宿に帰ると、共同エリアで旅人男子たちが談笑していた。話題はウクライナ女子の話。

そうそう、ウクライナは世界一美人が多いと名高い国でもあったっけ。イスラエルで強烈な美人を見慣れていた私は少々麻痺していたが、たしかに街中には美人が多かった気がする。

女子ウケの良さそうなキリっと濃い目のイスラエル美人に比べて、ウクライナは男子ウケの良いふんわり柔らかめの美人が多いかなという印象。

「美人は3日で飽きる」は嘘だと思うけど、「慣れる」はあるな......

「さては、みんなウクライナの美人目当てで来てる?(笑)」

私が冗談を言うと、カメルーン人のトッドはシリアスな顔をしてこう言った。

「ウクライナの女のコは黒人を皆アメリカから来てると思ってる。だから僕をアメリカ人だと思ってこう言うんだ。『USドルをくれ』ってね。彼女たちは英語が話せないけど、"ハロー"と"$100"は言えるみたい。本当さ!」

あらま、何か嫌な経験でもしたのだろうか......。彼の話は個人的なものだと思うが、たしかに彼女たちからしたらアメリカ人やヨーロッパ主要国からきた観光客は羽振り良く見えるだろうな。

ウクライナの平均月収は3万円程度だそう。いくら他のヨーロッパ諸国に比べて物価が少しばかり安かろうが生活は大変だろう。外国人観光客にとっては最高の国だけれども、手放しに喜ぶのも申し訳ない気がしてきたぞ......。

そんなウクライナに日本はこれまで3000億円以上を支援して感謝されているそうだが(平成30年2月時点)、私は今夜の宿が500円程度なことに感謝している。

とりあえず連泊決定。

【This week's BLUE】
街中にいっぱいあったエイリアンのストリートアート

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第204回「『チェルノブイリ博物館』で心臓がドクンッとなった理由」

●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】