ウクライナのレストランやカフェはグッドホスピタリティーです!

ウクライナのリヴィウは、世界で周った都市の中でもかなり好きな旅先。ここに来た旅人からは良い評判しか聞いたことがなかったけれど、本当その通りで、はっきり言って穴場だと思う。

世界文化遺産である街はコンパクトで周りやすくオシャレなカフェ天国。旅で枯渇していく女子力に潤いを与えてくれる。

物価も安いので滞在費は安く、躊躇なく外食できるのもうれしい。必見するほどの目玉的な何かがあるわけでもなく、それはそれで"見なければ"というプレッシャーがないので、旅人にとってはオフできる癒しの地なのである。

リヴィウ街中。カラフルな傘が飾られた通り
今日も朝からカフェに行き、お決まりのカフェラテを選び、味はともかく"映(ば)える"ブレックファストをカメラに収めて、冷める前に頬張り、一日がスタート。

"世界で仕事をするノマドワーカー"な自分に酔いながら、しばしキーボードを叩いた。

オシャレなカフェがいっぱい。Wi-fi完備!

しかし、せっかくオフしてたのに、旅の心を満たすのはそれではなく、やはりその土地の名物が気になる。

「残り少ない時間で、できるだけこの街の店を周ってやろうじゃないか!」

結局やっぱり旅のやる気スイッチが入ってしまう私は、(デスクワークをサボるため?)街中へ飛び出した。

ランチにはウクライナの人気チェーン大衆食堂に行き、ウクライナ名物「コトレータ」を食べる。いわゆるカツレツのことで、「キエフチキン」とも呼ばれたり、日本では「キエフ風カツレツ」とも言うらしい。

鶏肉にバターが包まれていて、ナイフで割ると中から黄金のバターソースがジュワ~とあふれ出す。見た目は地味であるが、安定の味といったところだろうか。

ウクライナ料理。コトレータ

そして、リヴィウ名物といえばチェリー酒も有名で、街中にはいくつも同じ店を見かけた。いわゆるチェリーの梅酒版といった感じで、アルコール24%の甘くて飲みやすいお酒は1杯たったの15フリブニャ(約60円)。

リヴィウの名物チェリーワインをひっかけてと

街の中心リノック広場にあるチェリー酒のお店

食べて飲んでばかりでは胃がしんどいので、間に観光も入れてみる。

ガイドブックに載っていた薬局博物館へ行くと、そこには1735年創業のリヴィウで一番古い薬局があった。今も普通に営業していて、博物館の入口はどこなのだろうとキョロキョロしていると、なんと入口はカウンターの中のレジ裏。

こんなところから入るのか......ワクワク! アトラクション感たっぷりで良い。私はこういう隠れ部屋みたいのが大好きだ。

右側のカウンター内のレジ裏に、博物館への扉がある

店の奥には薬棚や、薬を作るのに使うであろう道具や天秤などが展示されていた。薬草や謎の液体などが詰められた瓶を眺めていると、なんだか毒を作る魔女のような気持ちになった。

「アレとアレにカエルの脳ミソを混ぜて、アイツに飲ませてやろうか。ヒッヒッヒ......」

薬棚を眺めて魔女の気分になる私

そして地下へ続く階段を降りると、カビ臭い匂いがして、ヒャ! 人型の蝋人形に驚いた。まるで、文化祭のお化け屋敷のようなプチ演出だが、意外にもビビってしまった。

いきなりの蝋人形にマジビビり

それからワイン樽が保管されていたが、ここでは創業当時から万病に効くという「鉄ワイン」を売っているそうだ。これは飲んどかなければと購入すると、ちょうど健康ドリンクくらいの小瓶サイズ。

ゴクリと一口飲んでみるが......ブハッ! マズ!

なんだかイソジンのようなヨードチンキのような色と、甘いけどどことなく鉄臭い血のような味で、とても飲み干せる代物ではなかった。あとで宿にいたウクライナ女子に聞いたら、どうやら水で薄めて飲むものだったようだ。養命酒的なものだろうか。

「鉄ワイン」と呼ばれているが、ワインではなく滋養強壮剤のようです

宿のウクライナガール。平均月給3万円のウクライナの環境に嘆いていた

そして、名物的お店はまだまだあるんです。先日怪しい赤い光に包まれたマゾカフェにも行きましたが、今度は「火あぶりコーヒー」

一見オシャレなカフェの地下は炭鉱のようになっていて、「ビッグサンダー・マウンテン」を思い出す。暗闇の中、ヘルメットをかぶらされ席に着き、火あぶりコーヒーを注文すると、イケメンがバーナーを持ってきて発火!

ゴォォォ~ッ!

炎であぶられたコーヒーの表面の砂糖がキャラメライズドされ、甘い匂いが広がった。

イケメンさん、私のハートも燃やしてくれないかしら......。54フリブニャ(約360円)のコーヒーで、ワクワクハラハラドキドキを楽しめちゃう、なんともお得感たっぷりなカフェであった。

入店するとヘルメットをかぶらされる

炎のコーヒー!

そして最後に紹介するのは、ユニークな名物「サーロ」という豚の脂身の塩漬けです。

「アブラタベルノ......?」

見た目はまるで「MONO消しゴム」のような白い塊。見るからにただの脂肪といった食物であるが、ウクライナでは古の時代から脂肪源となる保存食として愛され、現代もウォッカにピッタリの珍味的存在だそうだ。

盛り合わせを頼むと、スライスされたものが、黒パンに乗せられてやってきた。塩気のある脂身はビールのつまみにはなるが、脂は脂。言うたら、ベーコンの白いところだけという感じ。

一緒に行った旅友の阿部さんは気に入っていたので、好みは人によるのだろう。さらに、シャリの代わりに脂身を使った「サーロ寿司」もありましたが、味は聞かないでください。

ビール2杯と、サーロ盛り、サーロ寿司、お土産も入れて、お値段300フリブニャ(約1200円)

店内にはサーロで作られたアートが飾られている

正直、これは太っちゃうんじゃないかという恐怖ばかりですが、不思議な食べ物の初体験に好奇心が満たされたかな......?

街ごと遊園地のようなリヴィウは常にワクワクが止まらず、もっともっと掘りたいところですが、ここでタイムリミット。

リヴィウに沈没することを決めた旅友阿部さんに手を振って、私は寝台列車に乗り込んだ。

【This week's BLUE】
キスプレイスあっちです。どーぞ。

旅人マリーシャの世界一周紀行:第209回「謎に包まれた東欧の小国・モルドバでワイン片手に"ウマイアヒー♪"」

●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

★『旅人マリーシャの世界一周紀行』は毎週木曜日更新! ★