独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏

『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。

今回の"バカレシピ"は、麺なしのニーズはきっとある! 汁なし担々麺がウケたのなら、次は「麺なし担々麺」!

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【今回の食材】
・担々ごまだれ 適量 ・モヤシ 1袋 ・木綿豆腐 1パック ・アスパラガスビスケット 適量 ・肉味噌 適量 ・白髪ネギ 少々

野島 つけ麺、油そばに続き、今や「汁なし担々麺」もすっかり市民権を得ましたね。でもまさか、汁なし担々麺というネーミングで定着するとは思いませんでした。私は貧乏性なので「だったら担々麺を食ったほうがお得じゃん!」って思っちゃう。

助手 なるほど。しかも店によっては汁なしのほうが高いなんてこともあるッスからね。

野島 そこで私は考えました。汁なし担々麺がウケたのなら、次は「麺なし担々麺」がウケるのではないかと。ブームが来る前に作ってしまいましょう!

助手 バカが加速しすぎてついに日本語も理解できなくなったか!? 麺なし麺って、言葉として完璧に破綻してるからな!?

野島 でも意外と時代にマッチしてると思いますよ。痩せたい人はみんな糖質制限して、麺を忌まわしいものとして扱っているじゃないですか。麺なしのニーズはきっとある!

助手 確かにダイエット食としてなら可能性があるかも? とりあえず作ってもらいましょ!

(1)スープ! スープは市販の鍋用スープや担々ごまだれを使用。もちろんラーメン用のスープを使用してもOKだが、今回はそもそも麺を使わないため鍋用スープで十分満足できるはずだ

(2)モヤシ! 鍋にお湯を沸かし、モヤシをサッと湯通しする。時間はお好みの硬さに合わせて調整しよう。モヤシから水分が出るので、ザルでしっかりお湯をきってからスープに入れよう

野島 スープは鍋用の担々ごまだれを使い、希釈したら湯通ししたモヤシを入れますよ。要はモヤシを麺の代役に任命するわけです。低糖質だし、細長いから見た目も麺そのもの!

助手 確かにラーメン二郎なんかも麺より大量のモヤシを食ってるような感覚ッスからね。まあ、モヤシの見た目が麺そのものだとは全然思わないけど!

野島 さらに木綿豆腐を入れてボリューム感を増します。

助手 ヒューッ! ヘルシー!

(3)のせる! 温めた木綿豆腐とビスケットの「アスパラガス」を盛りつけ、白髪ネギと肉味噌をのせれば完成。アスパラガスは丼の縁にのせると浸水を防げるため、食感の変化を楽しみやすい

(4)完成!「麺なし担々麺」

野島 あとはビスケットの「アスパラガス」も入れちゃう!

助手 バカかよ!? せっかく糖質オフを意識してるのに、ビスケットなんて一発アウトだろ!?

野島 さすがに麺ほど糖質は高くないだろ。アスパラガスにはゴマが大量に入ってるから、味にかなりコクが出るんですよ。なのでこれだけは外せない! で、白髪ネギと肉味噌をのせたら完成。はい、食べてみて!

助手 あっ......モヤシと豆腐の味は想定内だけど、アスパラガスが信じられないほど合う!!

(5)激ウマ! あとは感情の赴くままに食らうだけ。最初はザクザク食感のアスパラガスだが、少しずつ溶かしながら食べると徐々にスープが濃密になる。大量のモヤシと豆腐で大満足だ!

野島 ビスケットの甘さがスープをまろやかに感じさせるんです。時間がたつと徐々に溶けてスープが濃密になり、ガッツリ感がブーストされるのもイイ!

助手 意外と計算されてるんだなあ。量もあるし大満足ッス! 糖質オフでこれならアリだ!

野島 ちなみにアスパラガスを1パック全量使うとカロリーは......473kcalか! 麺1玉より高カロリーかもしれない!

助手 そこもちゃんと計算しとけよ! 完全に破綻してるわ!

●野島慎一郎(のじま・しんいちろう) 
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社)。YouTube『のじまちゃんねる』

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